がんばれコンサルタント! 第344話:コンサルタントが押さえておくべき、事業を成長させる基本原理

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「ゴトウさん、どストライクの質問で恐縮ですが、商売繁盛の鉄則って何かありますか?」── 先日、ご相談にお越しになられて、終了後にコンサルタント仲間で一杯やっていたときに出てきた話題の一つです。

当然ながら、「商売繁盛の秘訣とか、鉄則」といったものに対して、コレ!とは、偉大な事業経営者でもなかなか言いきれるものではないでしょう。

企業によって、経営環境も違えば持っている資源もまるで違います。特徴も持ち味もみんな違います。ですから強いていうなら「その企業が持つ強みを活かすこと」といったくらいでしょうか。

ただし、言い切ることは極めて難しい…と、百も承知の上で、もう一点、極めて重要な視点といいますか、ポイント的なものがあるということは、これは当社で関わる方々には常々、申し上げています。

それは何かといえば、「ビジネスの焦点を、未来に合わせる」ということです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実は非常に難易度も高く、そして「すぐに忘れやすい」視点とも言えます。

これまた理由は単純です。「未来に焦点を合わせる」と、言葉ではわかっているつもりでも、その本質、すなわち「未来の顧客に焦点を合わせる」ということを実施している人は、意外なほど少ないからです。

なぜそのようなことが言えるのか…といえば、「未来の顧客に焦点を合わせる」とは、それは「新しい市場、新しい顧客を開拓していく」ことだからです。

当たり前の事しか言っていません。しかし、自ら顧客開拓を意図して行っている人が、いかに少ないか、そして新たな需要を生み出していっている人が、いかにすくないか…ということです。

需要がありそうなところを必死に探し回っている人の思考パターンとは、現在の顧客だけをみて探し回っているのと基本的に同じです。

このことを、語弊を恐れずに申し上げれば、「新しいことを展開していく」と言ってもそれは「販促レベル」の違いだけで、すでに存在している需要を探してそれを奪い合いしているだけ、ということです。

ベンチマークと称したり、上手くいっているところを参考に…とはキレイな言葉ですが、要はモノマネやパクって同じようなことをやっているところがどれだけ多いか…は、周囲を見渡せば嫌というほど見つけられると思います。要するに、それだけ知恵もアイデアも、考える力すらないということです。

こともあろうに、そうしたパクリやモノマネを推奨する自称コンサルタントもいるほどですから、そうした人は、知的ビジネスをしているというよりは、「恥的ビジネス」と言い換えたほうがいいのでは? という人もいるくらいです。

冷静に考えて、世の中同じ店、同じ商品、同じサービスばかりになって、あなたは嬉しいですか? ということです。10年経っても20年経っても、何も変わらないお店。サービスも何も進歩していないお店。

ある意味、ノスタルジーとしては分からない訳ではありませんが、進化が起きない世の中とは、それはすなわち「停滞している」ことを意味しており、それは「確実に世の中から遅れていっている」ということです。

その遅れとは、地域や市場、ひいては国レベルでも起きます。普段、街中を歩いているときはあまり感じませんが、国同士でも熾烈な競争をしているのが、この世の現実だからです。

こうした極めて当たり前の現実を厳かに考えてみるとき、真に商売やビジネスやコンサルティング…に必要なこととは、「新たな価値をつくる」「新たな市場をつくる」「新たな顧客をつくる」…ということにつながることがハッキリしてきます。

事実、世の中で事業を突出して成長させてきた企業とは、ITでも自動車でも住宅でも食品でも、飲食でもサービス…でも、間違いなく「新たな価値を作り出し、新たな市場をつくり、新たな顧客を作り出す」ということを実現してきた企業だからです。

翻って、そうした企業、会社、お店…を、自分の得意分野や専門分野で、成長に導く役割のコンサルタントは、現在の顧客をみることはもちろんですが、まだ見ぬ未来の顧客に照準を合わせ、それを具現化して実際にご利用いただけるようにお手伝いしていく…という思考が絶対に欠かせないということです。

商売、ビジネスにおいて、競争が激しくて…とか、市場が停滞しているから…とは、それは「未来の顧客を見ていない」証拠とも言えます。

この視点は、そのままあなた自身にも返ってくることです。あなたが、誰でもできること、世の中に山ほどあること、普通のこと、代替がきくこと…に照準を合わせていれば、一体どうなるのか…ということです。

あなたの人生を本当に活かすのは、あなたがこれまで積み重ねてきた知識や経験を、独自性のある塊にし、それをクライアントに新たな価値として提供することです。

あなたは、まだ見ぬ未来のクライアントを考えて決断、行動をしていますか?

 

著:五藤万晶

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