がんばれコンサルタント! 第338話:コンサルタントが押さえておくべき「チャンスの女神」のタイプ別攻略法

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「いやぁ~さすが持っていますね、驚きましたよ」── 先日、ある会社の催し物に出席していたのですが、その式典の終了間際になって起きた「あるトラブル」への、仲間の方々の言葉です。

何が起きたのか…と言えば、「機材トラブル」です。予定していた感動のフィナーレを飾るはずの映像でしたが、なぜか「音が出ない!」のです。何度も試すもダメ…。

ほんの数十秒ほどなのに、膨大な時間が過ぎていく感じです。会場のざわつきが余計にプレッシャーを増幅させます。現場担当者なら胃がキュッときて、額から変な汗がドッとでてきそうな状況でした。

この重苦しい空気を振り払うように、催し物を主催していた会社の社長さんは、笑顔で「えっと、〇〇さん、ちょっと無茶ぶりだけど、この音の出ない映像に、即興で歌詞を乗せて演奏してくれない?、上手くできたら持ってきたCDぜんぶ買ってあげるから!」とジョークまじりに、マイクを使って会場でコールをされたのです。

まあハッキリ言って無茶ぶりです(笑)このコールをかけられたのは、催し物にゲストで呼ばれていたミュージシャンの方。場の盛り上げ役として、ギターの弾き語りをパーティー中にされていましたが、さすがに「まさか」の展開です。

いくら普段、弾き語りをしているといっても、「初めて見る映像」に合わせて…という意味不明の注文です。しかも会場には100人以上の経営者層が集まっていて、これがフィナーレになるから…という、超絶プレッシャーのかかる場面です。

えっ、大丈夫?無理でしょう?などと、周囲が気をもんでいる中、「あっ、分かりました! マイクと椅子の用意、お願いします~!」と、返事の声が、会場にこだましたのです。

完全な予定外の演奏だけに、セッティングに少し時間がかかっていましたが、その間にも「映像はだいたい、何分くらいのものですか?」とか、他にも何点かやりとりの声が…。

その間、パーティー中の演奏の時とはかなり違う…というとアレですが、まさに緊張感がヒシヒシ伝わってくる面持ちで、いよいよ本番、それもまさに、「ぶっつけ」が始まったのです。

トラブルの後だけに、まさに全員が注目していました。そして、まったく予定外の演奏、しかも即興で映像に合わせて…という無茶ぶりの内容だっただけに、より一層、皆が聴き入ったのでしょう。熱意あるライブ演奏は、聴く者の心を強く打つものでした。割れんばかりの拍手喝采は鳴りやまず「鳥肌モノの、本当に感動のフィナーレ」となったのです!

参加された方々は、口々に「もしかして予定してた?(笑)」「さすが!、本当に感激したよ」「いや~、まさかトラブルまで演出していたとは!(笑)」「いいもの見させてもらった!」などと、もう大喜び。そして、会場出口に設営されていたたCD売場のところには、あっという間に黒だかりが…。

面白いのは、後に聞いたのですが、主催された社長さんいわく「音がでなくなったとき、これはチャンスが来たと思った」というのです。

もちろん主催者ですから、「なんとかしなければ…」と考えたはずです。そもそも、トラブルなんて起きないほうがいいに決まっています。しかし、悲しいかな、「トラブルが起きてしまう」のが、人生であり経営なのです。

ここで、「ああダメだ!」と、お詫びして場を締めるか。それも方法には違いないでしょう。しかし、20年、30年…と経営を続けてこられた方は、新人経営者と少々違うのです。ハッキリ言えば「いい意味で往生際が悪い」のです。しかも、転じれないかと頭をフル回転させる訳です。そして実際に、トラブルを咄嗟の機転でチャンスに書き換えてしまった訳です。

これはある意味、訓練の賜物です。トラブルでピンチに陥ったときも、右腕だった社員がやめていったときも、期待していた新事業が大失敗したときも、災害に見舞われたときも、お金が底をつきかけたときも…、いつも必死に頭をフル回転させて、何とか生き残るために必死でがんばってきたからこそ、咄嗟の機転や対応ができるようになったのです。

最初から機転の利く人などまずいません。表面的に真似をしても、相手も応えてくれないのです。何かが違うからです。

興味深いのは、強引なようにみえて「全部買ってあげるから!」のご褒美つきで、そして親しみがわく笑いでオファーしていることです。もちろん、この無茶ぶりに応えた人も、「まず、受ける。これは皆の前で演奏してアピールできる貴重なチャンスだ!」と応え、セッティングしているわずか数分の間に、「どうするか」を必死で考えていたのでしょう。

チャンスが欲しいと誰もが思っていますが、世の中がいつも通りに問題なく廻っていれば、それは「いつもどおりにいつもの人がやって、いつもどおりにその日が終わる」だけです。

翻って、自分達がチャンスを掴むには大きく2つのことが重要なのです。1つは、前もってしっかり準備して…とは、誰もが考えることですが、この時は、念入りに虎視眈々と準備をして、満を持して激震が起きるくらいの「フルスイング」をすることが大事です。周囲を揺らすことで生じる「ひずみ」がチャンスだからです。

もう1つは、予定外のトラブルや、あってほしくない問題、その他何か…が発生したとき、「いつもと違うことが起きる」ことになります。このとき、「誰かからチャンスを振られる」ことが起きる「かも」しれません。ただし、ヒドイ条件付きです。当たり前です。トラブルによって偶然空いたチャンスだからです。

チャンスの女神とは、「心を揺さぶられたい、新しもの好きのトキメキ王女さま」か、はたまた「無茶ぶりが大好きな、ワガママ王女さま」のどちらかということです。

ここには、普通のことを、いつも通りに、いつものペースで、コツコツやって…という類のものがないことが分かります。女神さまからすれば、ツマラナイからです。

「たまたま、あさって良い広告枠が空いたんですが…」、「予定していた講演の人が、急遽これなくなって…」、「決算で、いま頼んでもらえたら半額でやりますよ」、「今週中に原稿を用意できるなら、本を…」、「明日、出張で得意先のところに行きますが、パンフレットを用意してもらえるなら…」などなど、無茶ぶり王女さまは、意外なほど身の周りに多かったりします。

そんなのないけど?という人は、気付いていなかったり、知らぬ間に断っていたりしているだけです。そもそも、アンテナが立っていなかったり、断りつづけて声がかからなくなっていることも考えられます。

せっかくの無茶ぶりチャンスに気付いたなら、どこまで本気で掴みにいくか…。結論から言えば、物理的に不可能なこと以外は、0コンマ何秒で判断し、「やる!」と答えられるかどうか…ということです。

後は、全神経を集中させて、何が何でも帳尻を合わせるために逆算し、協力を仰ぎ、持てるすべてを動員して「何とかする」ということです。

準備をしっかり、そして本気で出て行くことも大切です。そして、それを活かすためにも、気まぐれのチャンスもつかむことです。

今は大きな会社になっているところも、最初は小さな無茶ぶりチャンスに、「やります!」と応えてなんとかしたのです。あり得ない納期、あり得ないオファー、あり得ない用意物、あり得ない条件…。

優れた経営者はもちろん、大いに活躍しているコンサルタントは、みなこの感覚をもっているからこそ、顧客も取引先も喜ばせ、そして大いに成長していっているのです。

あなたは、どちらの女神が好きですか?
 あなたは無茶ぶりへの訓練を行っていますか?

来たる2019年、更なる挑戦で、大いなるチャンスを掴んでください!

 

著:五藤万晶

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