がんばれコンサルタント! 第187話:効率や生産性を考える時に忘れてはならない絶対条件

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20160126AA_03「ゴトウさんが言う、スピードアップと価格競争は基本的に同じ…という意味がよく分からないのですが…」── 先日、セミナー終了後にご相談をいただいた、あるコンサルタントの方の言葉です。

いわく、これまで工場などで改善活動をメインに指導を行ってきたけれど、残念ながら昨今の業績不振で関わっていた工場が閉鎖になってしまった…とのこと。

会社本体はまだまだ大丈夫とのことで、このコンサルタントの方の責任というよりは、本社の方針によるところが大きいようでしたが、いずれにしろ、関わっていたところが縮小や撤退、閉鎖…などになってしまうというのは、これはコンサルタントでなくとも、非常に物悲しく感じるものです。

まして指導で関わっていたとすると、何か至らなかったことがあったに違いない…と責任を感じてしまうのは、これはコンサルタントとして当然のことかもしれません。

生産性向上、効率アップを目指して様々な方策、改善を行ったが、力及ばなかった…。ただ、それが「価格競争をしていたことと同じ」という意味が、イマイチ分からなかったというのです。

よく、コンサルティングに限らず、社内でも「生産性を上げる」とか「効率を上げろ!」といった言葉が盛んに使われています。上司が部下に対して、「もっと効率を上げて仕事をしなさい!」といった指示が飛んだりします。

巷でも、ビジネス書や社員研修、雑誌でも「仕事の生産性アップの秘訣」といった題目をよく目にします。ですから、多くの場合、「生産性を上げる」とか「効率を上げる」といったことは、「正しいこと」とされています。しかし、冷静に考えて、本当に額面通り正しいことでしょうか?

「生産性向上」とは、読んで字の如く、「生産する数や量を上げる」ということを意味しており、基本的に単位時間当たりの生産数を増やす…という意味です。

「効率アップ」とは、同じことを行う際の投下時間や労力を減らす…、つまり同じ時間や労力でよりたくさんの数をこなす…といった意味です。

冷静に考えればスグに分かることですが、「単位時間あたりの生産数を増やす」という意味は、これは「コストを下げる」ということと基本的に同じですよね? ということです。

こう話しても、「いや、より効率よくたくさん作った方がいいに決まってる。だからコスト削減の話とは違う!」と、どうしても理解したがらない人がたまにいます。

あまり難しく話をしてもしょうがありませんので、もっと分かりやすく伝える必要があるのかもしれません。ですから、こうした方々にご説明する際、もっと分かりやすい表現をとることにしています。

「どれだけ安く作れても、売れないモノはゴミですよ」──。余りに単純なことだと思います。本人たちは商品だと思ってせっせと作っていても、買ってくる人がいなければゴミ以外の何物でもありません。時間も労力も何かもがパーです。

要するにどれだけ安く早く、たくさん作れても、儲からなければ「生産性ゼロ」ということです。これが冷徹な現実なのですが、担当者レベルで物を考えている人には、目の前の生産個数しかわからなくなってしまうのです。

こんなに単純なことなのに、「生産性向上」や「効率アップ」の指標が、売上や利益とリンクさせずに、単に時間当たりの生産個数だったり処理数、もっとひどい場合、単純な時間短縮を目指したりしていたり…。

再度申し上げますが、利益が増えない限り、会社も社員も豊かになることは絶対にありません。全従業員が時間給で働いていて、労働時間を減らせば人件費を減らすことができる…としても、社屋や工場、オフィス、機材や設備…など、固定コストはほぼ減ることはないので、単純な時短をどれだけ目指しても、事業が豊かになることは絶対にないのです。

そもそも論として、「限界までいかなければ真の効率アップは不可能」という真実があります。「ギリギリまでやって、それでも何とかしなくてはならない…」という時に、必死で考えて知恵を出す…というのが人間なのです。

要するに、商品が売れて、そしてもっと売上を伸ばしたい…と必死でがんばっている中、同じ人員でなんとか生産を増やしたい…。いや増やさない限り売上も利益も増えない、だからなんとかならないのか…と悩むとき、真の「生産性向上」「効率アップ」という話に突入するのです。

つまり、「パンクなきところに、真の生産性アップなどない」ということです。パンクしていない、つまり一杯一杯の状態になっていない時に、単に効率アップだけ行うと、人間は楽に流れてそれが当たり前になり、やがてだらけていってしまう…ということが本当におきます。

働くのが楽になる…という話と、経営的観点では、次元がまるで違うことを知っていないと、生産性をあげる…ということで経営がおかしくなることが本当に起きるのです。

これはトヨタ生産方式でも警鐘を鳴らしている事でもあり、効率アップや生産が楽になる時には、必ず他の仕事や作業を代替で入れる…ことを行っています。社員の能力が下がることを防ぐ意味もありますし、他の仕事を行うことで新たな収益増に結びつけていくためでもあるわけです。

翻って、オフィスワークにおける生産性においても、単に時間短縮を標榜するとどうなるのか…ということです。コンサルタントの仕事でもまったく同じです。

生産性という言葉は本当に耳触りのいい言葉です。
 あなたは、真の生産性向上を目指していますか?
 

 

 

著:五藤万晶

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