がんばれコンサルタント! 第326話:コンサルタントが押さえておくべき目標達成のための、ご褒美の使い方
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「ゴトウさん、ようやく受注できました! 本当に嬉しいものですね~」── 昨年、当社にお越しになられ、コンサルタント起業をされた方のお言葉です。
先月にご契約いただいたそうですが、ご本人いわく、「初受注まで思いのほか時間がかりましたが、自分がつくったコンサルティング、そしてそれを説明するセミナーから、まったく初めての社長さんからご契約いただけたことは、本当に感無量ですね」…とのこと。
これは、当社にお越しになられた方がよく口にされる言葉ですが、「自分が培った知識や経験、ノウハウ…からコンサルティングをつくり、これまで会ったこともなかった社長さんにご依頼いただけるのは、歯をくいしばって生きてきて本当に良かった、生きている実感が本当に湧いてくる…」と。
いわゆる「大地を踏みしめて立っている実感」といった感じでしょうか…。誰かが作ったものではなく、自分の人生を総動員して組み上げたコンサルティング。それに対して依頼をいただくのですから、これほど満ち足りた想いができることも、なかなか少ないと言えるでしょう。
だからこそ、こうした嬉しいお声をいただいた方とは、出来る限り、「お祝い」の食事をするようにしています。理由は実に単純です。お互い嬉しいからです(笑)
誰でも、嬉しいことや楽しいことは、たくさん味わいたいものです。ご褒美というと、変に聞こえるかもしれませんが、それで自分の個人的な原動力につながるのであれば、これは上手にご褒美を使うに限ります。
ビジネスで考えるとき、大きな理念やどうしても達成すべき「やらねばならないこと」という、大義は非常に重要です。これがなければ単に「カネ」による尺度しかなく、「何のためにビジネス展開するのか…」が極めて希薄になってしまいます。
この希薄さは、大事な経営判断の際に、ほぼ間違いなく「ミスジャッジ」を犯します。重い経営判断のときほど、カネによる損得勘定が重大な判断の過ちを引き起こすからです。言ってしまえば、理念なき判断は、身を亡ぼすということです。
一方で、身近な目標、例えばこの3カ月とかこの1年、この3年…といったかなり短期的な場合、「目の前のニンジン」ではありませんが、自分の分かりやすい欲求を活力とすることは、ある意味単純な方法だけに、効果も出やすい利点があります。
このため、大義と私欲ではありませんが、この絶妙な組み合わせを自分の中で行うことで、ビジネスの成長発展に大きな効果をもたらすことができます。
ただし、一点注意が必要なことは、この私欲的なもののご褒美は、基本的に達成に対して用意されなければ、その効果が徐々に薄れるだけでなく、私欲が本当に単なる私欲、もっと言えば屁理屈で何とかしようとする…ということに陥りかねないということです。
単純な話、「これを手にすれば、自分はがんばる…」というパターンですが、この、先にご褒美がある場合、「必死でがんばる」というエネルギーは、「ご褒美を失いたくないから…」という、基本的にマイナス的な使い方になってしまいます。
ヘンな話ですが、達成したときにも既にご褒美を先に得ているため、満足感も少なめになります。すると、次に欲しいものをまた「先に手にして」…と、この連鎖を繰り返すことになります。
どうせやるんだから、前でも後でも一緒でしょ? と思うかもしれませんが、動物の調教でも「できたらご褒美」が大基本です。先にエサをあげていたら、「あげたんだからやって!」といった理屈など分かるハズもなく、「芸を覚えない」ということになるだけです。
動物と一緒にするな!という声が聞こえてきそうですが、ご褒美とは、それほど本能的に効く手法だということです。だからこそ、当たり前のことのようですが、ご褒美は後でなければ危険なのです。
もし前に使うとしたら、カンフル剤として、まさにイレギュラーであり、緊急時であり、特急であり、振り向かせるため…といった、特殊的活用だと、ハッキリ認識する必要がある、ということです。
当たり前のように聞こえる、「ご褒美は後から」ですが、これはコンサルティングの現場においても同じことが言えます。先に褒美を考える人がたまにいますが、心理学以前の「本能」のレベルでの感覚を理解していなければ、「人がやる気をだして頑張る」…ということが非常に難しくなってしまいます。
まさに緊急時で、どうしても…という状況かどうか…。この判断は、自分に対しても、そしてクライアントに対しても、冷静さが必要ということです。
あなたは、この1年、または3年、自分へのご褒美に何を考えていますか? それは達成して手に入りそうですか? 手にいれるためにビジネスへの打ち手は、しっかり進めていますか?
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