がんばれコンサルタント! 第161話:5年後に驚くほど差がついてしまう理由

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「ゴトウさん、ある業界で有名なコンサルタントの方って、本当にその業界でナンバーワンのノウハウをお持ちなんですか?」── 先日、コンサルタントとして5年ほど実績のある方が、弊社にご相談にお越しになられた時のご質問です。

実は、これに類似するようなご質問、話題というのはよく上がるテーマの一つです。駆け出しの方の場合、「自分は、実績がほとんど無いので、とても他のコンサルタントと勝負にならない気がするのですが…」といった逆の意味で、不安の言葉になって表れてきたりします。

一方で、サラリーマン時代から含めて、多くの経験や実績はあるのに、なぜか鳴かず飛ばずでイマイチ売れない…という方もいます。

当然ながら、コンサルティングのテーマ設定や対象、活動内容や極端な話、社会情勢といった流れ、さらに時の運…なども含めて、様々な理由が考えられますので、一概に活躍が進まない原因を特定することは難しいでしょう。

しかし、最初はほとんど同じくらいの位置でスタートした二人が、数年後には大きな差になっている…ということは、実際によくあることですし、仕事柄これまでに何人も目にしてきました。

「大きな差」と言っても、よく言われる「何万部売れた」「テレビや雑誌に出た」といった表面的な露出が上がることを言っている訳ではありません。

コンサルタントの仕事は、クライアント企業のお手伝いですから、簡単な話、「クライアント先、何件仕事しているんですか?」に集約されます。これ以外で、どれだけ目立っていても、本業で活躍していなければ、危ういということです。

もちろん、ご本人がタレントでも目指しているのであれば、これはこれで正しい戦略です。ただし、媒体や仕掛け人からすれば「単なる一商品」に過ぎないことも、忘れてはならない現実です。

企画側からすれば、売れそうな商品をその時たくさん売って収益をあげようとするのは、極めて自然のことです。逆に言えば、旬が過ぎれば二束三文になりますし、誰も扱わない…ということです。

もし、自分が本物のコンサルタントとして活躍することを考えるなら、一時的な商品として目立つのではなく、石垣を築いていくが如く、一歩一歩着実にビジネスを展開していくことが重要なことは、経営者的視点に立てばスグに分かることです。

このことは重要な意味を持ちます。経営者と相対でコンサルティングできる人とは、たとえ規模は最小であっても、経営者として優れし一人でなければ、事業の大切な案件を預けることなど、ありえないからです。社長は優れた経営者に一目置くからです。

自分が経営者として、どうビジネス展開していくのか…という重要な戦略すら考えず、ただ単に割のいい仕事にありつくといった程度で考えているとしたら、表面的な旬が過ぎたらどうなるか…ということです。

5年、10年で驚くほどの差がついてくるのは、一過性ではなく戦略性の現れです。この根本的な違いを分かつもの、それこそが心の姿勢であり、それを邪魔するものこそ、薄っぺらいプライドなのです。

本当に多くの企業から請われて、大きく活躍するコンサルタントとは、まず、自分だけの独自のコンサルティングを持つことに注力しています。何でもいいから仕事がくるためにどうすればいいのか…という考えとはまるで逆です。メディアに映ればいいという考えても正反対です。まず、足場を徹底的に固める発想です。

独自のコンサルティングを築くことは、体系化に時間もかかりますし、なにより精神的な辛さが伴います。しかし、その熟成させる工程を経ずしてコンサルティングを行うということは、言ってしまえば経験に基づいたカン、思いつきや運で対処することになります。

深い思考、熟慮を伴わないノウハウとは、何かのきっかけでもろく崩れ去ります。1年、2年の短距離走ならいざしらず、5年後、さらに10年後には驚くべき差がついていくことになります。しかもこの差は、時間と努力に正比例するため、絶対に取り返されることがありません。

一年でも半年でも早く、しっかり始めた人が必ず有利になれる、極めてまっとうな道です。自分の人生を本気で活かすことを考える人のための、王道とも言えるでしょう。

本物のプライドとは、本当に必要なことに忠実になれること、本当にやるべきことにまっ正面から向き合えることです。その心の姿勢に揺り動かされ、本物の活躍の場をクライアント企業の経営者が与えてくれるのです。

誰もがコンサルタントになれる訳ではありません。
 しかし、仕事の現場で10年以上一生懸命にやってこられた方なら、必ずといっていいほど、活躍できる実務ノウハウを秘めていると、これまでの経験上断言できます。

誰でもできることをてっとり早くやるのか、自分にしかできないことをじっくり煮詰めて確実に広げていくのか…。

あなたはどちらの道を歩きますか?

著:五藤万晶

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