がんばれコンサルタント! 第238話:コンサルタントが皮膚感覚で身につけるべき、「勝負するおカネ」の使い方

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二流に限って、少し儲けた程度で節税ばかり考える。

 

「ゴトウさん、保険に入ろうと思っているんですが、どう思われますか?」── 昨年コンサルタント起業をされ、初年度好調にて決算を迎えられる方のお言葉です。

コンサルティングの終了後に、近況報告も兼ねて一杯やりながら、色々とお話をお聞かせいただいていた中で出てきた言葉ですが、「ホケン?」という単語に、どういう意味かを尋ねることに…。

伺えば、「いえ、初年度は自分でも驚くくらいに順調に受注することができました。正直、ラッキーパンチだったと思っていますが、2年目はもっと色々なことを考えながらやっていかなくては…と思っているんです」…とのこと。

ん? それでなぜホケン? と疑問に思っていましたら、「経営をやっていく上で、やはりおカネのことにも知識がなければ…と思いますし、大切なお金を減らさないことは重要かなと。初年度、かなり売上が上がりましたから、節税になる経営者保険に入ろうかと悩んでいまして…」と。

あ、なるほどそういう意味で…。起業初年度にして、サラリーマンの年収の何倍もの売上を上げられたのですから、実に素晴らしい門出です。しかし、重要なことを理解していないと、せっかくの門出もパーになりかねないので、たった一言だけ、「○○さん、凄いですね~。もう1億円くらいお金が貯まりましたか~(笑)」と笑顔でお伝えすることに。

当然ながら?! キョトンとした表情をされて、「1年でそんな大金、貯まるわけわけないじゃないですか~!」と返ってきましたので、笑いながら少しずつ説明することに。

商売、ビジネスをやって、売上が上がって儲かるようになれば当然、税金を納めることになります。これが想像以上に大きくのしかかってくるため、少しでも減らそうと税金対策、つまり「節税」に知恵を絞るのは、これは経営に携わっている人であれば、ある意味当然のことと思います。

ですから、「節税は考えるな!」などとは、毛頭申し上げるつもりはありません。経営を上手にやっていくためにも、無駄なく賢く税金と付き合っていくことは、本当に重要なことに違いありません。

しかし一方で、経営上極めて重要なことがあります。それは、「手元キャッシュを減らさない」ことです。これは特に起業時や、成長段階の経営にとっては、絶対条件とも言える重要ポイントです。手元キャッシュ、つまり資金がつまれば、それで経営は終わりだからです。

当たり前のことを…と思われる人も多いかもしれませんが、何年も商売をやって信用を築いてきた会社ならともかく、起業して間もない会社が、「お金がピンチになったので貸して!」と言って、ハイそうですか…と貸してくれる金融機関など、まず無いということです。

彼らも商売でお金を貸しているのであって、慈善団体ではないのです。経営とは、究極のところ「おカネを回す」ことですから、このおカネが枯渇すれば即アウトです。だからこその「手元キャッシュを減らさない」ことが重要なのです。

起業時のあぶなっかしい状態を脱しても、力強くビジネスを成長させていくためには、やはりおカネが必要になってきます。営業経費や広告宣伝費をかけていくためにも、おカネはあればあるだけ…必要なくらいです。

しかし、このことを申し上げると、「だから節税するんですよ」と言ってくる人が意外に多いのに閉口します。

いわく「経営者保険に入れば節税できる」、「中古の高級車を買えば一年で償却できるから節税できる」、「○○の会員権を買えば、その分経費にできるので節税に」…などなど、様々な方法です。

確かに、これらの方法を使えば、納める税金は少なくなり節税になるかもしれません。だから、税金対策の手法と言えなくもありません。

しかし一方で、「何かにお金を使うということは、それだけお金が出る」という現実は絶対に変わることはありません。いくら節税であっても、モノを買ったり契約をすれば、当然その分のキャッシュが、手元から消えていくことを忘れてはならないのです。

怖いのは、こんな当たり前のことにも関わらず、経営をアドバイスする? センセイの中には、ひたすら単純に節税のことだけを、声高らかに言ったりしている人が結構多いということです。

これらの節税策に手を出してもいい場合とは、手元キャッシュが十分すぎるほど潤沢にある場合か、または経営戦略上、元々設備投資や購入を予定していたモノ、契約しようとしていたモノを、タイミング的に決定する場合です。

ちなみに、まともな経営アドバイザーであれば、これらのことは常識としてキッチリ教えてくれます。弊社でお世話になっている税理士の先生も、このことは当然のこととして教えてくれています。

ひるがえって、コンサルタントとしてお金に強くなる…ということを真剣に考えるとき、「何におカネを使えばいいか、どう使えばいいか」という側面は、絶対に皮膚感覚で強くなっていなければならない重要ポイントだということです。これなくして、経営者に本当の意味での指導など、絶対にできないからです。

自らのビジネスの成長のために、限られたおカネをどう最大限有効に使っていくか…。

冒頭のコンサルタント起業の方には、「おカネは、営業経費やビジネス上の重要なモノに使った方がいいですよ」と申し上げた上で、「月額10万円で、東京都内に拠点となる結構立派な事務所出せますよ」、とお伝えしたところ、「年間120万円なんて、そんなおカネ!!」と目を丸くして手を横に振られていました。

ちなみに、検討されていたホケンは、100万円以上するもので、その他「節税」としてお考えになられていたモノを合わせると、120万円以上の出費になることに。

もちろん、毎年ではないので純粋に同じように比べられませんが、手元から出ていくおカネとしては同じです。しかし営業経費や拠点となる事務所は信用を生み、確実にビジネスの力となって帰ってくる可能性があります。おカネを勝負として使っていくのか、守りに使ってしまうのか…。

翌朝、このコンサルタントの方からは「不動産屋さんを回っています!」とのメールをいただきました。さすが、初年度からビジネスを軌道に乗せていっている方だけあります。きっと、ますますビジネスを大きくされていくに違いありません。

後から考えれば、「本当に小さなことを考えていた…」というのが多くの方々の言葉です。あなたは自分のビジネスの成長のために、おカネを上手に使っていますか?
 

著:五藤万晶

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