がんばれコンサルタント! 第398話:コンサルタントに必要な、仏の心と鬼対応

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「ゴトウさん、クライアント先の社長さんが、借金してでもまだやる…と言っていて悩んでます…」── 悪戦苦闘しながらも、必死にコンサルタント商売の成功を目指されている方からのご質問の際の言葉です。

2年ほど前から関わってきたクライアント先で、ある商品のテコ入れに関してお手伝いをされているのですが、社内事情もあってなかなか思うように進まない…というのです。

問題は、資金が尽きかけてきており、その工面に社長は借金してでも…と動かれているというのです。並々ならぬ社長の執念…と言えるかもしれません。

しかし正直な話、お金を工面しても、これまでやってきた施策の延長では上手くいく可能性は非常に低く、このままいけば終局になるのは目に見えている…とも。

しかも、このコンサルタントの方が心苦しく感じている理由の一つには、コンサルフィーに関してはちゃんと払ってもらっているとのことで、いわば、「借金したお金で払ってもらっている…」というのがあるようなのです。

なかなか難しいというか、悩ましい問題…と言えるでしょう。この他にも複雑な事情が絡んでいるだけに、「こうすればいい」と簡単には決めづらい話です。

こうした話のとき、「コンサルフィーをもらえているのだから、続ければいい」と言う人もいます。一方で、「そのままやっていても無理なんだから、無理とわかっていて続けるのはおかしい」という人もいます。

どちらもごもっともです。理にかなっていますので、そのとおりだと思います。そしてそのどちらの気持ちもわかります。

しかし、どこまでも現実を生きる我々は、この相反するような悩ましい問題に対して、答えをださなければなりません。対処していかなければなりません。プロとしてやっているからです。

そういう意味で、まず大事なことは、「借金したお金だから…」というのは、払う側にとって価値観が違うのは当然として、受け手側にとっては、「それが借金したお金だろうが、アブク銭だろうが、そんなことは関係がない」ということをわかっていなければなりません。

理由は単純です。「では、あぶく銭で支払ってもらうなら、適当な仕事でいいんですか?」ということです。もっといえば、あなたが自動車や家具、何か立派な服などを買うとき、それが現金なのか、カードでリボ払いなのか、キャッシングの現金なのか、よそからもらったお金なのか…、いずれにしろ何で払おうが、店の対応が違えば、「おかしい」と思うはず、ということです。

プロなら、お金をご用意いただき、支払っていただく。そして、可能な限りベストを尽くして成果を出す。喜んでいただく。きっちり仕事をする。ある意味、当たり前のことです。

逆にいえば、お金をもらわずに「実績をつくるために…」とか「世のため、社会貢献で…」といった、偽善と言える言葉に変えるのも、お金をもらうに値しないのを誤魔化しているだけ、と言わざるを得ません。そして、その心理状況こそ、「別にたいしたお金もらっていないから…」だったりします。

一方で、もう一つ考えておかなければならないことがあります。「撤退基準」です。何事も、始めるときはイケイケドンドンだったり、失敗を考えていたら始められない…とばかりに、勢いで進めていく傾向が強いものです。

しかし、ひとたび、つまづき始めると、ズルズルっと泥沼にはまっていくことになります。よく、「○○の資格をとりたい」とか、「□□を開発する…」、「●●の新商品を立ち上げ」といったことにチャレンジして、何年も何年も費やして…というケースがあったりします。

いわゆる引くに引けない、やめるにやめられない、というパターンです。年齢制限とか回数制限、黒字化の期限があれば、これを理由に「否応なくやめれる」のですが、そうした撤退基準がなければ、ズルズルと年月を浪費していきます。

否応なくやめさせられる…撤退基準のことを、「ヒドいとか残酷」という人がいます。果たしてそうでしょうか? ズルズル…と、場合によっては取り返しのつかない状況にまでなってしまうことこそ、本当にヒドイし、残酷と言えるでしょう。

表面的な優しさによって、現実的には、より一層大変な状況に追いやっているのです。「追いやっているとは心外」と言う人もいるかもしれませんが、そもそもそのことに気づいていないのが問題なのです。

これまでやってきて上手く行っていないとして、付け焼き刃程度の違いはあれど、似たようなやり方を続けて、次に上手くいくという理由や理屈は、どういうものか…ということです。

このワンチャンスで…、これが最後…といった、「後がない」状況こそ、本当の意味で必死になる条件設定と気づくべきです。

チャンスが多いほうが頑張るだろう…と思うのかもしれませんが、それは時間もお金も無限にあるのならいざしらず、「何回でも自由にどうぞ…」の環境下で、真面目に真剣にやるかどうかといえば、残念ながら多くの人間は期待通りには動かず、確率論でいえば、明らかに下がることは明白です。

こうした心理的なことを鑑みるとき、「仏の心を持ちながら、どれだけ鬼になれるか…」ということです。

例えば、新人相手に、何でもかんでも優しい上司であれば、「楽なところに入った」と思うかもしれませんが、その新人は何年たっても実力がつかずに後々苦労する可能性が高まります。逆に、表面的には鬼のようでも、新人の未来を考えてしっかりと力をつけさせるために高いハードルを課す上司であれば、この新人の未来は明るくなるでしょう。本人的には「なんて酷い上司だ!」とそのとき思ったとしても…です。

経営コンサルティングにおいても同じです。お金を払っていただければ仕事はしっかりしますが、これをやっていただくことが条件ですよ…と、しっかり基準を示せるかどうか。

撤退基準をつくることは、すべてにおいて人の能力を引き出し、やる気を引き出し、本気をつくりだし、成功確率を引き上げる…大事な要素です。それを考えずに何かをやるとしたら、趣味か遊びかおママゴトか…ということです。少なくともビジネスではない、と言わざるを得ません。

世の中には、鬼の心で表向きには仏っぽい人がたくさんいます。それこそ、金さえ貰えれば「いや〜、すばらしい!」と持ち上げたり、ヨイショを盛んにするタイプですが、この手の人の仕事は表面的なことばかりで中身がなく、しかもちょっと都合が悪くなると一瞬で蜘蛛の子をちらすように消えてしまいます。

また、仏だけの綺麗事の人は、お金がなくなっていく…と、一緒に「たいへんだ、どうしよう」と、頭抱えているだけだったりします。

1+1=2のように、明確かつ単純な話は、現実の世界には存在しません。だからこそ、悩み、そして面白いのです。仏と鬼が両方存在する必要性があり、しかも順番があり、比重もある…。

あなたは、仏と鬼を持ってビジネス展開していますか?
 がんばれコンサルタント、がんばれKさん!

著:五藤万晶

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