がんばれコンサルタント！ 第636号：自分自身のピーク設定の必要性と残された時間に対する考え

「ゴトウさん、そろそろ最終的にやりたいと思っていたことを始めようかと思っていまして…」── 当社ドラゴンコンサルティングが産声を上げたばかりの頃から、何度も酒を酌み交わしてきた親しいコンサルタント仲間の言葉です。

新しいことに挑戦するのが大好きというだけあって、コンサルティングのご指導先にも「業界初の仕組み」「業界初の取り組み」といったご指導がよく行われ、周囲も驚くような成果をあげてご活躍が続く方です。

ちなみに、「最終的にやりたいこと…」とは、あまり詳しくは書けませんが、「寝泊まりもできる相談所」的なもので、海が見える場所で、訪れる人がリラックスしてビジネスの悩みを打ち明けられるようにしたい…とは、以前からと言いますか、出会ったころくらいから伺っていた話です。

そう、ポッとでてきた夢ではありません。長年温めてこられた夢です。コンサルタントとして多くのクライアントと向き合ってきたからこそ、より一層強固な想いになってきているに違いありません。

当たり前ですが、夢を実現させるためには、必要な資金や準備期間を具体的に考える必要があります。逆算が必要な訳です。「いつかやる…」と言っているだけだったり、なんだかんだ悠長に構えていれば、夢が叶わぬまま、時間だけが確実に過ぎてしまいます。

誰もが目の前の仕事が大変で、それをやらないと…と、「言い訳はいくらでもできる」環境にあります。しかし、気がつけば数年が経ち、常に先延ばししているその代償は、いつか「あきらめ」として払わざるを得なくなってしまいます。

起業するのをためらっていたら、いつしか定年も過ぎて老後になっていた…という話は残念ながら、枚挙に暇がありません。

重要なことは、「自分自身のピークを設定をする」という点です。人生のピークをどこに設定するか。それによって、自分の生き方や活動は、まるで違うものになるからです。

我々は、つい「自分はまだ若い」「時間はたっぷりある」と錯覚しがちです。しかし、人生は紛れもなく有限です。ピークを設定せず、ただ漫然と日々を過ごしていると、ある日突然、ゲームセットが宣告されるときが来ます。野球で言えば、気づけば９回。このままでは試合終了、取り返しがつかないという恐怖にも似た感覚です。

若い頃は、体力も気力も有り余っています。徹夜で仕事をしても、翌日にはケロッとしていたり。新しい知識を吸収するのも速い。しかし、年齢を重ねるにつれて、体力も集中力も衰え、新しいことを始めるハードルは上がっていきます。

体力的な衰えだけではありません。責任ある立場になったり、守るべきものが増えたりすると、どうしてもリスクを避けたくなるものです。そして、気づけば「あの時、挑戦しておけば…」と、後悔の渦に飲み込まれてしまいかねないのです。

若い頃の勢いは、確かに素晴らしい。でも、それは永遠に続くものではありません。だからこそ、私たちは「自分のピーク」を意識し、残された時間を最大限に活かす必要があるのです。

一つ言えることは、ビジネスの主体者になることで、みずからのピークを他人に決められないで済むようになる大きなメリットがあります。そして、そのピーク設定は、体力的なものは不可能でも、知力やビジネスの総合力では想像以上に高齢のピーク設定が実際に可能になります。挑戦する者に与えられる特権と言えるでしょう。

世の中に、７０歳や８０歳でも現役の経営者はゴロゴロいます。他人にピーク設定されずに自由に活躍しています。もちろん、コンサルタント商売でも何でも同じです。

ピークを設定することは、単なる目標設定ではありません。それは、自分の人生を主体的に生き、自分の可能性を最大限に開花させるための、確固たる決意表明なのです。

ピークを意識することで、日々の選択が変わります。本当に大切なことに集中できるようになります。それは、自分の人生を悔いなく生きるための、道しるべとなるはずです。

あなたは、自分自身のピークを設定していますか？