がんばれコンサルタント! 第535話:コンサルタントが押さえるべき、ビジネスにおけるミクロとマクロの実務

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「ゴトウさん、無我夢中でやっているのですが、目の前のことで本当に手一杯になってしまうものなんですね…」── 先般、コンサルタント仲間と楽しく一杯やっていた時にでてきた話題の一つです。

コンサルタントとして活動開始をされた方の中には、その初期の段階において、ご自分が描いていたスピードが出せずに、本当にじれったい思いをされる方もいると思います。

このことは実際には、コンサルタント商売に限った話ではなく、商売をはじめた方、起業された方に広く共通していて、「何か思い通りなかなか進まない…」という、「実にもどかしい感じ」であり、なんとか早く突破したいと切に思う時期と言えるでしょう。

ではガムシャラにがんばれば早く突破できるのか…と言えば、残念ながらそう単純なものではなく、場合によってはむしろ状況は悪化することも少なくありません。理由は単純です。スタート直後の方の場合、「ミクロとマクロの実務的なバランス」を欠いているケースが結構多いからです。

簡単な話、やりたいことや、描いている夢はしっかりあっても、「それを実現していくためには、どういった順番で何をやっていかなくてはならないのか?」を理解していなければ、具体的に行動することはできません。そして当然ながら、その具体的な行動の「確実な遂行」も絶対的に必要になります。

会社の会議などでは、「〇〇が重要で、これを早くやったほうがいい」といったもっともな意見を言う人がいても、「では誰がやりますか? となった途端に場が静まり返る…なんていう笑い話があったりしますが、こと自分のビジネスにおいて「やらなくてはならないことが分かっていても…」で止まってしまえば、笑い話では済まなくなってしまいます。

自分のビジネスにおいては「誰がやるのか?」で止まってしまう…なんてことは考え難いと思う人も多いかもしれませんが、実際には「思考停止」的に立ち止まってしまう人も少なくありません。

「そもそも自分は何のビジネスをするのか?」という部分において、決めているつもりでも実はしっかり固まっておらず、漠然としていたり曖昧だったりすると、実際に動こうとしてもどう動いていいのかよくわからなくなってしまうからです。

一方で、実務面として何をしていくのか…ということばかりに夢中になっていると、「そこそこ儲かってそれなり…」にはなっても、その後の展開をどうしていいのか、どうやっていくべきか…ということに対して霧がかかった状態のままとなり、ビジネスの伸び悩みということが起き始めたりします。

そもそも何を目指しているのか、何のためにやっているのか、今後どうすべきなのか…、こうしたことは自分のビジネスにおけるマクロの実務として、しっかり定めていないと、骨太な方針や決断をすることができなくなってしまいます。

これはコンサルティングにおいては致命的になりかねません。経営者やリーダー層への指導において、しっかりした考えをもって対峙することができなくなってしまうからです。自分が自分のビジネスにおいて未来へのしっかりした方針もないのに、一体どんな面をさげてクライアントに意見をするのか…という話です。

重要なことは、自分のビジネスをつくり上げていく上での「マクロとミクロの実務」をキッチリ遂行できるかどうか…。要は、「自分がやらなくてはならない大きな方向性をしっかり押さえている」ことを大前提として、その上で「そこに到達するために目先では具体的に何をやらなくてはならないか?」を順番も含めてかみ砕いて、コツコツ実務遂行していけるかどうかが成否を分けていくのです。

やっかいなのは、「傍から見ればやっているように見える」だったり、「〇〇さんと同じようにやっている」といった他人基準は、自分のビジネスの成否には一切無関係ということを、本当に理解しているかという点です。

そう、自分のビジネスなのですから極めて当然のことなのですが、ここの部分が腑に堕ちていないと、「自分事で動いてあたりまえのことなのに、どこかテストで高得点を取るために動く」というような意味不明のことをしてしまいがちなのです。

コンサルティング指導においても、これは同じことが言えます。自分事で自分のコンサルティングビジネスにおけるマクロとミクロを分かっていなければ、当然ながらご指導においても教科書的な指導しかできなくなってしまいます。

だからこそ、コンサルティングビジネスの体系化を通じて、マクロとミクロ、しっかりとした未来戦略と目先の実務を理解して遂行していくことが重要となります。

あなたは、自分のビジネスにおけるマクロとミクロの実務を押さえて活動していっていますか?

著:五藤万晶

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