がんばれコンサルタント! 第349話:コンサルタントが押さえておくべき、○○的な自転車操業の危険性

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「ゴトウさん、先日ある会社の社長が交代して、そのあと私に依頼がやってきたのですが、本当に驚かされることが多いですよ…」── 数年前からお越しになられている腕利きのコンサルタントの方と話していたときのお言葉です。

なんでも、会社の業績低迷が長く続いていて、これに業を煮やしたオーナーの会長が「社長の交代」を宣告し、新しく着任した社長がコンサルタントを頼って依頼してきた…という話です。

社長と言っても世の中いろいろです。小さな会社の社長から大きな会社の社長もそうですが、実質的な決済権、采配を振るう力を持っているのかそうでないかは、えらい違いになってきます。

当たり前ですが、株式会社は「株」を過半数にぎっている人が実質的支配者ですから、たとえ社長といえども株式をにぎっていなければ単なるお飾りでしかありません。いわば呼称としての社長であって、現実には係長や部長となんら変わりない…という訳です。

株を握っているオーナーがいれば、それこそ一瞬で、「キミ、だめだから交代」とチェンジすることも簡単にできてしまうのですが、それはともかくとして、新しく社長を仰せつかった人が、この知人のコンサルタントに依頼した理由が面白いのです。

何を依頼されたかといえば、「大きな方向性づくり」とのこと。会社を立て直し、どう成長路線に乗せていくか…、その方向性と戦略を決定するために頼まれたというのです。

もちろん色々な考え方があるでしょう。そもそも会社の方向性を考えるのに、コンサルタントに頼むのは…という人もいるでしょうし、業績を伸ばすのがコンサルタントの仕事だから…という人もいるでしょう。

しかし、会社の成長発展において極めて重要なことの一つに、「大きな戦略を決定し、それに基づいて手を打っていく」ということがあります。しかし、分かっていてなかなかできないのが、この「大きな戦略に基づいて…」なのです。

理由は単純です。経営においては、売上や業績をあげる…という目の前の現実と、ある意味その対局ともいえる「何のために…」や「大きな方向性」…といった長期視点・戦略とのバランスが非常に難しいからです。

難しくなるのにも理由があります。誰でも目の前のことで頭が一杯になっていれば、長期のことなど考える余裕が持てなくなるからです。今日食べるのにも困るとき、明日のことなど…ではありませんが、考えなくてはならない…と分かってはいても、「そんな余裕がない」というのが現実だからです。

しかし、余裕がない…からと言って考えなくていいのかといえば、これは完全にアウトです。長期視点や戦略なしに、目の前のことだけをただ単にやりくりしてしのごうとすれば、これは「自転車操業」と言っても過言ではありません。

自転車創業は一般には、お金を借りてきて返して…を繰り返す資金的に危ない経営状態のことを意味しますが、思考において余裕がない状態とは、「思考における自転車操業に陥っている訳で、これはまさに、危機的状況だと認識しなければなりません。経営者の仕事とは考え抜いて未来に手を打つことが仕事だからです。

目の前の現実に対して反射神経的に対応したり行動するのは、確かに重要であってもそれは所詮、担当者レベルの話です。3年5年、10年を考えて石垣を積み上げていくが如くの戦略を練りながら、手を打っていかなければ、永遠に木や草の家で暮らすことになりかねません。

怖いのは、「思考する」ことと向き合わないでいたり、目の前のことに追われ続けていると、「大きな方向性や戦略」というものを、本当に考えられなくなってくる…ことです。思考の萎縮が始まるからです。

先の会社の新社長が、自分も含めて経営陣の思考の萎縮に気づいたからこそ、客観的視点を持つコンサルタントに長期視点や戦略を組み上げるサポートを依頼したのは、極めて賢明な判断と言えるでしょう。

実際、このコンサルタントが経営陣ならびに前社長に、これまでの状況や実施内容を伺ってみると、驚くほどの無為無策、考えの無さが露呈して驚いたそうです。

いわく、「社員の自主性に任せているし、それを尊重するのがウチの経営だ」「大きな戦略は全社員で決めるもの」、「仕事は自分で考えて行っていくもので、先輩が指導するというより見て覚えるもの」…などなど。

そう言われればそうとも言えなくもない…感じなのですが、一つハッキリしていることは、「結局何も考えず、何も決定もしていない」という現実です。実際、数字が悪ければ「がんばって売ってこい!」とハッパをかけて…が常態化していたとのことで、まさに「無為無策で号令だけかける」のをリーダーの仕事と履き違えていた訳です。

当たり前ですが、「一生懸命やる」とか「無心でやる」「自主的にやる」「がんばる」「自由にやる」「みんなでやる」…などは、方針でもなければ戦略でもありません。

これらは単なる気持ちの表現であり、担当者レベルの話であればともかく、経営レベルで事実上こうした意味の言葉を「ウチの方針」と言うとしたら、完全に「思考的な自転車操業」に陥っていることがわかります。

こららは当然、コンサルタントの商売においてもそのままのことが言えます。コンサルタント本人が、「未来に対しての考えや戦略をしっかり持っていない」という状態だとしたら、どうやって経営者に対して、未来の方向性、そして戦略を決定するお手伝いをすることができるのか…ということです。

あなたは自分のコンサルティングビジネスの方向性を考えていますか? 3年、5年先への布石をしっかり打っていっていますか?

 

著:五藤万晶

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