がんばれコンサルタント! 第407話:コンサルタントとして、いまこそ必要な本物の両面性
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「ゴトウさん、政府とかから施策が色々と発表されていますが、どう思いますか?」── 4年ほど前からお越しになっている親しいコンサルタント仲間からのお言葉です。
昨今のコロナ対策と遠方の方ということもあって、Zoomを使っての個別相談だったのですが、クライアントさんの中には少なからず影響がでているところもあるとのことで、そうした一連のことに対しての着眼や方向性についてのご相談という訳です。
政府や東京都、各自治体…が打ち出している対策や支援策について言えることは、「立場によって意見はまるで変る」ということ。例えば、日給や時給など固定給的ではない働き方をしていた人からすれば「収入がなくなったらどうやって生活すればいいんだ? 保障してほしい」となるのも当然の話です。
これは、自営業でお店をやっているような人も同じで、お店を開けるなと言われても、「じゃあどうやって生活すればいいの?」と言いたくなるのは当然とも言えます。
一方で、「みんながちゃんと自粛すればいい」、「欧米並みにロックダウンだ!」、「なんで飲食店を開けているんだ?」「なんで、不要不急の店を??」「人が集まっている公園も閉めろ」…と、語気を強めて正論を飛ばす人もいます。もちろん正論でしょう。
ただし、この意見を言っている人が、「当面の生活に対して、お金の心配など少しくらいしか感じていないような人たち」だとしたら、話は別と考えるべきでしょう。純粋な論ではないからです。少なくとも酸いも甘いも噛分けた本物の論とは違うと言わざるを得ません。
自分のビジネスや生活に恐怖を感じていない人が、一体どうやって「他人の痛みを分かりえるのか?」ということです。
世の中、正論だけで事が進むと考えるのなら、何も苦労は要りません。正論吐いていればいいからです。エライ学者さんの理論理屈や、机上の空論を説明するナンジャラコンサルタント、去年の決算書を見てこれからの対策を言おうとしている先生方…。
これらが、「現実通りにいかない」ということは、何も今に始まったことではなく、大昔からずっと続いてきたことは、歴史を少し振り返るだけで事例に事欠きません。こんなことが分からない人は、「人は言うことをきかない」という現実が分からず、「なぜ警察が存在するのかもわかっていない」ということです。
ハッキリしていることは、「人を死なせたくない」という命題に対して、どう対処するのか…という現実です。ウイルスでも死にますが、お金が無くなっても生活が出来ず死ぬのです。事実、不景気に自殺者が増えることは過去の統計で事実として分かっていることです。
世の中、どんなことでも相反することが本当に多いのが現実です。キレイごとや、片方だけのことを言っていればいいのなら、こんなに簡単なことはないのですが、この相反する難問に絶妙な突破口や、一段階上の秘策をもって効果を上げながら被害の最小限化に手を打つのが、真のリーダーであり経営トップであり、本物のコンサルタントの役目…ということです。
だからこそ、悩ましいのです。苦しいのです。どこからか必ず文句を言われます。しかたがないことです。全員が同じ立場ではないのです。しかし、答えを出していかなければならないのです。単純に片方だけの考えで進めることもできないのです。現実が相反することだけに…。
だからこそ、迅速に動き、ギリギリまで粘るのです。何とかしたいからです。
こうした時、忘れてはならないのは、他人がやっていることを見よう見まねでマネたり、恐怖にかられての拙速な行動です。迅速な行動とは紙一重に見えるかもしれませんが、「そこに相反することに対しての思考や哲学はあるのか?」ということです。
同様に、単に決めきれずにウジウジしているのと、ギリギリまで粘るのとでは、傍からみれば似ているかもしれませんが、これもまるで違うことです。
もう言うまでもありませんが、思考の軸がしっかりしていなければ、単細胞的に片側だけの考えで判断し、行動することになります。これが一部署の担当長というのなら話は分かりますが、経営者やコンサルタントというのなら大丈夫ですか??? ということです。
思考の軸や、独自の哲学…というのは、自分のやっていること、やろうとしていることに対して、深く深く考えて体系化できているかどうか…が重要です。儲かりそうだから…といった安易な考えで、見た目だけ他人の商売をマネしてやってきた人は、大きな問題に直面したとき、何をどう考えていいのか慌てふためくことになります。
そういう意味では、いま本物のコンサルタントがやるべきことは、経営者を落ち着かせ、本当にやるべきことを促し、転じる道筋を示していくことに違いありません。
あなたは、自分のコンサルティングを何のために行っているのか、そして何を導くのか…、しっかりまとめていますか?
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