がんばれコンサルタント! 第324話:コンサルタントが知っておくべき、目標達成のための約束方法

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「ゴトウさん、ちょっとスポット相談をお願いしたいのですが、日程いただけませんか?…」── 数年前に当社にお越しになられ、久しぶりにご連絡をいただいた、ある財務系コンサルタントの方のお言葉です。

コンサルタントとして活躍するために、さまざまな指導機関の門を叩くも、どうにも腑に落ちないことが多かった…と、当社にお越しになられたのが最初です。ご自身ならではのコンサルティングを纏め上げ、ご自分でクライアント開拓を見事に成功させていっている方です。

順調にご商売を進めていらっしゃることは、風のたよりで存じ上げていましたが、「はて? 今回はどうしたものかな?」と思って伺ってみますと、不思議な言葉が…。

「あの~先生、実はですね、自社の記念行事をしようと思っているんですが、やろうやろうと思っているだけでは危ないので、スポット相談を依頼しておけば、ちゃんとやるかな…と、ちょっとワガママなお願いなんですが…」──

ふむふむ…とお話を伺っていてようやく分かったのですが、要するに「自分との約束だけではどうも甘えがでる可能性があるので、外部との約束、しかもお金を払った約束であればちゃんとやれるハズ…?」ということで、五藤のスポット相談を依頼したい…という話です。

思わず吹き出してしまいましたが、なるほど、「たしかに理に叶っている」話です。そういうことでしたら…と、笑いながらちょっといつもとは違う主旨ですが、ご相談をお受けしたのですが、さすがご相談当日には、「お陰様でここまでできました~」と、ほぼ完成に近い、記念行事用に制作されているものをお持ちになられたのです。

完成度は非常に高く、さぞ時間をかけながら必死に制作されていたことが分かるというもの。ご相談内容というか、主旨が主旨でしたので、記念行事のことや今されていること、これからのこと…などを伺いながら、ある意味楽しく談笑をしたのですが、次は約1年半くらい?に出版を実現させたい…と目標宣言をわざわざ五藤に約束的にお話をされていたのが印象的でした。

この手の話をしたとき、人によっては、「自分でちゃんとスケジュール立ててやれば済むことなのに、無駄にお金をかけて…」といった反応を示す人がいます。それはそれでご本人の考え方ですから、こちらがどうこう言うつもりはありません。

しかし、重要なことは、優れた人達に共通することは、実現したいことや目標を達成するために、「一体何をすればその可能性が上がるのか…」を理解し、それを躊躇なく遂行する…という点です。これは本当に大切なポイントです。

言うまでもなく、「これをやらなければ…」とか、「いつまでにやる…」といったことを、「自分との約束」だけで全部できるなら、仕事が遅れるとか期日に間に合わないとか、もっと言えば、ビジネスで「なかなか予定通り上手くいかない…」という人など、一人もいないハズ、ということです。やるべきことを期日も品質も満たしてすべて達成しているなら、事はすべて上手く行って当然だからです。

そもそも、夏休みの宿題一つでも、大多数が「ギリギリ」とか「最期は突貫で…」、「全然できていない…」で慌てふためく…のが人間の性というものです。当初の予定どおりに毎日確実にキッチリやった…という人は、極めて稀でしょう。(知人に一人いましたが…)

ですからこういう「自分との約束をしっかり守れる人」という、証拠をお持ちの方なら、わざわざ外部活用までして、自分がやるべきことの遂行をする必要はないかもしれませんが、いわずもがな、圧倒的大多数の人が、「自分との約束」だけで重要な目標に向かうとしたら、これは一体どうなるか…ということです。

簡単な話、「やるやる…」詐欺を、自分の中でずっと繰り返すことになります。「やるやる」「もうすぐやる」「必ずやる」「まだ本気だしていないだけ」「本気になればすぐできる」「あの時はちょっと環境がわるかった」「今度は違うから大丈夫」「前の自分とは違う」「やるし、やれる」「やるやる」…、あれ一巡しました?(笑)

あまり重要でないことや、ちょっと飲み屋とか旅行に行く程度の話であれば、これは笑い話で済みますが、もしこれが自分の人生に大きな影響を与えるような事案や、商売を左右するようなことであれば、この「やるやる…」で消えていった時間こそが、二度と取り戻せない自分の人生の貴重な資源やチャンスの損失に他ならない訳です。

ハッキリ言ってしまえば、この手の人は、「自分自身がやるやる詐欺に遭い続けている」ということです。最大の被害者ですが、それに気づくどころか、まだ自分は大丈夫だと、恐ろしいまでも自己暗示を続けようとします。

しかし、その自己暗示で事態が修正されることはまず、ありません。周囲の人からの信用を無くし、人生の貴重な時間をムダにしているにもかかわらず…です。そうです、これを詐欺に遭っていると言わずして、何と言うか…ということです。

こうしたことを、腹の底で分かっている人たちは、詐欺に遭わないため? の保険を掛けたり、成功確率をあげる手段を考えます。お金なら幾らでも取り戻せますし、もっと言えばビジネスを成長させれば何倍にもなって返ってきます。しかし、やるやる…で失ってしまった時間とチャンスは、永遠に、そして二度と取り戻すことはできないからです。お分かりいただけたでしょうか…。

あなたは、自分の夢の実現や、目標達成のために、その確率をあげるための手段を講じていますか? そして実行に踏み出していっていますか?

 

著:五藤万晶

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