がんばれコンサルタント! 第265話:コンサルタントとして知っておくべき「質問」における原理原則

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「ゴトウさん、コンサルタントの商売は本当にいいんですか?」── 先日、ある交流会的な場所で、立ち話的に聞かれた言葉です。談笑の流れの中ということもあって、「そりゃぁ〜いい商売ですよ(笑)」とお返事しまして、「そりゃそうですよね〜」との合いの手と共に楽しいひとときに…。

もちろん単なる「いいですよ」だけでは話も面白くも何にもありませんので、専門家として、こういうメリットデメリットがありますよ…といったことなどもご説明いたしまして、「なるほど…」と少しご理解いただきましたが…。

この手のご質問というのは、時々、お受けすることがあるのですが、気軽な談笑の中であれば、まあ特に気にもしないのですが、真面目な場面においてだと、「一体どいういうつもりなのだろうか?」 と正直不思議になることも…。


というのは、質問というのは、「誰に聞くか?」で、問題の半分は済んでいて、「どう聞くか?」という、いわば質問の仕方、さらに結論の出し方で、ほぼすべてが決まってしまうからです。

余りにも単純で、誰にでも分かることだと思います。しかし、現実には、この極めて単純な現実に対して、明らかに逆らうようなことをする人が決して少なくありません。

例えば、明らかにその筋の専門家とは違う人に聞いてみたり、聞いても意味のない質問をしたり、答えの末尾の単語だけを拾って「それが結論ですね」と、そこだけ拾ったり…という人がいたりします。

そんな馬鹿げたことは…という声が聞こえてきそうですが、この最初の段階の「誰に聞くか?」を間違うパターンは、驚くほど多く世の中で目にします。

メーカーの営業担当者に、「ここの製品はいいの?」と聞いたり、保険の担当者に、「他社と比べてどう?」と聞いたり、営業ノルマで動いている人に「どれが一番いい商品?」と聞いてみたり…。

世の中実に単純で、普通に考えれば「この製品はいいですよ」と営業担当者は言いますし、自社の保険の有利な点を言いますし、ノルマ達成に有利な商品を案内しようとする…というのは、これはある意味、避けられない現実と考えるべきです。

これに対して、「そういうのはけしからん!」と怒る人がいたとしたら、その人が、そこの会社の経営者になってみればスグに分かることです。今度はすぐに「なぜ、ウチの商品をしっかり案内しないんだ!」と怒り出すことでしょう。

当たり前です。他社の商品を「本当はこちらいいから…」といってそっちを売る営業担当者を、「それは正しい」といって雇う経営者はいませんし、給料をもらえなくなったら困るので、やはり自分の役割として課せられた「自社商品の販売」に努力するというのは、これまた当然のことだからです。

こういうことは実に単純なことなので、もし家電の売場があって、「どの製品を買うかを悩んでいる」段階であれば、スタッフが数人いたとしたら、聞くべき相手は少なくともメーカーの人ではなく、そこのお店の人の方が、公平性が少しでも高いということは分かることです。

一方で、このシリーズとか、ここのメーカーの製品と決めた後に、どのタイプにするとか、どのモデルにする、どう使う…といったことに関しては、当然ながらその製品のメーカーの担当者に聞くほうが断然いいこともスグに分かることです。

これらを総合して、どれを買うか…といった結論に達し、購入に至る…ということです。これら一連の流れの中でも、最初の「誰に聞くか?」がもし間違っていれば、どうにもならない…ということは、もう誰の目に明らかなことだと思います。

では、最初のこの「誰に聞くか?」を間違わないためにはどうするか…ですが、これは実に単純で、「利害関係がないか?」を見てみれば、かなりの確率で判別可能です。要は、お金が絡んでいれば、「そりゃ〜いいって言いますよ!」ということです。

冒頭の談笑の話ではありませんが、ゴトウに「コンサルタント商売はいいですか?」というのは、笑い話であれば結構ですが、そこで商売をしている人に聞けば、それは「いいですよ」と言って当たり前で、そういう答えが返ってくることが当たり前の質問をすること自体、どうにも愚問、ということなのです。

同様に、質問一つで当然、得られる答えもまるで変わってきます。イエスかノーを聞くような質問をする人がいますが、政治家や芸能人に向かってわざと白黒つけさせて一部分を切り取るようなレポーターならいざしらず、答えのないビジネスの展開を本気で考えていくような場合、二択のような、単純質問ほど無駄なことはありません。

これまた理由は単純です。答え的なことを聞いても結局自分は何もできないからです。世の中、同じ状況など一度たりともないことくらい、誰にも分かることなのですが、現象面の一事象に対して「右か左か?」的に聞いても、結局次の時にはサッパリ分からないからです。

重要なことは、何と言っても「思考回路」です。どう考えてどう判断すればいいのか…という部分が宿っていれば、状況が変わっても判断を間違う可能性は少なくなるからです。つまり、判断を聞くにしても、その思考と理由を聞き出す質問こそ、重要性が高いと言える訳です。

「どう質問すれば、思考を聞き出せるか?」── 優秀な経営者、プロ、専門家…に共通することは、質問が極めて優れているという点です。もっと言えば、質問を聞けば、その人がどのくらいのレベルなのかもすぐ分かってしまう…といっても過言ではありません。

コンサルティングにおいても、何でもお客様に聞けばいいと思っている人もいたりしますが、新事業を既存客に聞いても分かるはずがありません。見たことも聞いたことも無いサービスを説明しても、既存客が理解できるはずもありません。

自分の立場がなくなるかもしれない…と感じる社員さんに、改革に対してどう思う?などと聞いてもまともな答えが返ってくることなど、当然期待できないのと一緒です。

変な話ですが、当社に「コンサルタント商売っていいですか?」と聞いても冒頭のように笑い話的な答えしか意味がありません。しかし、「他の商売と比べてどういう違いがありますか?」とか、「失敗する人のパターンってありますか?」といった質問などは、まさに専門ビジネスを展開しているからこそ、お答えできると言えます。

あなたは、自分が質問すべき相手、そして質問の仕方、そして答えの導き…を正しく行っていますか? あなたの未来を大きく左右する重要事です。

 

著:五藤万晶

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