がんばれコンサルタント! 第246話:コンサルタントが「自分の言葉で説明」できなければならない絶対的理由
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「ゴトウさん、いまコンサルティングの中で展開する一つの方策について考えているんですが、ちょっと見てもらえませんか?」── コンサルタントとして5年ほど活動をされていて、次のステージに上がるために弊社にお越しになられた方からのご相談です。
伺えば、コンサルティングの中で実施する施策において、クライアントに対する説明が充分になっているか、理解がされるかどうか…といったことについて、どうしても自分だけでは不安が残るので、感覚的なことも含めて見てもらいたい、とのこと。
実は当社では、「コンサルティングにおいて説明する言葉」というものに対して、極めて重要と考え、お越しになられる方々にも、強く求めています。
人によっては、「コンサルタントは結果を出せばいいのだから…」と、説明に対してそれほど重きを置かない…という人もいるでしょう。中には、「言葉をペラペラしゃべっても、どうせ相手には伝わらないんだから意味がない」とか、「言葉が上手だと、かえってコンサルタントが怪しまれる」…といった反論をされる人もいるでしょう。
もちろん色々な考えがありますから、それはそれで結構な話ですが、当社は一貫して、「説明する言葉」を、極めて重要なものと考え、各コンサルタントに強く求めています。
なぜ言葉が重要なのか、理由は簡単です。独自のコンサルティングをするとしている本人が、自分のコンサルティングの独自性を説明するのに、それを言葉で説明できずして一体どうやって、相手のクライアントに理解してもらおうと言うのか…ということです。
当のコンサルタントは、指導先に対して「御社の強みは何ですか?」「これではお客様に伝わりませんよ」…などと、偉そうに?!言っているにも関わらず、もし、その説明が、どこかでよく見たり聞いたりする「○○分析」とかアルファベットの組み合わせの「チープな言葉のオンパレード」であったら、一体どうなるか…。
そもそも、本来のコンサルティング、独自のコンサルティングを展開するためには、クライアント企業に対して重要な施策を行っていくことになるため、当然、「説明する責任」があることは、これはもう、当たり前の当たり前になります。
大した説明も求められないとしたら、それは重要なコンサルティングでも何でもなく、研修やトレーニング、小さなアドバイス…程度の話、と断定できる訳です。
また、一般的な説明で済むとしたら、これまた「自分のコンサルティングにおいて、独自性が何もない」ことを、自ら証明している…ということを意味します。独自のやり方、独自の手法、独自の戦略、他に無い凄い方法…というものには、必ず「独自の想いや考え方」がベースにあってはじめて、「独自になる」からです。
ですから、自分のやり方や手法について、まともに考えたり体系化したことがなければ、当然、人のモノマネばかりになり、必然的に「他人の言葉」ばかり、借りたりパクったりのオンパレードになります。
コンサルティングビジネスとは、物品販売やサービス業のように何か見える形や、人的なサービス提供とは違うため、自らが提供することや実施することを、しっかり自分の言葉で説明できなければ、これはもうコンサルタントと称しても、単なるサル真似業…と言わざるを得なくなってしまいます。
例えば、大変言葉は悪いですが、「どこかで読んだことがある内容ばかりが書かれた本」などをたまに目にしたりしますが、これなど、「たとえ何冊売れたところで本質的な価値など何もない」ということです。言ってみれば、どこかの「まとめサイト」を見れば済む程度の価値ということです。
自分の考えは何か。自分が独自に考えた手法や、それを説明するための独自の説明の言葉、想い、構図…といったものが、独自のコンサルティングには当然ながら「一対」として存在してくる訳です。
逆に言えば、コンサルタント本人から発せられる言葉を見たり、聴いたりすれば、もうそれだけで判ってしまう…とも言えます。どれだけ「自分は独自だ」と言っていたとしても、発せられる言葉が、ほとんどどこかで聞いたり見たりしたものばかりであれば、間違いなく「二番煎じ」であり、モノマネコピーの二流品と分かってしまうからです。
怖いのは、モノマネ系、パクリ系の人は、「自分の脳みそで考える」ということが、ますます出来なくなっていく…という、致命的な危険性があります。探してきてマネする…ということばかり繰り返すため、知能の劣化と思考力の低下が加速していくからです。
一方で、最初は大したことがないような小さな分野からスタートした人でも、真剣に自分の考えや手法について、トコトン追求して考えを深めていこうとする人は、次第にその分野における頭角を現し、やがて偉大な存在になっていきます。
こうした人に共通するのは、「自分独自の言葉を持っている」ということです。そしてそれらの言葉は「重い(ディープ)」ということも共通点です。心に、ズシリとくる、深く染み込んでくる…、重い言葉こそ、ひたすら考えに考え抜いてきた「独自性」の証なのです。
偉大な経営者や、偉業を成した人の言葉が総じて「重み」と「らしさ」を持っているのは、単なる偶然ではありません。それだけ深く考え、血のにじむような努力によって「ワンフレーズ」に行きついてきているのです。
そうした努力もなしに、単にその言葉だけを切りだして使っても、まったくの逆効果になるだけです。
例えば、スティーブジョブスの「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」の名言を、新入社員が偉そうに人前で語っていたら、まともな人からは、「ほとんど笑いネタ」くらいにしか思われないでしょう。
最初は稚拙でもいい。でもオリジナルにこだわる…ということを、特に経営指導をする立場のコンサルタントであれば、これはもう、絶対に理解していなければならない…ということなのです。
成長する事業経営者とは、皆総じて「自分の言葉」を持っているからです。そうした経営者を指導するコンサルタントが、借り物の言葉、パクリの思想でどうやって仕事をするのか…ということです。
堂々たる自分の思考、自分の言葉の世界にいくか、すごすごと人のモノマネの道を行くか…。選ぶのはあなた次第です。
あなたの言葉は、自分独自の考えや想いから発せられているものですか?
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