がんばれコンサルタント! 第243話:コンサルタントが絶対に知っていなければならない、仕事と商売の違い
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「ゴトウさん、これまでのやり方を脱皮して、本格的にコンサルタント業に邁進しようと考えています。大きな注意点などありますか?」── 先般、ご相談にお越しになられた、数年前に独立されて目下、奮闘中の方のお言葉です。
これまで、主に公的機関や関係筋などからのお仕事でやってきたけれど、それだけだとどうも満足がいかない。もっとコンサルタントとしてしっかりとした活躍がしたい…と、弊社のセミナーにお越しになられた方です。
コンサルタントとして活躍する…。これは、言葉としては実に明快なのですが、現実的には、「理解が間違っている」部分があったりします。それは、多くの場合、「活躍=仕事が増える」だったり、「活躍=売上が増える」といった、単純な図式でしか考えていなかったりするからです。
もっと言えば、「活躍=人気が出る」といった理解の人もいたりします。アイドル気分でキャーキャー言われたい~、というオツム程度で、本気でコンサルタントをされる気なのかと、こっちがヒヤヒヤしてしまうこともあります。
そもそも論として、自分がビジネスとして目指していることと、実際にやっていることにズレがあれば、当然ながら目指しているところに到達することは不可能です。やっていることが違うのですから、あまりにも当然のことです。
逆に言えば、この「ズレ」が少なければ、目指す地点に到達する確率はグンと上がります。では、コンサルタント業における、このズレを引き起こす最大のものは一体何なのか…ということです。
その最大のズレの原因の一つが、「仕事」と「商売」の違いを認識できていないことです。もっと言えば、コンサルタントが「商売」を理解・実践できていなければ、経営指導などできる訳もない…ということです。
世の中では、それほど厳格に言葉の定義などせずとも生きていけますから、仕事と商売なんて別に明確に定義などしなくても…と、言われる人も多いかもしれません。言葉の意味そのものの違いは、それはそれで、どうでもいいことかもしれません。
しかし、本質的な違いについて理解ができていないとしたら、これはコンサルタントビジネスを展開する上では、明らかに致命的になってしまいます。理由は単純です。商売の本質にかかわることだからです。
どんな商売でも、お客様に何かを提供・販売して、その対価を得ることで、その商売は成り立っています。お客様からの評判がよければ繁盛し、そうでなければ傾き、やがてつぶれてしまいます。小さなお店でも大企業でも、このことは商売の本質ですから、すべてに共通する大原則です。
「そんなことは知っている!」という大きな声が聞こえてきそうです。しかし、こんな当たり前のことのように聞こえることも、ちょっと「仕事」という単語を混ぜて使い始めると、急に意味不明なことを言う人が増えてきます。
「仕事」という言葉をよく耳にしますが、「自分の商売」と「自分の仕事」の違いを理解していないと、自分の商売が全然できていない…という事態に陥いりかねません。「仕事=商売」といったあいまいな事を考えているからです。
細かい定義をいくらしても、かえってややこしいことになりますから、できるだけ単純にお伝えするとすれば、独立起業する…ということは、商売を始めることですから、お客様に何かを提供・販売して、その報酬を得る…ということを意味します。先ほど申し上げたとおり、これが商売です。小さな商店でも大企業でも、まったく同様です。お客様がいない商売はありえません。
これがもし、お客様に何かを提供しても、違うところからおカネをもらうとしたら…これはどうなるのか、ということです。先生業であれば、誰かにモノを教える…といった提供をするが、その教えた人ではない、別のところからお金が入ってくる、といった状態です。
この第三者的に表現をするとき、こういうのを何ていいますか?と聞けば、「仕事」とは答えても、「商売」と答える人は、まずいません。お客さんに対して何かを提供して、その報酬をお客さんから得る、この主体を行っていることを商売と言うということを誰でも感覚的に知っているからです。
もっと簡単に言えば、お店で働いているアルバイトの人に、「商売している」とは言わないのと一緒です。でも、「仕事をしている」とは、普通に誰もが思うでしょう。アルバイトの人は、お店からバイト代をもらいますが、お客さんから報酬をもらうことはありません。商売をしている人ではないからです。
「だからどうした!」という人がいるかもしれません。しかし、「経営者とは、事業を展開している主体の人」であり、当然ながら商売をしている人です。言葉は悪いですが、アルバイトをしている人がどうやって商売の主体の人を「指導」できるのか…ということです。
コンサルタントとして、本物の活躍をしたい…と考えるとき、そこには「自分の収入が上がる」とか、「声がかかる」といった表面的なことだけでは、絶対に到達しえない本質的な部分があります。
あなたは「コンサルタントの商売」を行うために、その道をしっかり選択し、歩んでいますか?
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