がんばれコンサルタント! 第252話:コンサルタントが知っておくべき、撤退とあきらめの根本的な違い

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「ゴトウさん、何か施策を行っていて、なかなか成果がでない…というような時の、やめるというような判断は、どう考えればいいですか?」── 先日、弊社にお越しになられた、コンサルタント起業をされて3年ほど経たれている方からのご質問です。

分かりやすく言えば、「撤退」「潮時」に対する考え方…ということですが、確かにこの判断は非常に難しいものがあるかもしれません。

株の世界では、値段が上がったり下がったりを読もうとしても、これが難しくて、「まだはもう」「もうはまだ」…と、まるでとんち問答のような諺があったりします。

材料に加えて人間心理と欲が激しく絡む世界だけに、タイミングの判断は極めて難しいのですが、当然ビジネスの世界でも、この「やめ時」というのは、非常に難しい問題であることは間違いありません。

しかし、こと事業展開という面で考えるとき、同じ「やめる」でも、「撤退」と「あきらめる」は、まるで違うということを知っていなければなりません。特に、立ち上げ期においてこれをごちゃ混ぜにしていると、上手くいくことも上手くいかなくなる…ということが起きてしまうからです。

理由は単純です。一部の例外を除けば、「あきらめる」…とは、感情論での判断であり、その根源は「上手くいかないからやめる」だからです。一方の「撤退」とは、基本的条件が変わったといった論理的な判断に基づいて「現在行っていることをやめる」ということだからです。

理屈っぽく聞こえるかもしれませんが、この二つには、想像以上に大きな違いがあります。

起業や新事業、新たなビジネスの構築…といった、ある意味「ゼロからイチ」を創り出していく系統の活動の場合、そもそも「ビジネスを回すための土台や基盤がない」状態からの構築活動であるため、一般的な成功セオリーだけでは通用しないということが忘れられがちです。

簡単に言えば、同じような値段で同じように説明をしたとしても、「看板があるのと無いのとでは、雲泥の差」ということが現実に起きます。

売れていたのは自分の力だと思っていたことも、会社の看板の力は想像以上に大きく、また小さな組織でもその力は驚くほど強大であり、何も持たない人が同じように振る舞ったときに、「想像以上の厳しさ」に、打ちひしがれてしまったりする訳です。

言ってしまえば、自分の中では、他人と同等かそれ以上に努力をしたにも関わらず、上手くいかないとしたらこれはもうダメだ…といった感情です。

実は、客観的にこの状況を見るとき、「他人と同等かそれ以上の努力」という基準自体に、大きな問題があることが分かります。そもそも「ゼロイチの話」と、「イチを2とか3にする土台があっての話」とでは、エネルギーの掛け方もまさに桁違いにも関わらず、そこだけはちゃっかり「普通基準」だったりする訳です。

再度申し上げますが、「ゼロイチ」の取り組みの場合、想像以上のエネルギーを必要とします。準備をしてこうやって…といった一般的なセオリーだけで上手くいく世界では決してありません。過去の自分の努力基準と比べたところで、勤め人の時とでは比較が無駄なのが現実なのです。

他人と比べるにしても、その他人が持っている基礎的条件など、すべてが見える訳など絶対にありません。

結論から言えば、「上手くいくために、あらゆる知恵を絞り、努力をする」ということ以外に方法はないということです。「ゼロイチ」の場合、あきらめた時点で終了だからです。

これは理屈でも学問でもなんでもありません。生きるか死ぬか…くらいの必死さが求められ、安っぽい知恵やノウハウ、誰にでもできるレベルの努力程度では、到底叶わない世界です。開かない扉を前に、「どうすれば扉が開くか?」を全精力、知恵と工夫、そして努力をもってこじ開けるのが「ゼロイチ」の世界なのです。

逆に言えば、撤退とは、それをやめても、ビジネスの本体が終了にならない時に、合理的判断や基礎的状況が変わったときの判断として行われる…ということなのです。これはつまり、「撤退の条件を事前に決めている」ともいえます。

優れた経営者が、経済状況の変化やライバル企業のタッグなどを見て、一瞬で「撤退」を決めたりするのは、まさにこの「撤退の条件」を事前に決めているからに他なりません。ここで逆にグズグズしていると、本体にまで影響するような、致命的な損失を負いかねないのです。

優秀な経営者は、総じて「損切り」「撤退」が極めて上手です。ゼロイチを経験してきて、その大変さも骨身に染みているからであり、築きあげてきた本体をいかに上手に活用し、伸ばしていくか…を、本当に考えているからです。

ひるがえって、経営指導を行うコンサルタントにとって、新たな経営の打ち手をさずけることも、「前進」または「後退」さらには「撤退」を促すことも重要な役目となりますが、そもそも自らが規模は小さくても、「しびれるような戦い」というものを経験していなければ、その言葉は、単なる本を読み上げた活字程度の響きしかないものになります。

決して忘れてはならないのは、事業を興してきた経営者とは、ゼロイチを突破してきた人だということです。研修ならいざしらず、こうした人たちに一目置かれる、本物のコンサルティングを行うためには、何が必要か…。

扉をこじ開けた人だけが味わえる、大地を踏みしめる実感の世界がそこにあります。あなたは、自らのビジネスの実現のために、本気でやり抜こうとしていますか?

 

著:五藤万晶

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