がんばれコンサルタント! 第490話:計画通りに進まないときに確認すべき「物事を行う順番」の原則

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「ゴトウさん、死ぬ前に何をやっておきたいですか?」── 親しいコンサルタント仲間と1年に一度、楽しみにしている親睦会的な宴席ででてきた話題の一つです。

盛り上がっている席での話ですので、活字から受ける印象とはちょっと違って、もっと気楽なイメージの言葉ではあったのですが、それでもやはり、「死ぬ前に…」の言葉というものは、それなりに重さを伴う言葉に違いありません。

ある意味、親しい仲間とだからこそそうした話ができる…とも言えるのですが、タイミング的に改めて考えさせられることがあったのも事実です。

同じ週に、昔よくかよったバーの店長をしていた知人が50を前にして余命宣告を受けて、もういくばくもない…という知らせを受けたからです。サラリーマン時代によく通って、そしてバカ話をして、酒を酌み交わして…とやった仲だけに、もうなんとも言葉がみつかりません。

同じく酒を酌み交わした友人たちと一緒に、最後かもしれないと思いながら逢いにいったのですが、むしろ本人の優しさといいますか、うまく話ができない我々に対して気遣いで昔話を向けてくれて、懐かしい想いで話がなんとかできた…ということがあったからです。

いつか必ず人は死ぬ…とは、誰でも頭では理解していても、その現実が目の前にやってくると、「いや、ちょっとまってくれ!」となるのがある意味当然というものでしょう。それがまったくない…という人がいたら、やせ我慢でそう言っているとしたらもちろん理解できますが、そうでなければ生命体として何か違和感を感じてしまいます。

ただ、その後悔を感じるようなことや、ジタバタしてしまうという感覚を、「少しでも減らす」というか、「やるだけやったから」と自分なりの納得がでてくるようになれば、これは大きく変わってくるに違いありません。

そういう意味では、「やって失敗したこと」よりも、「やらなかったこと」のほうが、死ぬ間際の人生においては大きな後悔になる…とは、よく言われることです。「あのときやっておけばよかった…」と。

これは、拙著「ターゲティング出版戦略」にも書いていますが、経営者の方々に同じ質問をすると、やることやってきている人ほど、ほとんど悔いはなく、「まあやりたいことやってきたから…」と、まるで死ぬ準備ができているくらいに穏やかに話される姿には、実に不思議な共通点があると思っています。なぜかそっくりなのです。

ただし、ここでいう「やる」という言葉の意味としては、「やるべきこと」と、「やりたいこと」の二つを含んでいて、これを正しく理解しておくことが重要です。理由は単純です。ほとんどの人が、「やりたいこと」を優先して「やるべきこと」が疎かになりがちだからです。

簡単な話、小さい子供たちをみれば一目瞭然で、遊びにはすぐにいくのに、宿題を前もってやる…という子は稀でしょう、という話です。いい歳した大人でも、やりたいことにはもうびっくりするくらいに前倒しするのに、「やらなければならないこと」には、これまたびっくりするくらいに「もっともらしい屁理屈」言って先延ばしをしたりするのです。まあ、人間ですから分かりますが(笑)

偉そうなことを言っていても、当社もやはり「やるべきこと」が遅れがちです。必死に取り戻そうとしても、がんばってなんとかしようとしても、元の予定においつくのがもう一杯一杯、という感じで、「情けないな~」と思うことがよくあります。

当社がやり遂げたいことの一つに、「コンサルタントの方々と経営者の方々が結びつく仕組み」、「経営者がコンサルタントを選んでどんどんコンサルティングを頼んでいける仕組み」…というものを、善循環的に回るようになってほしい…という想いがあります。

そのためにはやるべきことが山ほどあるのですが、正直なかなか進まないし、何をやっていいのかが分からないことも多々あったりします。目の前のやるべきことも沢山ありますし、それらが少しずつでも遅れていくと、最終的にやらなければならないことが遅れていくことになります。

だから、細かいこともしっかりやっていかなければ、結局「後悔するかも」…につながっていくわけで、そのために重要なことは、「やらなくてはならないことの後に、楽しいことを予定する」ということを、意図的に組む必要があるのです。

たかが順番と思う人もいるかもしれませんが、宿題やらなければ遊びにいけない…となると、仕方がなく宿題をしますし、掃除をしてからでないと食事ができないとなればいやいやながらも掃除をするのが人間というものです。上手くいかなかったり、いつまでたっても進まない人たちの共通点は、驚くほどこれを逆にしていたりします。

仲間たちとの年に一度の企画もその一環です。ウマの鼻先にニンジンではありませんが、自分の鼻先にニンジンをぶら下げて、「やらなければならないことをクリアしなければ、やりたい楽しみは手に入らない」ようにセットしている訳です。

先週は、その年に一度の企画で、親しい仲間と2日間ゆっくり過ごしたのですが、やるべきことをやった後だと、気分もすっきりしていて楽しいことも余計に楽しくなるものです。

もう本当に楽しく語らいあい、飲んで遊んで…と過ごさせてもらいましたが、皆やるべきことをクリアして、この日を首を長くしながら待ち望んで、思いっきり楽しんでくれていました。実にありがたいことです。

これから年末に向かっていきます。そして来年を見据えて、「やらなければならないこと」を確実に進めていく、大事な時期になっています。やり遂げたいことを実現させるために、いま自分が何をしておかなければならないのか…。

目の前の「小さなやりたいこと」にうつつをぬかしていると、あっという間に時間が過ぎ去ってしまいます。
後悔しないために、あなたがやり遂げたいことは何ですか ?
あなたがやっておくべきことは何ですか?
やるべきことをやるために、自分にニンジンをぶらさげていますか?

著:五藤万晶

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