がんばれコンサルタント！ 第441話：年末を迎えるにあたって、コンサルタントが絶対に確認しておくべきたった一つのこと

「ゴトウさん、今年はコロナで色々ありましたが、来年はどうなっていくと思いますか？」── 数年前にコンサルタント起業をされて、ときどき当社の事務所にご相談にお越しになられている方の言葉です。

「来年どうなっていくか…」という言葉、この年の瀬のシーズンになると、よく耳にする言葉の一つと言えるでしょう。

巷では、政治や経済を専門とする先生方を中心に、「どうなる日本、どうなる2021年」といったテーマが飛び交い、色々なことが言われています。気になることには違いありません。

ただし、いつも申し上げていることがあります。それは、「予測は予測に過ぎないし、それが当たろうが、もっと言えば思いっきり外れようが、"どうにかするしかない"のが経営でありビジネス」だと。

当たり前のことを言っています。「景気が予測に反して悪かったから、自分の会社は大赤字になってつぶれそうになっている、予測が悪いんだ！」などといくら叫んでも、誰もまともに取り合ってくれません。

取り合ってくれないどころか、言葉は悪いですが「無能」をさらけ出している…としか周囲には見られません。状況はどうであれ、それをどうにかするのが経営者の仕事に違いありませんし、どうにもできなかったら、会社を畳むしかないからです。

この冷徹な現実を前提にするとき、コンサルタント業という、一つの商売を行いながら経営者を助けていく仕事を展開する者、そしてそうした仕事を目指す人として、この年末年始にぜひ確認していただきたいことがあります。

それは、「実際に手が打たれたかどうか？」です。自分自身に対しても、クライアントに対しても…です。この実際に…という部分が、恐ろしく重要ということは、言うまでもないことでしょう。

よく、年明けには、元気で威勢のいい言葉が並んだりします。「今年は大きなチャレンジをするぞ！」「新しいことに挑戦だ」と。

そして、「皆でプロジェクトチームを組む」、「計画をつくる」「予算を建てた」、「業者に発注して一気に進める」、「担当を決めてすぐミーティングして…」、「今後３年のロードマップを決めた」、「やるべきことの資料をまとめて…」などなど、進んでいる？ようなことが次々に並んだりします。

もちろん、これらは素晴らしいことです。やる気の現れですし、何かをやるときには原動力が必要ですし、進めていくための細かいことも必要に違いありません。

しかし、確認しなければならない重要なことがあります。「で、やったの？」という、恐ろしいまでの単純な問いです。

余計なことは何も聞いていません。要は、やったのか、やっていないのか？ ただそれだけです。計画立てようが予算を組もうが、キックオフミーティング？しようが、担当決めようが、外注先決めようが、そんなことはどうでもいいことです。もっと言えば、予期せぬことが起きようが、景気が悪かろうが…さえ関係ありません。

ビジネスにおける、主体者と従属者の決定的な違いは、「やったかやっていないか」で生きている人と、「やると言ったかそうでなかったか」くらいに違う話なのです。

後者は、怒られたり左遷されたりすることはあっても、ビジネスの存続の危機に直結することはありません。これまた言葉は悪いですが、「上手に言い訳して、なんとかやり過ごせば誤魔化せる」というのが従属者の世界だからです。

しかし、独立を本気で考えている人、もっと言えば自分の夢やビジネスの願いを実現しようと考えている人、これまでの半生を活かして納得がいく人生を生きたい人…が、この誤魔化しのクセが抜けなければどうなるか…という話です。

だからこそしっかり確認すべきことは、年の瀬のこのタイミングでの確認なのです。「今年ちゃんと、やるべきことをやったか？」…と。「やるやる詐欺」に自分があっていないか？を今一度確認してほしいのです。

毎年たった一つでも、本当に重要なことを実行できていたら、３年、５年で凄いことになります。

毎年、新年だけ威勢のいいことを言って、年の瀬には言い訳をして…を繰り返していると、あっという間に老いぼれていくだけです。

あなたは、今年にやるべきことをやりましたか？