がんばれコンサルタント! 第213話:創業が上手くいくコンサルタント、失敗するコンサルタントの違い

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二流は動かない為の屁理屈をこねる。一流は動きだすための屁理屈をこねる。

 

「ウチのセガレがね、なんだかんだ言っては新しいことをやらなくてね~、いい話を聞いていても本当にもったいないよ…」── 先般、経営者が500人以上集まる大きなセミナー会場にてお会いした、創業経営者の方のお言葉です。

30年近く前に創業され、事業を拡大。今は息子さんに経営をバトンタッチしようと経営セミナーに一緒に参加されていたのですが、父親経営者いわく前述のとおり「はがゆい」…という感じ。

この経営者向けセミナーでは、実に様々な方が登壇されていたのですが、とにかく感じ入ったのは、時代が大きく変わっていっていることと、若き次の時代を担う経営者のなんとも破天荒な話。

中でも、創業時の話、大ピンチに陥ったときの話は、聴いていてもまさにハラハラドキドキ!

ご参加されている経営者の方々も、皆大きく頷いたり、笑ったり拍手喝采になったり…。場内が一つの空気につつまれ、賑やかさと何か張りつめた様相を呈していて、独特の空間が生み出されているのが感じられて…。

なぜこのようなことをお伝えしているのか…と言えば、多くの年配経営者がよく言うことですが、「オレの時代には…」とか、「オレはこんなにやって…」というセリフが普段、無視されている…ということです。

たとえば、巷では「時代が変わっているのに、昔話を…」とか、「いちいちウルサイなぁ…」といった、感じで「年寄りは本当に面倒くさい…」的な語り口調で「片づけられる」…という点です。

確かに、ああでもない、こうでもない…と、面倒くさい自慢話?を聞かされたら、誰だって「うるさいなぁ~」と思うかもしれません。ですから、こういう反応がでてくることは、ある意味当然とも思えます。

しかし、その中にも一つ見過ごせない問題が一つだけあります。それは、「言い訳」として使われている時です。理由は単純です。言い訳していること事体に本人も気づいておらず、本質的に問題が根深いからです。

事実、先ほどの会場で拍手喝采になったセミナーですが、実に面白い反応が…。というのは、むしろ若い人ほど拍手は無く、会長?という思える年配の方ほど、「面白い!」と激励していたのが目立っていたことです。

何を申し上げたいかと言えば、「やらなければ、結局何も分からない」という点です。年配の創業社長の絶対的に優れている点は、「自ら業を興してきた…」ということです。このことは、やったことがない人には絶対に分からない…ということです。

コンサルタントの人の中には、分析やアドバイスがもの凄く重要…といったことや、資格を取ることが何か商売的に大切…と考えている人が多いのですが、そもそも論として、「商売とは、お客様をつかんで売上を上げること」という、もう根本原理的なことが、すぽーーんと、抜けている人がビックリするくらいに多いのに、驚かされるのです。

伺ってみると、一応それはそれで言い分があるようで、「お金だとか、そういうのを目的にしていないので…」といった返事。こうした返事がくると、いつも思うことがあります。「では、あなたのコンサルティングやアドバイスは、一体、何のために行っているのですか?」…と。

どれだけ何と言おうとも、経営者に指導するコンサルタント業をまっとうしようとするなら、商売上手でなければ話にならない…ということです。

要するに、訳が分からない屁理屈とは、「自分が結局やらないための言い訳」であり、それをどれだけ、百万回言ったところで、絶対に正当にはならない…ということです。

一方の、周囲が驚くほど、飛び越えてきた人というのは、「なぜ、それを超えれたのですか?」…という問いにも、「う~ん、超えたかったから!」的な、意味不明の言葉を返してきます。

この言葉を意味不明と捉えるか、「さすが、経営者ってそういうもの…」と捉えるかは、想像を絶するほど違う…ということです。

翻って冷静に考えるとき、自らが「経営者に何か経営的なアドバイスを本気で考える」、「自らの人生を活かしたコンサルティングで大いなるビジネス展開をする」…といったことを考えるとき、そこには、「理屈を超えた原動力=やってみようという屁理屈」というものが存在しない限り、初めの一歩は決して踏み出せないし、経営者に何かを指導するといったことは、決して実現しない…ということです。

すべてを準備して、すべてを整えて…。気持は分かるのですが、二世・三世の経営者が確率論的にどれだけひ弱になっていくかを考えるとき、最も重要なことは、「飛び込む勇気」こそが、ビジネスを成功させる最大の要因だということがハッキリしてくるのです。

それを実現するロジック(論理的説明)は、たった一つです。
 優秀なあなたが、なぜ動き出さないのです? なぜ一歩を踏み出さないのですか?

世の中、抑制の言葉は山ほどあります。大切なことは、動きだす自分への言葉です。あなたを起動させるフレーズは何ですか?

 

 

 

著:五藤万晶

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