がんばれコンサルタント! 第195話:コンサルタントが、確実に無能と判断されてしまう施策ポイント

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「ゴトウさん、ある会社のコンサルティングに入ったのですが、以前に入っていたコンサルタントの影響がすごくて…」── いま活躍が著しいコンサルタント仲間の方のお言葉です。

伺えば、「ある小売業の社長さんからの打診でコンサルティングに入ったものの、ほとんど年中キャンペーンやら特売をやっていて驚いた…」とのこと。理由は、以前入ってもらったコンサルタントが、「お客さんに毎日のように、何かしらアピールを行うことが商売繁盛の秘訣だ!」と言われたからだそうで…。

なるほど、世の中的には「商売におけるアピール」を、一体どう考えているか…については、これは本当に大きな差が現われるところの一つでしょう。キャンペーンや特売も確かにアピールに違いない訳で、そういうことを指導するコンサルタントもいるのかもしれません。

しかし、残念ながらこのお店の商売は上手く行かないでしょう。実際、全然上向くどころか赤字がひどくなったので、違うコンサルタントに打診した…というのが本当のところな訳です。

なぜ、そうなってしまったのか…。理由は実に単純です。「何かをアピールする、ということと、価格を下げるということとは、まるで意味が違う」からです。

もっと分かりやすく言えば、「優れた企業は、“特別”をサービスとし、ダメな企業に限って“値引き”や“無料”をサービスにする」ということです。

顧客や取引先に何かをアピールする…ということは、これは本当に大切なことです。この部分そのものは、間違いなく重要なことであり、商売にとって本質的に正解と言えるでしょう。

いつ行っても同じで、5年経っても10年経っても変わり映えしないで、接客も応対も進化なし。商品も新しいのはない…となれば、お客さんが減っていって当たり前です。

伸びている企業を見れば、いかに新商品や新サービス、ウェブもチラシも接客も、受付の仕方から何から何まで、常に進化させていっていることを見れば、数年同じことをしているだけで、確実に世の中から遅れていっていると断定できます

だからこそ、自社は「こうした新しい取り組みを行っています」、「こんな新商品をつくりました」、「もっとご注文頂きやすい体制をつくりました」、「新サービスを開始しました」…など、新たな取り組みをアピールして、実際にお客様、取引先に利用してもらえるように活動していく必要があるのです。

問題は、これらの取り組みは決して簡単ではない、一朝一夕には絶対にできないという点です。たった一つの取り組みのために、一体どれだけの準備と努力があって実現し、ご案内できるようになるのか…ということです。

「新商品」という、言葉の上ではほとんど同じ言葉でも、「新規開発商品」と、「新しく取り扱う商品」とでは、まるで意味が違うのです。

前者は会社として、新しく開発した商品であり、文字通り経営資源を投入しての勝負となる商品ですが、後者は現在の体制の中での次の商品程度のことであり、特に仕入ベースであれば特段リスクもない商品だということです。

こうしたことに、深く意識を持つことなく同程度のことと思って活動しているとどうなるか…。まさに「アピール」という点においても、自社が本当に顧客・取引先にアピールすべき内容の深さが、まるで違ってくる…ということになる訳です。

恐いのは、こうした内容の深さ、活動や打ち手の重みの違い…といったことは、年月とともに確実に大きくなって現われてくる…という点です。日常の活動、思考の少しずつの違いが積み重なって数年たてば、安売り特売しか脳がない赤字体質企業と、確固たる地位とブランドを築いて顧客に支持される企業とに、明暗を分けることになります。

コンサルティングの際、本質的な部分ではなく、表面の部分しか指導していなければ、前述の安売り店がごとく、まったく意味のない日常活動が繰り返されることになります。

面白いのは、企業のことでは「それはそのとおり!」という人が、コンサルタント本人のことになると、「自分は例外」と言わんばかりに「同じことばかり」か「結局価格勝負」の人が、意外なほど多いということです。

何度もお伝えしているとおり、コンサルタント業とは、一人で行っていても立派なビジネスであり、最小単位の事業経営に違いありません。この経営の中身が上記で示すような困った内容であれば、大きな成長は望めないことは言うまでもないでしょう。

書籍発行や新サービスの開始、5周年や10周年などの周年記念、提携企業30社、50社などのイベント…など、自社の核がしっかり定まっていれば、事業を積み重ねていく中で、価格以外のアピールポイントは必ずつくり出すことができます。

あなたのコンサルティングの軸は定まっていますか?
 次にクライアントにアピールするのは、何ですか?
 準備を進めていくことはできていますか?

 

著:五藤万晶

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