がんばれコンサルタント! 第516話:コンサルタントが押さえるべき「営業」に関しての基本的な考え方

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「ゴトウさん、今度ネットで広告をかけようと思っているんですが、押さえておくべきことってありますか?…」── 昨年コンサルタント起業をされた駆け出しコンサルタントの方からのご質問の言葉です。

さあこれからコンサルタントとして活動するぞ~ということで、まずは手始めに「ネット広告」をやって…というお考えのようで、念のために?ご質問されてきたようです。

昨今ではネット広告が大いに普及したことや実施のしやすさもあって、多くの人が取り組んでいますが、あまり大きな声では言えませんが、なかなか思うような効果が出ない…と嘆いている人も多いのが実情です。

実際、ご相談にお越しになられる方も結構多く、伺ってみると「巷のネット広告のやり方などを勉強してやってみた…」というのがほとんどのパターン。

ちなみに先に断っておきますが、「ネット広告のやり方…として教えられているものがそもそもダメ」などと申し上げるつもりは一切ありません。当然ながら、すべてがまとも…とも言いませんが、しっかりした内容のものもたくさんあります。

ですから、ご相談にお越しいただいた方々にも、「ネット広告のやり方」については、むしろ常に進化しているものだけに、何か細かいことをアドバイスをすることはまずありません。

一方で、必ず確認していることがあります。それは、「何に広告をかけていますか?」という点です。理由は単純です。ビジネス上、売上利益につながるものに広告しない限り、絶対に成果は上がらないからです。

そんなの当たり前でしょう? と声が聞こえてきそうです。実際、ほとんどの人が、一瞬で表情を変えて「何を聞いてくるのかと思えば…」みたいな感じの反応になります。

しかしさらに突っ込んで聞きます。 最もよくあるパターンの一つに、コンサルタントとしてウェブサイトをたちあげていて、そのサイトに検索キーワードの広告をかけて、サイト訪問してもらう…というものがあるからです。そして残念なくらいに、大半がこの問題に陥っているのです。

何が問題か分かりますか?…と伺っても、「???」状態の人がほとんどですし、「みんなやっていることですよ…」との返答。そう、何が問題なのか理解できていなかったりするのです。

「問題」とは、広告をかけてサイト訪問してもらったとして、そこから何がどうなってコンサルティング受注に至るのか…という「導線」が理論や確率で理解していて、それを展開できていますか? という問題です。

要するに、広告をかけて自社サイトに来てもらったら、「何か買ってもらえる…と、勝手な理屈や論理飛躍をしていませんか?」という話です。

語弊を恐れずに申し上げれば、滅茶苦茶に都合よく、自分のサイトに来たらきっと何か契約してくれるに違いない…という、驚くほど自己チューな思考回路をしているのに、本人は気づいていない…ということです。

世の中、認知度の極めて高い大手企業でさえ、莫大な広告宣伝費の大半は「販売物」に対して行われています。いかなる大手企業でもこの原理原則に逆らうことはできません。収益が上がらない限り会社はやっていけないからです。

ですから、自動車メーカーなら売り出し中の自動車に、サービス提供会社であれば主力のサービスに広告宣伝費は使われます。

勘違いしやすいのは、小売店や施設業の場合、「お店全体に広告しているように見える」ことです。これはクリニックや飲食店などにも言えるでしょう。

しかし、大事なポイントがあります。それは来店した際に、明確に購入される商品やサービスがあるという点です。一定の確率で来店客が何かを買ってくれるというという、ビジネスモデルが確立しているのが最大のポイントです。

このことを理解せずに、自分の商売でも一緒でしょ? とか、漠然と「サイト訪問があれば…」くらいに考えて広告を打つと、まさに広告費の垂れ流しが起きます。当たり前ですが、コンサルティングの商品も明確ではなく、そもそもそれをどう契約に至ってもらうかも不明確な状態で、単にサイトに来てもらっても、帰っていくしかないからです。

会社のサイトへの誘致に広告をかけて、そのあとは「きっと自社サイトを巡回して、ウチの商品やサービスの何かを逡巡して電話かメールでもして申し込みをしてくれるに違いない…」と思っているとしたら、これは一度みたら忘れられないほど魅力的な?すごいお殿様やお姫様商法と当社では申し上げています。

大手企業でも、会社のイメージ広告の比率は販売物より少ないのが常識です。お金が有り余ってしょうがない…という企業が、会社の認知やイメージアップのために…として使う広告のやり方を、なぜか「一人商売」のコンサルタントが気づかずにやっているとしたら…。

まず確認すべきは、「自社の確固たる売り物は何か?」「それは、具体的に誰向けの商品で、どんな特徴があるのか?」「その購入のための導線はどうか?」「では、何を最初に案内(広告・販売)するか?」といったことをしっかり定めている必要がある訳です。

これはコンサルティングの体系化をしていない限り、大抵の場合部分最適でちぐはぐになっていたりします。実際、ご本人的には「商品はある」と思っていても、買い手にとっては何を売っているのかよくわからない…というケースがものすごく多いですし、そもそも商品が確立していないことも多々あります。

商品も導線も決まっていない状態で、何か広告をかける…としたら、極めて漠然としたものにならざるを得ません。だからサイト訪問自体に広告をかけてしまうのですが、その結果はもう言うまでもないでしょう。やるべきことが先にある…というのが本当のところということです。

あなたは、自分の商品・サービスを明確にされていますか?導線はしっかり設計、確認できていますか?

著:五藤万晶

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