がんばれコンサルタント! 第354話:コンサルタントが押さえておくべき、事業の成長と膨張の違い

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「ゴトウさん、お陰様でコンサルタントとして独立できましたが、今後の方向性でちょっとご相談があるのですが…」── 3年ほど前に当社にお越しになられ、コンサルタント起業をされた方からのお言葉です。

どんな商売でもそうですが、独立起業して1年、2年という時期は、もうほとんど意識朦朧(もうろう)になるくらいに「ガムシャラ」に…という人が多いでしょう。いわゆるよく分からないけど必死にがんばって…というパターンです。

誰でも、先がいまいち分からない上に、とにかく軌道に乗せるためには「計画的に、余裕を持って…」というほうが無理な話というものです。こんなことは、実際に起業してきた人や、事業を興してきた人に訊けば、スグに分かることです。

さらに言えば、コンサルタントビジネスの場合、特にカタチが無い商売であり、しかも何か講演とか作業すればいい…というものでもなく、目標とする実態が見えないため、難易度はさらに上がります。

このため、商売の組み立てのことをよく考えないというか、よく分かっていないまま走っている…という人が、決して少なくないのです。

この辺りは「似て非なる職業」として、「キラーコンテンツで稼ぐ法」など、書籍でも詳しく書いていることですが、それはともかくとして、重要なのは、「ある程度地盤ができてきたあと、商売的にどう進めていくのか…」という、方向性の決定です。

ビジネスの方向性をどう定めていくのか…ということは、想像以上に重要なことです。前段のお越しになられた方も、まさにこのご相談です。簡単に言えば「事業戦略」であり、「どう展開を行っていくのか」…これを考えているかどうか…ということです。

なんだそんなことか…と声が聞こえてきそうですが、「想像以上に…」とわざわざ申し上げているからには理由があります。

それは、「方向性の決定とは、事業の仕組みをどう引き上げるか、事業を強くするためにどう変えていくか…であり、売上や客数を増やす話とは根本的に違う」からです。

例えば、店舗数を増やせば利用客数も売上も増えますが、語弊を恐れずに言えば、これは単に大きくなった、もっと言えば、膨張したとしか言えないレベルということです。

もちろん、大きくなっているのですから「良いことだ!」と言われれば、いちいち否定はしません。そうですね、と申し上げます。しかし、「方向性」と申し上げていることに関して言えば、「何もなされていない」と言わざるを得ません。

いま行われていることを単に繰り返したり、複製したり、同じことを少し大きくして展開する…といったことは、これは担当者レベルの話であり、決して未来を変えていく、経営者としての重要な打ち手ではないからです。

これは、規模の大小の話をしているのではありません。むしろ小さい規模であればあるほど、体力がなければないほど、方向性の決定は極めて重要となります。ちょっとした波や風一つで、あっという間にひっくり返ってしまうのが、小さな商売が抱えている本質的な弱点だからです。

重要なことは、事業戦略や方向性の決定には、「どうすれば事業が強くなり、成長していくことができるか…」という視点です。逆に言えば、「売上利益を起点にビジネスを考える」ことをした場合、ほぼ間違いなく「一時的な売上増大、膨張」という致命的なミスを連発することになります。

新商品や新事業ひとつ見ても、強い企業はしっかり「成長のための一手」を繰り出してくるのですが、近視眼的な担当者レベルの思考回路の企業では、驚くほどの確率で、「膨張のための施策」に手を染めます。

怖いのは、その施策のどこが悪いんだ? と言わんばかりに、それを続けてしまうことです。「売上があがっている…」と。

コンビニエンスストアは、万単位の店舗数で実に巨大になりましたが、昔のコンビニとは売っているものも、システムも、中身はまるで違っており、驚くほど進化していることが分かります。もはや昔のビジネスとは店舗の見た目こそ似ていても、まったく違うもの…と言っても過言ではないでしょう。単なる増大や膨張などではなく、明らかに革新による成長ということが分かります。

世の中、目に見えていること以上に、日々、進化していっています。この進化は、ビジネスのステージや仕組みを底上げしない限り、確実に置いて行かれることになるのですが、売上を起点に考える人たちは、売上や客数を増やすために、既存路線の延長か、はたまた他社のモノマネをする傾向が顕著です。

飲食チェーンなどで、一時的に店舗数を急拡大させ、破竹の勢いを見せるも、何かのきっかけで急ブレーキがかかり、次の方向性を見いだせず、赤字転落して身売りや消えていったりするのは、進化なき膨張の典型例と言えるでしょう。

売上起点でモノを考えて事業を行う人たちの共通点は、売上があげれば良しと考え、単に数量を増やすこと邁進します。そして極めつけは、「自分でモノを考えない」ことです。他人がやっていることを真似したりパクったりして、売上を上げることに精をだします。

まあ当たり前ですが、自分でモノを考えられないのですから、猿真似を横行させるのですが、これがもしコンサルタントであったりすればどうなるか…ということです。

他人が考えた手法やノウハウ、はたまた独自のやり方なども含めて、もしそれに類するキーワードやフレーズでも使おうものなら、およそプロフェッショナルとしては二流はおろか、「恥」以外のなにものでもありません。

これまた理由は単純です。「自分は知恵がありません。頭が悪いんですと宣伝しているようなもの」だからです。冷静に考えて、「この人、頭が悪いなあ…」と思う人に、大事なビジネスの相談をしますか?という話です。もっと言えば、その程度の客層になっていってしまう…ということです。

もし自分が、一流のコンサルタントを目指すなら、当たり前ですが、心構えからしてそこを目指すしかありません。この程度でいいやと思う人が、どうやって一流になれるのか…ということです。

自分が提供するコンサルティングを、しっかりしたものに高め、そして自分のビジネスを成長させていく方向性を真剣に考え、定めていく…。

これなくして、クライアント企業の立派な成長など、夢のまた夢であり、実に上辺だけの指導になってしまいます。

あながた手にしているコンサルティング、行っているコンサルティングは、事業を成長に導ける本物ですか? 自分のコンサルティングビジネスの方向性を、しっかり考えていっていますか?

 

著:五藤万晶

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