がんばれコンサルタント! 第595話:コンサルタントが確認すべき、新ビジネス立ち上げにおける大前提
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「ゴトウさん、先日クライアント先で、商品化のことを説明するのに一苦労しましたよ…」── 親しいコンサルタント仲間と、ある案件で打ち合わせした後、一杯やっていた時にでてきた話題です。
なんでも、クライアント先の社長さんが、新商品を開発するにあたってユニークなアイデアはないものか…と、社内で募ったそうで、かなり奇抜な商品の試作品ができあがってきたというのです。
問題は、試作品の段階で結構なお金がかかってしまっているらしく、これには社長さんもいい顔をしていなそうですが、さらに困ったことに「社長が音頭を取って始まったのだし、乗りかかった船だから…」みたいな雰囲気になってしまい、どうにも収拾がつかなくなってしまった…というのです。
お仲間のコンサルタントは、思わず、「そんなことになる前に、ちゃんと話をしてくださいよ…」とボヤいたそうですが、ここは被害が大きくなる前に打てる手は打っておくべきということになり…。
よく、新商品開発とか新サービス開発…といったことを行うとき、「アイデア募集!」と社内またはお客様アンケートなどで声をかけたりして、たくさんのネタを集めてその中から「これは!」というものを選んで…というやり方をすることがあります。
よくあるパターンですし、これ自体をどうこう言うつもりはないのですが、問題は、製品化を真剣に考えていく過程において、「どうやって売るのかを考えているか?」という点です。
もちろん自由な発想、自由なアイデアというのは、「こんなのあったらいいなぁ~」を表現した、とても大切なキラリと光る芽のようなものです。
この最初の段階においては、現実的なことを前提にしているだけに、「小さなアイデアしか出てこない」ということが起きます。現実的なことを前提にすれば、要は現有体制で売れるものしか想定できないため、自ずと既定路線上のものしか出てこなくなるからです。
これは、逆に言えば、奇想天外なアイデアはまず出てこない…ということを意味します。そして、それは経営者が本当に望んでいるようなものこそ、消えてしまうということです。
そう、古参の声が大きい人が、「アイデアはいいが、どうやって売るのか?」などと言えば、センスのある新人が出した可能性のあるアイデアも、「えっと…」と声が詰まって潰されてしまう…ということは、世の中本当にたくさんある話です。
ですから、本当に新しい商品やサービスを考えていく初期段階においては、既存ビジネスにおける制約条件は、無視するとか考えないようにする…ということをしなければ、本当の意味での新商品、画期的なサービス、新たな収益の柱となる事業サービス…などは決して生み出すことはできなくなる…ということなのです。
一方で、開発を進めていく途中の段階に差し掛かる時、やらなければならないのは、「お客様は誰なのか、そのお客様にどうやってアプローチし、どう売っていくのか?」という、極めて現実的なところを、できるだけ短時間かつお金もほとんどかけずに進めなくてはならない…ということです。
理由は単純です。「誰に買ってもらうのか、どう売るのかが定まらずして時間やお金をかけるのは無駄以外の何物でもない」からです。
売れるかどうかわからないのに、金型や設備に膨大なお金をかけて会社が傾いたり、大企業の真似事のような研究開発にお金を垂れ流して瀕死の状態になったり、売れるかどうかを博打のようにやっているようでは到底ビジネスとは言えないからです。
技術や知識、ノウハウ、資格やライセンス…などに偏重してしまうと、この落とし穴にはまってしまうことが珍しくありません。
特に日本の場合、昔から「販売の軽視」が顕著であり、どうやって売るのか?ということより技術こそ重要と言わんばかりに内向きの研鑽に時間とお金をかけてしまって瀕してしまった例は多々あります。
こうした点を考えるとき、さながら新商品があるかのごとくに見込みとするお客様に打診してみる…。ということがいかに重要かは言うまでもなく、事業成長著しい企業は、次から次に新事業、新商品、新サービスを立ち上げていきますが、多くは圧倒的な短時間とお金をかけない立ち上げ前の確認でスタートダッシュをしていっているという事実を理解すべきということです。
あなたは、スタートさせるべきことに対して、何を確認しなくてはならないか…、理解して初めていますか?
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