がんばれコンサルタント! 第31話:根源に、働くことは美徳という思想があるか。

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第31話:根源に、働くことは美徳という思想があるか。

 社員を道具や歯車の一つのように扱う会社がある一方で、仕事を何か「苦役」や「懲役」のように考え、働くことを最小限にしようとする人が、やたらに多い会社があります。

 こうした会社は総じて業績が悪いもので、労使関係で大きな問題が起きている会社にありがちです。共通することは、「働くことは美徳」と考えていない点です。

 たいていの人は、一日に8時間は仕事をしています。24時間の内、睡眠時間を引いて、まともに起きて活動をしている時間を考えれば、一日の7割方を占めているのが普通です。

 「そうそう、だから、できるだけ労力を減らして…」と考える人もいるでしょう。「そういう輩に給料を払うんだから、サボらないように徹底的に管理して働かせないと…」と考える会社もあるでしょう。

 一方で、大学を出て働いて、定年退職まではざっと40年間。平均寿命を80歳とすると、働いている時間は人生の半分しかないのに、豊かに生きていけるか不安…という考え方もあります。

 しかも、仕事をしている期間でも、年間ざっと3分の1は休日です。常識的に考えて、これで老後に何もせずにノンビリ暮らそう…なんてのは土台、無理な話というもの?

 この疑問に立つとき、仕事をしないと生きてはいけないけれど、「人生の大半を占める仕事というものが、生き甲斐となって楽しいものであれば、やる気はでるし、お金も増えるし、幸せをより一層感じられる…」という考え方がでてきます。

 定年延長の話が新聞によく載っていますが、働くということに対して、根源的な部分でこうした思想がなければ、企業にとっては雇用期間が長くなるだけで、活力をそぐ制度ができあがる懸念があります。しかも、働く人も遣り甲斐を感じずに、漫然と働くとしたら、双方、何の得もありません。

 こうした問題を考えるとき、国や会社でまず浸透させるべきは、「働くことは美徳」という正しい思想です。この思想なくして、皆が仕事に遣り甲斐を感じて一生懸命に働き、会社が成長して社会が良くなっていく…という善循環は起きません。

 振り返れば、日本にはもともとこの思想がありました。子供には子供の仕事が、年寄りには年寄りの仕事がありました。水汲みは技術の鍛錬や難しさはない変わりに労力が必要です。ただし、桶一杯に水を汲めば重くても、ちょっとずつなら運べます。子供の基礎体力を養うという一面もありました。

 重労働の農作業が大変になった年寄りには、ワラで草鞋(わらじ)を編むような仕事がありました。力はいらないけれど、熟練の技が活かされる仕事です。他にも過去からの言い伝えや知恵を若者に伝える重要な仕事がありました。

 村社会には、「働かざる者、食うべからず」という言葉と同時に、「一人一人に役割があり、活躍すべき場所がある」という考え方もあった訳です。

 この考え方は、戦後欧米からの、「働くことは贖罪」的な思想の植え込みと、工場ライン型労働の広がりにより、仕事が均質化・一律化され、ひどく壊されてしまいました。

 年金制度の本質は、そうした均質化した社会体制における労働者の老後の救済が真の目的だったのですが、 いつのまにか「権利」にすり替わってしまっています。

 しかし、成熟した現在の日本においては、均質化した制度で8割をカバーできる時代は終わっていますし、実に多様な働き方や制度、仕組みが実現できる時代になっています。

 できるだけ働かずに余暇をエンジョイ…という人には、どこか子供じみた稚拙さを感じます。働くことの楽しさ、役立つことの素晴らしさをしらず、またその意義も考えようとしていないと言わざるを得ません。

 企業も、仕事の素晴らしさを伝える必要があると同時に、魅力的な未来戦略や、奥行きのある仕事の用意が欠かせません。これらは、「働くことは美徳」という根源的な思想なくしてできることはなく、その思想は事業戦略はもとより、販売体制、評価制度、採用…といった事業の様々な制度や仕組みに現れてきます。

 皆がワクワクするような事業ビジョンが示され、仕事に遣り甲斐を感じて全力を尽くして喜びを感じる社員がいる会社に衰退はありません。 社員は、仕事を人生修養の場と捉え、大きな人間的な成長を遂げていきます。

 事業を強く、長く成長させ続けていくためには、「働くことは美徳」というこの根源的な思想こそ本当であり、この経営者の思想を支えるのがコンサルタントの仕事です。それなくして行われる「こうすれば上手くいく…」といった施策、コンサルティングは、 すべて、上辺だけのテクニック論だということを知らなければなりません。

著:五藤万晶

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