がんばれコンサルタント！第180話：伸びるコンサルタントと、低迷するコンサルタントの違い

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「ゴトウさん、要するにセミナー開いてクライアントを獲得すればいいですよね？」── 先日、ある会合に呼ばれて登壇してきたのですが、その後の懇親会でお話をしていたときのお言葉です。

恐らく、特に深い意味を込めて発言された訳ではないと思うのですが、一方で「大丈夫かな…」と感じてしまったのも事実です。

というのも、実際によくある話なのですが、「それ知っています」とか、「この順番にやればいいって聞きました」「それは○○さんの本に書いてありました」…とった反応を示す人が、意外と多いからです。そして、そうした人に限って見事なまでに苦戦するのです。

理由は単純です。「子供のおつかい」のように、言われたことやメモに書いてあるとおりに動けばいい…といった単純な思考レベルでは、まるでお話にならないからです。

「作業」は単純化して教えることができますし、単純化することで無駄が省かれ、より精度が上がります。理解も早くなるメリットがあります。しかし、この方法を戦略レベルでも使おうとするところに問題がでてきます。言ってしまえば、子供の思考レベルなのに、プロの世界で戦おうとするようなものです。

当然ですが、大きな方向性を見据えることや、少なくとも数年単位で戦略は考える必要があります。「なぜ？」や「そもそも…」、「前提条件」「根本的に」…といった深い熟慮を伴うことに対しては、表面的な単純な言葉を額面どおりに捉えても、千変万化する現実のビジネスの世界では、まるで歯が立ちません。

さらに、上手くいかない人に共通するもう一つの点は、「すぐに飽きて違うことを始める」ということです。

ビジネスにおいて、現在行っている「活動や取り組みの意味」や、「どうすれば効果が上がっていくのか」といった継続した熟慮は、絶対的に重要です。

これが分かっていない、または考えていなければ、ただ単に「チラシを作って撒いている」「名刺をつくって配っている」「ホームページつくって案内している」「セミナー開いてがんばっている」…となります。まさに表面的な活動に終始するだけで、成果など望むべくもない…ことになります。

ただし、本人的には「同じようにやっている」とか、「書いてあるとおりにやっている」、「聞いたとおりにやっている」…と考えている訳です。このため、すぐにまた違う「おつかいのメモ」を探してきてその指示どおりやろうと始めます。

極めて重要なことは、「経営において、単純化した指示書で成功する世界など、絶対に無い」ということです。必要なことは、「千変万化に対応できる、本質を見極める優れた思考軸をつくる」ということです。

コンサルタントの仕事は、自分の専門領域において経営者をリードすることですから、本質的なことを自分が理解していなければ、とてもではないですがコンサルティングなど、夢のまた夢となってしまいます。

大切なことは、突き詰めて考えていく思考と、子供のような情熱で活動を続ける…ということ。偉大な経営者や偉人たちが、総じて子供のような心でエネルギッシュなのは、それが最も成功する方法だということに他ならないからです。

あなたは、寝ても覚めても考える思考と、子供にも優る情熱で挑んでいますか？

著：五藤万晶

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