がんばれコンサルタント！第152話：コンサルタントが持つべき景気への判断軸

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「ゴトウさん、コンサルタント起業をしようと思っているのですが、これからの時期、景気はどうなんでしょうか…」── 先日ご相談にお越しになられた方からのご質問です。

景気がいい時に商売を始めれば、うまく行きやすいので、そうしたタイミングで…と考える人は多くいますし、そうしたアドバイスをする人もいます。

一方で、「コンサルタントの仕事は、商売で困っている人がたくさんいる方が仕事があるはず…」という見方もあります。皆さんは、一体どちらが正しいと思われるでしょうか…。

ことの判断の前に、五藤は景気の専門家ではありませんので、これからどうなっていくのか、どうこう言える立場ではありませんが、一つだけハッキリと言えることがあります。

それは、どんな景気のいい時にも倒産する会社はありますし、どんなに不景気の時にも最高益をたたき出す会社がある…という事実です。

我々は、景況感について、良くも悪くも気にする傾向があります。冷静に考えれば、これは本当に正しいことなのか…ということを考えなければなりません。

つまり、目の前の自分のビジネスと真剣に向き合うとき、「景気が悪いから悪くなっている」と考えるなら、およそ経営者としては失格と言わざるを得ないからです。

理由は単純です。変転する外部環境に適合させながら、ビジネスを豊かに成長させていくこと、これこそが経営者の仕事だからです。

要するに、何とかする、良くする…のが社長の仕事です。一生懸命働いて、後は景気やご縁次第…というのは、精神論としては正しく立派でも、実務としては話にならないということです。

そもそも、売上高１兆円を越えるような巨大企業なら、社会への影響度も極めて大きいため、景気の影響も強く受けるかもしれませんが、その他大勢の企業に景気がもろに影響すると考えることに問題があります。

例えば５０億とか１００億円規模の会社の場合、景気うんぬんより、事業の打ち手、すなわち新たな取組みや新事業、新商品やサービス展開…の方が、はるかに業績に影響を与えることは間違いない事実です。それ以下の小さな会社や我々のようなコンサルタント業であれば、何をいわんや…ということです。

景気指標や景況感というのは、その大半は新聞やテレビ、雑誌…などのメディアによって耳にし、目にして、「そうなんだ…」と思っていることを知らなければなりません。つまり、「景気がまだまだ悪い」と聞いて、妙に安心するという変な構図がそこにあるのです。

逆に、「景気がいい」という話を聞いて、気楽にビジネス展開などしたら、手痛いしっぺ返しを喰らうことになります。景気がいいことと、小さい企業のビジネス展開とは、ほとんど関係がないからです。

ビジネスにおいて、思うような業績になっていないとき、まず疑うべきは景気ではなく行っている展開です。3年前や5年前と同じことをしていれば、売上が上がらないのは当然です。景気のせいではなく、「競争に負けていっているから」というのが正しい判断なのです。

逆に言えば、毎年新たな手法、サービス、商品、新事業…に取り組んでいる場合、「この打ち手はうまく行った」「こっちはイマイチだった」…という、自らの活動に対する評価はあっても、不景気だから…という考えはありません。

翻って、コンサルタントとは、事業成長のお手伝いをする仕事ですから、いかなる環境においても、アノ手、コノ手を考えだし、新たな事業成長に導いていく…という、正しい心構えこそ重要ということが分かります。

優れたコンサルタントの周りには、いつも優れたアイデアやチャレンジにより、好景気がやってきます。一方、受け身や後追いする人の周りには、いつも景気に左右され、おこぼれにあずかるだけなので、不景気の時間が長くなります。

起業においてもこれはまったく同じです。燃える心でチャレンジする人には、必ず突破口が現れますが、日和見のマネごとばかりしている人には、いつまでも光明がさすことはありません。

自らの本気の挑戦やチャレンジが、自らの好景気を生み出します。
　あなたの次のチャレンジは何ですか？

著：五藤万晶

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