がんばれコンサルタント! 第411話:コンサルタントが知っておくべき、ただ速いだけ、ただ遅いだけを見破る方法

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「ゴトウさん、次回の個別相談ですが日程変更お願いしていいですか?」── コンサルタント商売にご興味をお持ちなり、2カ月ほど前から当社にお越しになられている方からのお言葉です。

色々な方が事務所にお越しになられますが、この方は従業員も多数抱えながら、結構手広くビジネス展開をされているズバリ経営者の方。

様々な事業展開の中で、コンサルティングビジネスの可能性、そして魅力に気づかれ、当社のセミナーにお越しになられた後、コンサルティング展開のお手伝いをしている方です。

ちなみに、個別コンサルティングの「日程変更」は、お忙しい方が多いだけに、それほど珍しいことではありません。ですから、「はい、次回のご都合よい日時、ご希望決まりましたらお知らせください…」とご返信を。

通常、この手のやりとりをした場合、2、3日くらい?までには日程の連絡がきたりするものですが、この時は2週間経ってもご連絡がなく、「あれ?」とは思いつつ、「お忙しいのかな?」くらいに…。

しかし、驚かされたのは、2週間をちょっと過ぎた頃にいただいたご連絡です。詳しいことはここでは書けませんが、店舗の移転、縮小にはじまり、一部のビジネスの業態転換、テナント契約の見直しと解約、オンライン化、スタッフの契約変更、次期ビジネスの開始…などなど。

凄いはやさの打ち手です。そんなに急にいろいろやって大丈夫? と心配する人もいるでしょう。ただ速いだけの「拙速」に見える人もいるかもしれません。

深い思慮や戦略なしにビジネスを展開すれば、場当たり的な展開になってしましまいます。当然ながら、長期の繁栄など夢のまた夢となります。

さて、ここで重要なことがあります。それは、それらの判断、打ち手は、何に基づいて行われているのか…ということです。「単なる拙速」と、「驚くべき速さの迅速」との決定的な差は、判断のベースがまるで違うということです。

実は多くの「驚くべき速さの打ち手」は、カンからだったりします。カン?と驚く人も多いかもしれませんが、ただし、ちょっと違いもあります。

分かりやすく言えば、「山勘」と「本物のカン」の違いです。前者は「当たるも外れるも確率2分の1」といった博打というと語弊がありますが、よく言っても統計や学問的な確率論を判断基準にしているものです。

一方の本物のカンは、これまでに蓄積したきた膨大な知識やノウハウ、経験…などが源泉になって、理屈を越えてはじき出されている…というものです。しかも、通常時はもちろんですが、嵐が起きるかどうかの時には、恐ろしいスピードで考えていたりします。初動のレベル、そして決断を下すタイミングが、まるで違うのです。

世の中的には、「カン」でビジネスの指示や決断をするのは、いかがなものか…と思う人も多いかもしれません。数字や確率、理論で判断しなければ間違いを犯す…と。

確かにごもっともな意見でしょう。しかし、一つ大事なことが抜けています。それは、「これまでと同じ状態が続く」という前提条件を無意識にしていませんか?…ということです。統計や数字が無い未知のことに対しては、数字や確率的な考えでは答えを出しようがないからです。

大企業の新商品がごとく、「既存カテゴリーの商品開発」ならこれまでの統計や数字、アンケート手法などが活かせますが、「新しいジャンルの商品」「未知の商品」となれば、創業経営者率いるベンチャー会社が強くなるのは、元になる判断基準がまるで違うからです。

この影響度が強くなればなるほど、ビジネスの進むべき方向性、勝負のポイント、撤退か邁進か…、こうした重要な判断は、決して数字や統計でできるものではなく、膨大な経験知からはじき出される動物的とも言える「カン」が重要になってきます。

中でも際たるものが「危機察知能力」です。たった一度の危機でも、よけ損なうとビジネスは終わってしまいますが、ビジネスの大波を幾度と無く潜り抜けてきた経営者は、驚くべき確率で、その襲来を察知し回避します。

