がんばれコンサルタント！ 第109話：本を出した人が、なぜコンサルタントを目指すのか？

第109話：本を出した人や実力者が、なぜ最後にコンサルタントになろうとするのか？

 

　弊社にご相談にお越しになられる方々は、お立場はもちろん年齢もご経歴も実に様々なのですが、誰もが知る有名な会社の敏腕担当者や、巷でベストセラーになっている著者のご来社も珍しくありません。

　当然ながら、秘密厳守を第一としていますので、ご安心の上にお越しいただけるように腐心していますが、一方で、こうした方々がお越しになられた時には、ある共通した「独特の空気」が流れることが多いといつも感じています。

　「独特の空気」とは何か、と言えば、自分が歩むべき本物の道を探している求道者が放つエネルギー感…と言ったところでしょうか。

　多くを言うまでもなく、人生における「これが正解」といった画一的なものなどありはしません。他人から見て凄ければいいわけでもなければ、有名になれば済むといった単純なものでないことは、誰にもご理解いただけることだと思います。

　もし、有名になれば人生は幸せになる…とか、お金を得れば幸せになれる…としたら、本を出したり、テレビに映ったり、株やギャンブルで儲かった人はみな人生それで幸せ…ということになるはずですが、世の中それほど単純ではありませんので、一瞬の快感を得ることはあっても、それで残りの人生を満喫できるかと言えば、むしろそこから苦悩が始ったりする訳です。

　ひるがえって、コンサルタント業という仕事は、「高い年収が狙える職業」という一面があり、「社会的に立派に見える」といった一面もあります。また、肉体労働ではなく、知的な仕事だから歳がいってもできるし恰好がいいから…という理由でコンサルタント業に憧れる方もいます。

　さらに言えば、土地や建物、多くの資金といったものも不要ですし、資格すらいらないのがコンサルタント業です。このため、「コンサルタントって、敷居が低くて儲けられる都合のいい商売」と安易に考えて適当にコンサルタントを名乗って始めてしまう人も現実にたくさんいます。

　まっとうにコンサルタント道を極めようとしている人からすれば、至極迷惑な話ですが、一方で、具体的な仕事内容や成果を見せることが極めて困難なことや、適当にやっている人が多いことから「いかがわしい」といったイメージを抱く人が多く、スタートの段階においては、「他の職業より格段にハードルが高い」という現実があります。

　また、運良くクライアント契約が取れたとしてもいつまで続くか分かりませんし、コンサルティングの現場では、常に予測不能なことが起こりうりますし、これに対処できなければ、本当に大変なことになってしまいます。

　ではなぜ、本を出して有名になっている人や、セミナー講師として活躍している人、ビジネスの現場で大きな成果を上げてきた実力者…といった、世間ではすでに成功している方々が、わざわざ面倒にも見えるコンサルタントの道を選ぼうとするか…ということです。

　先に、有名になったりお金が入れば、それで人生満足できるかと言えば、それほど単純ではない…とお伝えしましたが、コンサルタントの道には、その一つの解があると私は考えています。

　それは、「社会を具体的に変えていく“実感”を得られる」からです。

　コンサルタントでなくても、本を出したり、研修や講演、ビジネスの現場でも、変えていく“実感”を得られるよ！ というご意見もあるかもしれません。しかし、直接的かつ効果的に多くの影響を与え、具体的に体制を変えていけるのは、コンサルタント業の方が圧倒的だと私は考えています。

　なぜなら、成果と直結でノウハウを提供する仕事こそがコンサルタント業の本質だからです。話をしたり、指導したり、作業したり…で済まないからこそ、強い実感を得られますし、やり甲斐があるのです。

　実務の現場で活躍されてきた人も、その現場ノウハウを体系化してコンサルティング提供するとき、何倍ものスピードと効果をもって社会に影響を与えることができます。

　こうしたコンサルタント業ならではの、仕事としての本物の面白さに気付かれた方が、その道を歩むために弊社の門を、まさに「登竜門」として活用される訳です。

　お金を稼ぐことはもちろん必須であり大切なことですが、金稼ぎが主たる目的であるなら、コンサルタントの道を選ぶよりビジネスを展開した方が何倍も儲かりますし簡単です。実際、そうした方々には、「最初の選択を間違っていますよ」、と弊社ではお伝えしています。

　自分の残りの「命」をどう使うか…。様々な経験を重ね、分別もつき、残された人生をどう生きるかを考えるとき、コンサルタントの道は真に登り甲斐のあるものになります。

　自分だけのコンサルタントの道を、まさに命を使って登る…。これこそが「使命」となり、コンサルタント業が天職となるのだと考えています。

 　あなたが考える仕事とは何ですか、それは残りの命を使うに値するものですか？