がんばれコンサルタント! 第461話:できるリーダーか否かを判断するときの原理原則

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「ゴトウさん、3か月ほど前から新しく行っているクライアント先ですが、そこの社長さんから会社が明るくなって本当によかったと嬉しそうに言われましたよ」── 数年前に独立起業をされた組織づくりを得意とするコンサルタント仲間のお言葉です。

なんでも、コロナの影響もあって、業績が急激に悪化した会社からお声がかかったとのことですが、以前から顧問的に経営指導で入っていた先生がいたというのです。

なぜ自分が呼ばれた? と思ったそうですが、もともとここの社長さんは、コンサルタントなどの先生を複数同時に入れることをされているそうで、そういう意味では特段変わったことでもないそうですが、きっかけは顧問的に入っていた先生がやはり原因…だったとのこと。

いわく、業績悪化への対策として、「強度のコストカットと社内規則の大幅な強化」が行われたそうですが、社員さんやパートアルバイトの多くから相当な反発が起きたとともに、社内の雰囲気が極めて悪くなってしまった…というのです。

創業社長ということもあって、社員やパートアルバイトの一人一人をまるで本当の家族のように大切にされてきたそうで、そういう社長さんからすれば、社内の離反や雰囲気悪化を一瞬で察知するというもの。ある意味、優れしリーダーならではの感性と言えるでしょう。

問題は、一度冷え切った社内の空気というものは、規制をなくして元に戻そうと思ってもそうやすやすとは戻ってくれない…ということ。

社員が自然とやる気を出し、活力を生み出していく組織づくりをお手伝いされたそうですが、お声がかかった理由はまさにこの空気感の打破であり、現状の事業の壁を越えていくためには一人の顧問的な先生に内部を委ねているのではなく、次のステージに行ける仕組みづくりを今このタイミングで行うべき…との判断からといいます。

コロナ禍の苦しい状況での凄い英断です。なかなかできるものではないですが、社員さんたちが離反してしまえば、業績回復や事業成長など、まるで夢物語になってしまうことを考えれば、素晴らしい打ち手と言えるでしょう。

何より重要なことは、人に動いてもらうのに、「社員には給料を払っているんだから、動いて当たり前」だとか、「動かない人には、規則や罰則を強化すればいい」というやり方では、一時的には成果があがったとしても、長期的どころかほんの少し経っただけで必ず、大きなしっぺ返しがくるということです。

こんなことは、本来、自分自身のことで考えれば誰でもすぐに分かるはずのことです。「命令されて無理やりやらされる…」として、どうですか?と。気分よく動きますか? 動くとして素直に動きますか? と。

ここまで言っても、苦労知らずの二世や三世経営者や人の気持ちが分からない出世しか考えないリーダークラスの人は、そんなことはどうでもいいとばかりに「力を持って人を動かす」ことを本当にやろうとします。

誤解がないように申しあげておきますが、「規則や命令など不要」などと言うつもりは毛頭ありません。最低限の規則や命令は絶対に必要ですし、それがなければいかなる組織もまともに機能しないことは言うまでもないことです。

大事なことは、最低限の大枠は、法律やら規則やらルールやら、そうした規制で押さえるとして、そこから先、どうやって「人に良い方向に動いてもらうのか…」という話です。これこそが知恵を絞るべきポイントであり、真のリーダーの腕の見せ所なのです。

ダメな奴がいるとか、規則を守らない人いる…というのは、どこの世界にも、どんな小さなグループにもいるものです。

それはともかく、この問題児?に対して「何がなんでも言うことをきかせてやる」とばかりに、次から次に規則をつくり、規則で足りなければ罰則をつくり、それでも足りなければつるし上げにしたり…と、要は命令によって従わせようとするのが、ダメなタイプのリーダーの典型例なのです。

なぜダメなタイプのリーダ―なのか? 理由は実に単純です。ひたすらダメな人を基準にどんどん無駄なエネルギーを使って、全体の活力をそいでいっているからです。力を伸ばすのがリーダーの大事な役目であるにも関わらず、力をどんどん削いでいっていることに気づいていないのです。御幣を恐れずに言えば、無能無策が故の権力乱用…ということです。

実際、まともに動いていた人まで、そのまったくもって無駄なルールの順守や無駄な規制をしいられることになります。行動を束縛され、やる気を失わせてしまいます。規則が増えて罰則が増えて嬉しくて元気になる人など、それを取り締まって悦に浸っている権力を笠に着ている連中だけです。

要は、馬鹿なヤツがいるから…という大義名分を使って、いらない規則を増やして権力を振るっているのです。会社を元にもどすためには仕方がない…という錦の御旗があるだけに始末に悪い話です。冒頭の会社に以前からいた顧問的な先生というのは、相当な…と思ってしまいますが、いまこれに似たことが全国各地で起こっていることも見逃せません。

本来リーダーとは、人々を豊かな方向に導くことが責務のはずです。むりやり罰則をちらつかせて命令に従わせて、一体何をしたいのかと言えば、「一人の命は地球より重い」的なセンチメンタリズムによる強権乱用が行われています。

何を命令されても素直に従う従順な人は、従わないやつが悪いと息巻くかもしれませんが、自分で考えて動ける人からすればまったくもって迷惑な話です。実際、自分で考えて動けるだけの情報がすでに揃っています。これが分からない人は、情報を得ようとしていないのか、そもそも考えることもしない人…ということになります。

しかも、現実問題として人の命には値段があって、100人の命を救うのに3000億円かかるとして、誰がはらうのですか?ということです。自分の財布から一円も出さない人が、税金や公金だと「出せ」と言うとしたら、こんなゲスな思考はありません。オレのお金じゃないし関係ない…ということでしょうが、経済を止めるということは、まさにこの選択にも関わらず、命令と罰則で動かそうというのですから恐ろしい話、ということなのです。

この手の話をして、「命に値段はない●◇×▽●!!■!」と支離滅裂なことを言ってきたり、「じゃあ、あなたやあなたの家族が死んでもいいんですか?」と吹っ掛けてくる人もいますが、その何とも言えない「感情」と、なんとかしなければならない「勘定」の狭間に対して、決断を下していかなければならないのがリーダーだと言っているのです。

感情だけに左右されれば、無尽蔵にお金を使うことになります。泥棒や誘拐犯に全部お金を渡す話になります。かつてハイジャックが起きたとき、まさに先の「一人の命は地球より重い」と要求された法外なお金を渡した上に、テロリストを海外に逃亡させた…と、世界中から揶揄されたことは、大きな傷跡となって残っています。

100人の命を救うのに、100万円しかかからないのなら、誰も文句をいわないし、ぜひ助けるべきでしょう。でも、お金の桁が3ケタどころか、4ケタも5ケタも違っているのです。感情論では済まされないのです。だからこそ問われているのです。

会社の場合、使えるお金とは「社内に残されているお金」か、「借りてくるお金」か、そうでなければ「これから活動して稼ぎ出すお金」のどれかしかありません。最も難易度が高いが、最も豊富にねん出できるのが、新たに稼ぎだすお金です。だからこそ、関わる人を鼓舞し、動いてもらえるよう、知恵をだし、その方向に導くための施策を考えるのが本物のリーダーなのです。

腕のいいリーダーには、総じてこの力強い導き力があります。未来をつくる力があります。だからこそ、周囲が明るくなり、活性化し、成長軌道に乗るようになるのです。明るさをつくるのがリーダーの真の役目です。

あなたは、自らのコンサルティングを考えるとき、明るさをつくりだすことができていますか?

著:五藤万晶

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