がんばれコンサルタント！ 第375話：売れないものに共通すること。これに手をつけない限り絶対に変わらない。

「ゴトウさん、当社のメンバー向けに講演してもらうことは可能ですか？」──　先日、ある経営者の会合でお会いした方からいただいた、お声がけのことばです。

伺えば、数百人以上の登録メンバーがいる団体を運営されていて、その活性化の一環として、様々な講演も企画開催されている…とのこと。

メンバーの方々は、皆さん現場知識やノウハウをお持ちで、さながら専門家集団になっている感じといいますから、ある意味素晴らしいことだとお話に耳を傾けていました。

ある意味…と少し冷めてお話を伺っていたのには、当然理由があります。そのカンが的中というと語弊がありますが、やっぱり…と思ったのは、登壇話の後半にきてからです。

「ゴトウさん、実はですね、メンバーの大半が食べれていないんですよ…。だから、どうすれば食べれるようになるか、そんなヒントを話してもらえれば…」

お話を伺っていて、メンバーさんの知識や経験、ノウハウのすばらしさ…というのは伝わってきていましたが、職業柄、「だからこその違和感」が増幅していただけに、「あぁ、やっぱり…」と残念ながら感じてしまったわけです。

なにが違和感だったのか、実に単純です。知識や経験、ノウハウといったものは極めて重要ですが、どうやって売るか…は、もっと重要だからです。

事の好き嫌いは別として、簡単な話、凄腕の人を知っていれば、売る力がある人ならいつでもブローカー商売を始めることはできます。逆に言えば、どれだけ凄腕があっても、売ることができなければ単なる宝の持ち腐れというのが悲しい現実なのです。

断っておきますが、知識や経験、ノウハウ…といったものを軽んじたり、バカにするつもりは一切ありません。むしろ、当社はそうした独自の無形ノウハウを、どうすれば納得のいく有利なビジネス展開に結び付けられるか…をひたすら説いています。

申しあげたいことはシンプルです。「販売力を伴わない知識やノウハウ、アイデアなんぞ、単なる寝言にすぎない」ということです。

美しい戯れ言をどれだけ並べようとも、自分が積み重ねた知識や経験、ノウハウを買ってもらわない限り、１円にもならないのが現実です。そこには勇気も根性も夢物語も一切ありません。必要なのはたった一つ、売れるようにする営業力、販売力こそ重要なのです。

だからこそなのです。売れるようにするにはどうすればいいか…。そもそも、自分がもっているとしている無形のノウハウは、売りやすいカタチになっているか…。営業はどうやっていけばいいのか…。

これこそが、知識や技術、ノウハウ…を重視してきた人たちに、ある意味共通する大きな弱点とも言えます。知識や技術、ノウハウ…などをしっかり高めていれば、きっと仕事がたくさん舞い込んでくる…という夢物語です。

残念ながら、超がつくほどごく一部の人に例外はあるとしても、圧倒的大多数の人には、ブローカーがいなければ飯が食えない…という悲しい現実がやってきます。なぜか？ 「自分が商売の主体を放棄している」からに他なりません。

商売とは営業を伴う売る活動であり、顧客をつくっていくことです。それができていなければ、常に誰かに売ってもらわなければならないため、結果としてそこに従属することになり、その結果、主体を失うのです。それ以上でもそれ以下でもありません。実にシンプルな話です。

この単純な現実を前に考えれば、自分の知識や経験を活かし、報われる大きな稼ぎを実現しようと考えるなら、そこに必要なことは、「売りやすいカタチをつくり、売っていく方法と努力の仕方を身に着ける」ことに尽きることが実に自然と分かります。

あなたは、自分が積み重ねてきたことを、報われるカタチで仕事をしようとしていますか？

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