がんばれコンサルタント! 第408話:コンサルタントが知っておくべき、建設的意見を交わせるようにする前提条件

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「ゴトウさん、緊急事態というのが全国に対してになりましたけど、これ今後どうなると思いますか?」── 先日、仲間のコンサルタントと合同で、経営者向けにオンラインセミナーを開催した際の会話です。

「緊急事態…」という、ただならぬ言葉が使われるようになって、心おだやかではない方も多いと思います。少なくとも、ほんの一か月、二カ月までは、大多数の人が「まさか…」と思っていた訳で、これが日本全国に対象拡大となったのですから、本当に驚きです。

5月のゴールデンウィーク明けまで…ということで開始になったのですが、これが本当に「そこで追われるのか?」という話になったとき、正直「ややこしいことが起きるのでは?」と考えています。もう少し具体的に言えば、「解除したのかしていないのか、よく分からない感じ」に近いかと。

もちろん、当社は、政治や経済を専門にしている訳ではありません。さらに言えば医療や公衆衛生なども専門外です。危機管理もプロではありません。

では、何がいいたいのか…ということですが、「物事を遂行しようとするとき、そこに携わる人の利害を一致させるようにしない限り、なかなか進まない」という、実に単純な原理原則がある…ということです。余りにも当然のことです。

ブレーキとアクセルを同時に踏んでいれば、そりゃ動かないでしょ。という話に聞こえるかもしれませんが、ちょっと違います。これだと、ブレーキを踏んでいる方とか、アクセルだけ踏む方を「間違っている」と糾弾しがちです。

前回のコラムでも書きましたが、世の中そんなに単純ではありません。経営の舵取りも今回のような実に難しい判断も、立場によって皆、考えることが違うからややこしいのです。

ですから、「こうしよう!」と号令をかけても、その通りに皆が動くとは限らない…という問題が起きます。いや、むしろ、「必ず動かない人がいる」というのをどれだけ理解して、それを先回りしてつぶせるか…にかかってくると言うべきでしょう。

会社の業績向上のために、「皆でがんばろう!」と号令をかけても、全員が頑張るとは限りません。むしろ「作業量が増えても給料が増えない人」からすれば、「お金を余計にもらえないのに、忙しくなるだけなんてまっぴら御免。むしろ、ヒマの方が嬉しい」と考えても不思議ではないのです。

周囲からすれば、「なんだアイツは!」と思うかもしれませんが、この人にはこの人の言い分も筋もあります。ここに号令をかけたり、「なんで皆と一緒にがんばらないんだ!」と叱咤するとしたら…ということです。

難しく考えるまでもなく、この人も、「売れて業績が上がれば給料も増える」仕組みになっていれば、作業量が増えることを基本的に喜ぶに違いありません。または、どれだけ売上に変化があっても、作業量は常に一定で給料も一定…なら、不満もでないでしょう。少なくとも、選択できるようになっていれば、余計なトラブルは最小限で済むはずです。

経済の話も基本的に同じです。仕組みによって世の中の人は思考し、行動します。残念ながら全員が号令だけで動くわけではないのです。利害が一致しない人がいるからです。

自粛による強烈なブレーキは、間違いなく財政にも影響を及ぼすことでしょう。とんでもない額のお金も出て行きます。それでどうなるか…といえば、無い袖は振れなくなる訳で、大きなところで言えば、年金や医療に跳ね返ってこざるを得ないことは、火をみるより明らかです。

そういう意味では、いま「自粛警察」なる言葉もでてきていて、本来の感染拡大防止とは明らかにそれて、家を一切出るな、一人しかいないのに公園も歩くな、海にでかけるな、ドライブするな、釣りに行くな、外食もするな…という、ヒステリックな監視をしている人もいますが、同じ仕組みの上に立つ時、言葉はきっと変わるに違いないでしょう。

あくまでも例えばの話…ですが、「自粛によって経済が止まる日数分、年金、公的機関の人の給料を0.5%ずつ減額します」と発したらどうなるか…。もちろん、大批判が殺到することは間違いありません。ですから、あくまでも例えば…と申し付け加えておきます。

しかし、仮に1カ月自粛することで-15%、もし3カ月自粛なら-45%もの収入減になると分かれば、いい加減な意見や単なるヒステリックな言葉とは違って、科学的根拠に基づいたまともな「建設的な意見」が増えるでしょう。

要するに、同じ仕組みの上に立つ時、一方的な意見ではなく、どこかで「現実的な落としどころ」を探りにいくようになる…。病気で死ぬのも嫌だけど、確率論で考えればこうだ…とか、収入がもう無くなるし、やっていけない…だからこの方法ならどうか?…などなど。。

会社の業績向上をはかるとき、その制度の根幹に「社員が同じ方角をみる仕組み」があるかどうかは、極めて重要です。これは単なる法律に則った制度があるかどうか…とはまるで違う話です。この仕組みがない限り、必ず「仕事が増えるのが嫌」といった、平気で足を引っ張る人がでてきます。

それを、号令でなんとかしようとしたり、さらには、がんばっている人に「しょうがないだろ、代わりに君がもっとがんばれ」的な意味不明な要求をして、押し通そうとしても、結果が芳しくないのは、多くの傾いている企業に共通する問題と一緒です。

そして大事なことは、この意味不明な要求は、必ず後からしっぺ返しをくらうということです。結果がなかなかでなかったり、強烈な不平不満がマグマのようにたまったり…。その時に問題が表面化すれば、ある意味まだ良いのですが、中途半端に塞ぐと大問題としていずれ現れてしまうことになります。

復帰や解除の際にも、この視点は重要で、「いままでヒマでも同じ給料だった」という人からすれば、混雑になるのは嫌だし、仕事が元にもどることも「増えた」と感じて、作業量が少なかった異常な状態を良しとする、妙なことが起きかねません。

異常な状態も、しばらく続くだけで、「困っていない人からすればそれが普通」になるという現実を踏まえ、いち早く皆のベクトルを合わせる必要があります。

こうしたことは、単に売上利益を上げればいい…とか、作業を効率化すればいい…といった、近視眼的なことだけ考えていても、決して指導できません。より遠くの、経営がめざすべき視点を自らどれだけ持つことができるか…。

あなたのコンサルティングは、関わる人を同じベクトルにする視点がしっかり刻まれていますか?
多くの建設的意見で満ち溢れる仕組みがありますか?

著:五藤万晶

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