がんばれコンサルタント! 第107話:脱サラして、コンサルタントを始めるときの注意点
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第107話:脱サラして、コンサルタントを始めるときの注意点
「五藤さん、脱サラを考えているんですが、あるマーケティング系の先生のノウハウを学んでいて、それを基にしてコンサルティングを行っていこう考えているのですが…」── 先日、ご相談にお越しになられた、コンサルタント志望の方からのご質問です。
本物のコンサルタントとして、強く長く活躍するためには、当然ながら「実力」がなければ、その願いが叶うことはありません。これは誰にもわかることだと思いますが、問題は、この「実力」という言葉の意味が、想像以上に曖昧に理解されている点には注意が必要です。
「実力」という言葉の意味を調べてみると、「実際に備えている能力」だとか、「本当の力」、「目的を果たすために実際の行為・行動で示される力」…といった説明がされています。
読んで字の如く…と言ってしまえばそれまでですが、これをコンサルタント業にあてはめた場合、知識やノウハウ、手法、法則、分析力、ルート、ネットワーク、経験、判断力…といったものとして捉えられることが非常に多くなります。
実際、知識や経験、ノウハウ…がなければコンサルティングの現場において何かを聞かれても答えることはできませんし、指示もできません。ですから、こうした様々な「力」を複合的に、総合的に持ち合わせていなければやっていけない…ということは間違いありません。
しかし、もう一点、極めて重要なポイントがあることを忘れてはなりません。
それは、クライアントに「答える」だけなら知識や形式…などの丸覚えで済みますが、クライアントに「応える」ためには、独自のノウハウを醸成した本物の力を備えていない限り不可能…ということです。
この、「答える」と、「応える」の違いを、皮膚感覚で理解していなければ、コンサルタントとは名ばかりの、「分析屋」であったり、「ビジネススクールの先生」、「書類手続きの人」、「評論家」、「実技指導員」、「説明係」…といった、コンサルタントとはまったく違う職業になってしまいます。
クライアントに「答え」られることは重要です。「やるべきかやらないべきか」、または、「この場合、どちらを選ぶべきか…」、「現在、どういった状態なのか…」といったことに対して、的確な答えを誰もが欲しいという時があります。
しかし、コンサルタントに要求されていることは、「答え」で済むようなレベルではないのです。
コンサルタントに要求されていること、それは、「実力主義」や、「実力があるのに…」とか、「実力以上の…」といった言葉を聞いたとき、その言葉の先には「成果」という言葉が自然と読み取れることからも、「実力とは成果をあげる力」ということが分かります。
要するに、「期待に応える」というのがコンサルタントの仕事ということなのです。しかし事がさらに難しいのは、いかなるコンサルタントでも、100発100中で成果を出すということは、残念ながら不可能という点です。
もし、100発100中で成果を出せる、という場合、これは間違いなくコンサルティングという名の、「作業」であったり、「実技指導」であったり、「分析」であったり、「解説」、「説明」…が行われていると考えて間違いありません。つまり、本来のコンサルタントの仕事に応えているとは言えないのです。
コンサルティングとは、特に法人向けで考えれば、売上を作る仕組みだったり、新たな事業の立ち上げだったり、新しい販売手法の構築だったり、社員が急成長する体制だったり…と、経営者や企業が考える新しい仕組みづくりであり、その先の成果が期待されていることが大半です。
こうした高度なレベルの要求に対して、どこかで習った付け焼刃の知識やノウハウで仕事をしようとするとどうなるか…ということです。
もちろん、できるだけ高確率で成果を出さなければ、成果の上がる本物のコンサルタントにはなれません。しかし、プロスポーツ選手でも、100%期待通りの結果を出すことが不可能なように、我々もそのことと真摯に向き合わなければならないということです。
大切なことは、クライアントに対して「応える」ということを、考えることです。つまり、成果に対して全力を尽くす、しかしそれでも成果が出せないこともある…という現実に対して、どう向き合うか、またクライアントにどう応えていくか…。
「答え」には正解がありますが、「応え」には正解はありません。
このことを真に理解するとき、人間性に対する考えが生まれ、そして、「学習したものでコンサルティングをする危険」に気づきますし、自ら培った経験、知識、ノウハウから導き出された独自のモノでない限り、本物のコンサルティングを行うことなど到底不可能…ということに至るのです。
弊社が、独自のコンサルティングに徹底的にこだわる理由はここにあります。
あなたは、クライアントに「応え」ようとしていますか?
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