がんばれコンサルタント! 第629号:コンサルタントとして確立すべき、自分のコンサルティングへの評価と判断基準

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「ゴトウさん、自分のコンサルティングのことを考えていると、もの凄い引っ掛かりと言うか、壁のようなものを感じるんですよ…」── 数か月前から当社にコンサルティングにお越しになられている方の、微妙な感じのお言葉です。

なんでも、ご自分のコンサルティングを考えているとき、「自分が経営者だった時の自分」というものが現れて、壁のように立ちはだかってくる…のだとか。

というのも、この方は、もともと中小企業の製造業の家に生まれた方で、紆余曲折あって家の仕事ではなく全く別の大手企業に勤められて、そこで生産管理や品質管理についての最先端の現場に従事していたところを、晴天の霹靂的にお父上の健康状態の悪化もあって家業を手伝うことに…。

赤字で傾いている会社を立て直すために、様々に手を打ち、さらに会社の根本的な体質を改善するべく、お父上とも方針で争ったりしたそうですが、ほどなくして当時依頼したコンサルタントと相当に揉めたというのです。

それは、コンサルタントと言っても、「作業しかしない人」で、本当に単なる作業人。何もしないし、やらない人だったため、思わずカッとして言ってしまったことが、いまでも脳裏をよぎる…のだとか。

その言葉とは、「お前の能力でコンサルタントなんて言うんなら、俺はスーパーコンサルタントになれるわ!」というもの。

我々コンサルタントからすれば、正直、何とも形容しがたい言葉だと思います。それは、ある意味、「なにそれ? 面白いこと言う社長だね…」と、笑ってしまう言葉と受け止める人もいるかもしれません。

しかし、一方で、クライアントからの実に厳しい言葉として受けとめるとき、「まったく話にならないレベルだと否定された」と、激しく動揺し、自分の人生や仕事ぶりを考えなおさざるをえない衝撃を受ける言葉に聞こえるかもしれません。

人は誰でも、自分の立場で物を考える生き物です。その証拠に、「相手の立場に立って考えてみてください」と、いくら言われても…、当事者になってはじめて「ああ、そうだったのか…」と気づかされることが多かったりします。一生懸命に考えても、残念なほどに「自己中的にしか考えられない」のが、現実なのです。

ビジネスにおいても、物が売れたとき、売れなかったとき、「お客様の気持ちを考えてみてください」と推測してもらったとしても、驚くほどに頓珍漢なことしか思いつかない…という人が少なくなかったりします。

これは、何もコンサルタント業界云々の話ではなく、ほぼ全産業的な話です。人は他人のことを自分事のように考えて行動するということが、「できるようでできない」のが事実な訳です。

そういう意味では、「他人の気持ちが分かる、ということを平気で言う人がいたとしたら、相当な詐欺師と思ったほうがいい」とさえ言えるでしょう。そもそも他人の気持ちを自分事でわかるはずなど、あり得ないことだからです。

このスーパーコンサル…を口走った方は、その何年か後に、「まさか、自分がコンサルタントを目指すことになろうとは…」の訳で、事実は小説より奇なり…なところですが、ご本人いわく「こんなブーメラン、考えてませんでしたよ!!」…と。

ちなみに、ブーメランになるようなことは一般には「良くない」こと、「失言」とされます。政治家でも、過去に言ったことが「ブーメラン」で突き刺さり、「お前が言うな!」的に、咎められたりすることがよくあります。

しかし、この方の場合、ブーメランはブーメランでも、当社では「良いブーメラン」と考えています。

理由は単純です。「自分の言ったことに対して、深く悩み、考え、“どうすれば当時の自分もなっとくさせられるような良い結果をだせるのか?”ということに対して、真正面から取り組もうとしている…」からです。

これは、言葉では簡単なようでも、実際に行うことは本当に大変な取り組みです。仮にお客様が認めて下さっても、厳しい自分である「お前なんて!」という感情がジャッジを下すからです。

当たり前ですが、自分に甘い人がこれをやっても何ら意味がありません。自分に厳しく、可否の判定を正しく出せる人にしか、このジャッジを下す権利はありません。さながら、ひたすら高みを目指す職人の「まだまだ、こんなものでは…」という感覚と言えるでしょう。

自分が経営者として考えていたこと、思っていたこと…を知っているからこそ、「コンサルタントとしてクライアント指導するときには…」と、強烈な品質基準がそこに立ちはだかっている訳です。

だからこそ、一つ言えることは「良いブーメランは、刺さりまくった方がいい…」ということです。

かえってきたブーメランが刺さるたびに、「痛い!」「なんでだよ!」「まったくもう…」といった嘆きに近い言葉がでるかもしれません。

しかし、この感覚は、間違いなくコンサルティングビジネスを進めていく上で、自分を成長させることにつながる、得難い推進力になるに違いありません。コンサルティングをより良いものにする重要な判断基準に伴う痛みだからです。

コンサルタント商売も、数ある商売の一つに違いありませんから、「儲からなければ続けられない」のは言うまでもないことです。一方で、単に金が入ってくればいい…という程度でやっていれば、長続きはできないのも現実です。レベルが低く、成長もしないビジネスに存続を許すほど世の中は甘くはないからです。

コンサルティング商売において「体系化」が極めて重要なことは、この判断基準を持つことにも直結してきます。

本質的な打ち手の構築を考えるとき、必然的に基準も考えざるを得ないからです。これは、単なるお手伝いや作業で相手の顔色を見て…とは、根本的に違うステージなのです。

あなたは、過去の自分と比べて現在の自分はどうですか?
 その判断のよりどころは何ですか?
 自分のビジネスに対する絶対的な判断基準はありますか?

本当に役立つコンサルティングで過去の自分を納得させ、そして多くの経営者をうならせるコンサルタントとして活躍する─── がんばれTさん!

著:五藤万晶

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