がんばれコンサルタント! 第368話:本物のアイデアが沸いてくるようにする、たった一つの方法

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「ゴトウさん、いま次の展開を考えていまして、ちょっと聞いてもらいたいんですが…」── 4年ほど前、当社にお越しになられてから、現在大きく活躍されているコンサルタントの方の言葉です。

毎年、一歩一歩確実に踏みあがっていくかのごとく、練りに練った次の一手を繰り出していっている…というのがこの方の特徴で、今回もあるアイデアというか、お考えについてのアドバイスを…というもの。

お話を伺っていると、なるほど実によく考えられていることが伝わってくる内容でした。比べるのもなんですが、そこらの思い付きレベルとは異次元のものです。

「それ、本当に面白いですね、○○さん、行けると思いますよ」── 背中を押す言葉をお返ししたのですが、面白いのは、明らかに去年や2年前とは、次の一手のレベルが、内容的にも重みも、まるで違っている…ということです。

何が言いたいのかと言えば、「アイデアや次の一手」と言っても、何事にもレベルがあり、真に踏み上がる一手でなければ、文字通り「何の成長にもつながらない」ということです。

簡単な話、どれだけ「新しいことをやる!」と言っても、レベルが変わらない段階でやっているとすれば、それは単なる「違う一手」に過ぎない、ということです。

傍からみれば、忙しく動き回っていろいろな事をしているように見えるのに、3年経っても5年経っても、結局ほどんどやっていることが変わっていない? ビジネスのレベルも上がっていない?…という人がいたりします。

この手の話をするとき、「仕事があって忙しいんだったらそれでいいでしょう、何が問題なんだ?」と、食ってかかってくるような人もいます。まあ、仕事のレベルを上げるかどうか、ビジネスのレベルを上げるかどうか…は、考え方次第、人それぞれで、好き好きのものとも言えるでしょう。

しかし、一つ言えることがあります。それは、単に喋って済む話や、トレーニングのお手伝い、調査や手続きの代行といったお仕事ならいざしらず、クライアント先を豊かな繁盛に導ける本物のコンサルタントを目指すのなら話は変わるということです。

要は、自分自身のビジネスのレベルをあげることも、もっと言えば、そのことを考えもしないような人に、どうしてクライアント企業の成長やレベルを上げられるのか…ということです。

重要なことは、本物のアイデアや次の一手というのは、血がにじむような努力をしながら本気でよじ登っていく中で、以前より視界が少し上がっていくときに、はじめて見つけることができる…という点です。

よく、「アイデアを考えてみましょう~」とか、「いくつも出してみましょう~」といった方法論が言われていて、そういった方法で新しいことを探そうとする人もいます。

もちろん、頭の訓練やトレーニングとしてはとても良いことは間違いありませんが、本物のアイデアとは根本が違うことを知っていなければなりません。

いわゆる「机上の空論」の致命的な弱点とは、崖をよじ登るということとは無関係のため、自分の視界や環境は「努力によって変わる」「新しいものが見えてくる」ことが考慮されておらず、単なる計算レベルや、ジャストアイデアしか出せない…ということです。

これは、ビジネスの世界で実に多く見られることです。偉大な事業家が、次々に新しいビジネスやサービスを展開して世間を驚かせたりします。もともと最初から考えていたのか? と思われがちですが、多くの場合は大局的なことは先に決めていたとしても、具体的な一手やアイデアは、視界を変える努力によってはじめて見つけることが可能になるということです。

要はそれだけ新しいことを実際に行い、展開し、辛酸をなめながらも成立させ、成功させてきている…ということです。だから事業が大きくなり、成長していっているのです。だからまた、新たな本物のアイデアが湧いてくるのです。

逆に言えば、ここ5年、10年ほとんどビジネスが成長していない会社の社長が、アイデア豊富というのは聞いたことがありません。

仮にこういう社長が「おもしろいアイデアを思いついた」と言ったとしても、せいぜい「思いつきレベルのサービス」だったり、「どこにでもあるようなアイデア」という可能性が高いということは、想像に難くないでしょう。

これと同じで、コンサルタント自身も成長がなければ、その指導も必ず陳腐なものになってしまう…ということです。

大切なことは、自らの人生を大いに活かすために、夢や希望となる大局的な方向性をしっかり決めた上で、それを何がなんでも実現するための大いなる努力を伴うことで、視界を一段上げる…。

そのことで、新たなものが見えてきて、次の一手が必ず見えてきます。コンサルタントなら、次の一手が見える存在でなければならない…とも言えるでしょう。そのための一歩を実際に行動に移していくことこそ、極めて重要ということです。

あなたは自分の次の一手を、数年前と違うレベルで考えられるようになっていますか?その具体的な行動をしていっていますか?

 

著:五藤万晶

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