がんばれコンサルタント！ 第178話：コンサルタントにとって、タダほど高くつくものがない理由

「ゴトウさん、契約が取れなくて困っているんですが、何かいい方法ありませんか？」── 先日、ある経営者の集まりに参加していた時、コンサルタントをやっているという人と出会った時の言葉です。

聞けば、知人がコンサルタントをやっていて、かなり稼いでいるのを見て自分もコンサルタントになろうと独立。見よう見まねでウェブサイトを作ったり、セミナーをやってみたりするも、ほとんど反応がない…ため、うまく行っている知人に何度も「どうやったらいいのか？」と聞いてきたが、どうも上手く行かない…とのこと。

たまに「相談」が入って、丁寧にアドバイスをしても、「ありがとうございました～！」と感謝されるだけで、食事や飲み代はご馳走になっても、全然売上にならない状況とのこと。

頼みの綱だった、独立する際に顧問先になってくれた、前職時代の営業先だった会社からも契約を打ち切られ、「なぜ切られたのか、なぜ上手く行かないのか、訳が分からない…」と。

いろいろ話を聞いていたのですが、一つ気になったので伺うことにしました。
　「知人のコンサルタントの方に、お金は払いましたか？」── 確認すべきと思った、こちらからの質問です。

「えっ？ お金ですか？ 知人だし、どうやっているのかを聞くのに、お金を払う必要があるんですか？」

なるほど。恐らく、このコンサルタントを目指している人は、自分が発している言葉が、どれだけ愚かなことか、まったく気づいていないのでしょう。なぜなら、「なぜ上手く行っていないかは、この言葉に完全に集約されている」からです。

理由は実に単純です。「智恵や相談にお金を払わない人」もっと言えば、「智恵や相談がタダ」だと思っている本人に対して、一体誰が相談料としてお金を払うのか…？ ということです。自分は払わないけれど、貰うものはもらう…ということなど、絶対に不可能なことぐらい小学生でも分かることです。

ゴルフでもそうですが、特に最初のときにプロに習った人と、自己流で適当に始めた人とでは、その後、驚くほどスコアが違ってきます。本当にゴルフが上手くなりたいなら、最初はプロに習うべき…とは、圧倒的に多くの人が口にする言葉です。

さらに、本当に伸びる人は、傍から見ればもう十分では？ と思うような状態であっても、さらなる高みのために、プロを付けたりします。

先日も、安定してシングルで回りたいから…と、７０台で回る実力があるのに、今でもプロに見てもらっているという経営者と会いましたが、ビジネスでもまったく同じです。

「ちょっと良ければいい」といったレベルならともかく、自分が想い描く素晴らしいゾーンに入っていくためには、自分の知っている知識や世界、智恵やノウハウ…だけでは、明らかな遠回りになっていることを知らなければなりません。

言うまでもなく、経営において最も貴重な資源は「時間」です。お金なら借りることもできますし、人手なら頼めばなんとかなります。しかし時間だけはそうはいきません。

特にコンサルタント業においては、お店や建物、商品や物的なサービスなどが無いため、傍から見れば何がどうなっているのか「見えない」ビジネスです。成功させていく智恵やノウハウは、５年、１０年かかるところを１年に縮めてくれる、まさに「時間を短縮」させてくれる、極めて重要な資源なのです。

智恵やノウハウによって時間を買うことができる…。そのことを本当に理解している人は、自らのビジネス成長のために、お金を払ってさらなる成長と収益を手にします。それこそが、究極の投資であり、善循環だからです。

タダで手に入るものは、所詮タダ程度。
　あなたは、自らのビジネスのために、しっかり投資をしていますか？

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