がんばれコンサルタント！ 第492話：コンサルタントが確認すべき、進まない本当の理由と原因

「ゴトウさん、いまコンサルタントとして独立することを考えていまして…」── 先日東京で開催したセミナーにお越しになられた方からの、ご挨拶的なお言葉です。

伺えば、コンサルタントとして起業している知人もいて、自分もコンサルタントとして活躍したい…と願って当社のセミナーに参加してみようと来られた方。せっかくの機会なので、応援も含めてアドバイス的にお伝えすることに…。

というのは、職業柄、コンサルタント起業を考えていても、なかなか第一歩が出ない…という人と出会うことが、結構多いからです。

もちろん、コンサルタント業であろうとなかろうと、起業は起業なので、誰だって「やっていけるのかどうか」が心配になって躊躇したり、必要以上に慎重になったりするのは当然とも言えるでしょう。

むしろ、若さ溢れる勢いだけで起業するとしたら、上手くいくにしてもその成功確率は相当に低くなってしまうことは間違いないでしょう。ろくに考えずに、適当に始めて上手くいくほどビジネスの世界は甘くないからです。

一方で、慎重になりすぎてしまうのも、やはり考えもの…というのも事実です。保険に保険をかけていくような考えをしていると、準備ができるころには次の心配が見えてきて、またそれに保険をかけて…となり、気づいたらもう寿命…なんてことにもなりかねません。

そういう意味では、どこかで「いい頃あい」というものを見つけ出して進めていく…ということが非常に重要ということですが、問題は、この「いい頃あい」というものを、どう見つけ出すか…という点です。判るようでなかなか判らないのが現実だからです。

重要なことは、「やるべきこと」と「感情」を切り分けているか…ということです。単に作業を進めるだけのことであれば、それが予定どおり進んでいるか、遅れているのか…で判断できますが、進行に際して苦痛や恐怖を伴うような心理的な壁が存在するとき、人は驚くほどの確率で自分自身を誤魔化し始めるからです。

語弊を恐れずに申し上げれば、起業に関しても、「できない」のと「しない」では、まるで意味が違う…という話です。炎上しそうな話ですが、同様に、儲けることや、結婚でも、家やクルマを買うことでも、モテることでも旅行に行くことでも…、基本的に同じです。

とっさに口にでてくる僅かな違いかもしれませんが、「できない」と「しない」では意味がまるで違うのですが、遅々として進まない人に限って、往々にしてこの誤魔化しの言葉を使っていることは、ちょっと会話をしてみればすぐに分かります。

もちろん、明らかに嫌な感じが返ってくるので、このあたりは注意が必要ですが、逆に言えば、「露骨な反応がある」ということは、それだけ誤魔化したり嘘がある、何よりもの証拠ということです。

これがプライベートのことであれば、わざわざ人に嫌われるようなことまでして確かめる必要性が果たしてあるのか？ という話ですが、ことビジネスの話ということであれば、これは逆にしっかり確かめていく必要があります。進まない本当の理由や原因が、一体何なのか、把握しない限り突破は永遠にやってこないからです。

実際、事の本当の理由、心理的な壁の存在が分かり、これを嫌々ながらも「認める」ことで、大きく前進していくことが始まります。恐怖を恐怖と認め、苦痛を苦痛と認めることで、「では、どうすればいいか？」、克服に対してまともな対策を考え始めるようになるからです。

逆に言えば、この「認める」ことをしない限り、具体的な行動は始まらない…ということです。営業ができなかったり不得意なのを、「ウチは営業しない」と誤魔化しの虚勢をはっていると、いつまでもまともな対策が打たれないのと一緒です。

営業ができないのと、戦略的に営業をしないで済むようにする…のでは、これまた「まるで意味が違ってくる」のです。「認めたことで、本気の対策ができる」のです。

あらゆるビジネスの進化のポイントがここにあります。そしてそれは、コンサルタント商売においても同じです。あなたは、あなたのビジネスが繁盛するために、何が足枷になっているか把握していますか？ その弱点を認めていますか？