ビジネスをお勉強する人と、ビジネスをやりながら覚える人の決定的な差はここです。「これはヤバイ…」という妙な恐怖感、危険を察知する能力…というのは、膨大な経験知に基づくもので、学習では絶対に得られない特殊能力の一つだからです。

これらは、規模の大小ではなく、自ら本当のトップとして「経営判断せざるをえない場」に身を置いているかどうか、そして日々、そうした知識や経験を積み重ねる努力をおこなっているかどうか…ということです。

語弊を恐れずに申し上げれば、常に大きな方針を上が決めてくれる役職上のトップだったり、他に収益が保障されている中でのサイドビジネス的な経営者、大きな会社の子会社の社長…などであれば、トップはトップでも、全責任を伴う経営判断などするよしもなく、本物の経営判断能力を得ることは、まず不可能ということです。

「スピード感をもって…」と言う言葉がありますが、この言葉がでるときはほぼ間違いなく「スピードが遅い」ときでしょう。速ければわざわざ、こうした言葉を使う必要はないからです。

では、なぜスピードが遅いのか…と言えば、実際にはお金や人、物がたりないケースでこの言葉使われることは稀です。本当は、「何をやっていいのか分からない」のです。もっと言えば、判断の軸もなければ、何をどう考えていいのかも分からない状態…だったりします。

責任を伴う場における膨大な経験知というものがない人が、統計や既存の判断軸もないとき、人は驚くほど無能となります。「思考停止」になったり「無為無策」になってしまいます。

このとき行われることは、ほぼ間違いなく二つに一つです。あてずっぽうの山カンか、判断の先延ばしです。

山カンよりは判断の先延ばしの方がマシにも見えますが、打ち手は完全に後手後手になっていくことは間違いありません。ビジネスにおいては致命的になりかねません。

ただし、多くの人は「自分は考えがあってやっている風」を装います。しかし、この状態に陥っているかどうか…は、すぐに分かります。「判断の軸や根拠」を訊いてみることです。

本物のカンであれば、何かを指示・手を打つ…ということは、撤退や停止、休止、邁進いずれであっても、必ず独自の考えや基準がそこにあり、それに対して説明の言葉や判断軸は、その時なくてもスグにつくることができます。頭の中にカンのベースがあるからです。

逆に言えば、判断基準をつくるのにモタモタしていたり、なんだかんだ先延ばしになる…とすれば…、実は何も考えていなかったり、元になる考えがないという証拠ということです。そして最悪は、「判断を人に委ねる」「ヨソのマネをする」という状態になれば…。

ビジネスにはピンチもあればチャンスもあります。面白いのは、「危機察知能力」と「好機察知能力」は、ほぼ一対ということです。

ビジネスでは「実施しない意見は寝言」だけに、「判断と実行」はセットです。だからこそ、これを鍛えている方は、危険回避能力も高ければ、チャンスをつかんでビジネスを伸ばすことも上手なのです。

そして、その判断と実行を繰り返すことで、驚くべきスピードを出せるようになってくるのです。スピードだけが単体であるかの如く考える学者的発想の人には、一生分からないことかもしれません。

傍からみれば、「ちゃんと考えているの?」と見えるかもしれない驚くべき速さの打ち手の連続も、経営責任の現場で日々、膨大に積み重ねてきた経験知や普段からの思考があればこそ、イザの時に、稲妻がごとくに采配をふるうことができるということです。

学習や人真似で、コンサルタントをしようとしている人の限界がここにあります。ライセンスや学習的能力があれば…と思いたい気持ちは分かるとしても、未知のことには歯が立たないのです。

当社が一貫してお伝えしている、「自分が積み重ねてきた知識や経験、ノウハウ…といったものをベースに、自分独自のコンサルティングビジネスを展開する」というのは、まさにこの重要性を指摘しています。

あなたが「一見、安全そうに見える単なる後追い」を選ぶのか、「一見、博打的に見える真っ当なビジネス展開」を選ぶのか、今回のコロナ騒動は選択を迫っているとも言えるでしょう。

危機と好機が大きなうねりになってやってきています。本物のコンサルタントが求められる時代が来ています。あなたは本物を目指しますか?

著:五藤万晶

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