がんばれコンサルタント！ 第183話：コンサルタントが押さえておくべき正邪の分岐点

「ゴトウさん、そろそろホームページを刷新しようと思っているのですが、ちょっと見てもらえませんか？」── コンサルタントとして１０年以上やってこられている、ある業界ではNo.1クラスの方からのご相談です。

一般にウェブページについては、ウェブ専門のコンサルタントという方々が世の中にはいますので、そういった方々にご相談になるのが普通です。

しかし、このコンサルタントの方は、「技術的なことやテクニックなどはそうした方に聞けても、コンサルタント業としてのポイントがやはり重要だと思いまして、ドラゴンに…」とのこと。

伺えば、「何かどうしも変えてはいけない気がする部分があるけれど、それをウェブ業者さんと打ち合わせをしていると、“古い”と言われてしまって…」と。

具体的にその部分やお考えを聞いてみますと、なるほど…、モヤモヤされるのがよく分かるのです。ひっかかる部分とは、ズバリこのコンサルタントの方がこだわり続けているブランド性を表現する言葉。

具体的な単語はここでは避けますが、長年、自分がコンサルタントとして、いやそれ以上にビジネスマンとして誇りをもって仕事をするスタンスとしての言葉があり、それは確かに一見すると「いつも変わらず同じフレーズ」「なんとなく古臭い感じがする」「もっと短期間にバーンと見える方がいい」…などと言われてしまいがちな単語なのです。

ただし、怖いのは、特に目先の売上を追っかけたり、物事の本質をよく理解していなかったり、長期戦略でブランドを作っていくことの意味が分かっていない…場合、「新しさと邪道」の違いすら理解できていない場合が大半ということです。

要するに、ベースをしっかり押さえた上でのしっかりとした斬新さや新奇性というのと、見た目や表面だけを新しく装っているだけのものとは、まるでレベルが違う話ということです。

重要なことは、仕事を依頼する相手や組む相手が、この程度のこともよく理解していないとしたら、いったいどうなるのか…ということです。

自分の土俵を築いていく…ということは、これは紛れもなくブランドを築いていくことと同じです。自らのコンサルティングビジネスにおいて、長期戦略をもって、そして少しずつ確実にその力を高めていくことが、何よりも重要です。

このことを理解していないと、一過性の売上やヒットを追い求めることに終始します。基本もできていない、基本を大切にすることもない。うわっついた考えでビジネスの成功を狙ったものになっていないか…。

最も大切なことは、「基本と本質を押さえた上で、新たな発想や試みで斬新さを打ち出していっているか…」という点です。表面的な奇抜さやテクニック、パフォーマンス的な部分だけで、新しさを演出している場合、間違いなく長続きすることはありません。

理由は単純です。基礎がしっかりしていない建物など、地震が一度きただけですぐに倒壊してしまうのと同じです。どれだけ見てくれが良くても、本質的にしっかりしたものでなければ、強く永く残ることはなく、世の中に価値を残すことなど到底不可能なのです。

難しいのは、古さと王道の見分けです。自らは王道と信じていても、少し間違えば古さになっているかもしれない…。しかし一方で、単なる表面的な新しさを狙ったとき、必ず安っぽい間違いの手を打ってしまうのが、繰り返され続ける過ちなのです。

先人に学ぶのは、決して技術やテクニック、知識や技能…といったものだけではありません。考え方や哲学、思考…といったものにこそ、王道を歩むための確かな道しるべがあるということは、これこそ、多くの先人が示していることと言えます。

あなたは、先人の思考や哲学に学んでいますか？
　そして、王道を歩もうとされていますか？

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