がんばれコンサルタント！ 第443話：コンサルタントが押さえておくべき、チャンスをつかむために絶対的に重要なこと

「いやぁ～今年はコロナに明け暮れた一年でしたけど、来年はどうなるんでしょうね？」── 毎年、年末のこのくらいの時期、時間をやりくりして一杯酌み交わす親しいコンサルタント仲間との会話です。

そう、年末シーズンともなれば、いやがおうにも来年のことを考えて会話をするというもの…。いわゆる「来年はあれやってこれやって…」という類の話です。

来たる一年に対する、夢と希望と対策…。しっかり考えて手を打って…と声が弾むのですが、ふと考えさせられる現実もあります。

それは、「去年の年末に、今年のこの騒動を予見して行動していた人は、ただの一人もいなかった」ということです。広い世の中には一人くらいいるのかもしれませんが、少なくとも周囲には一人もいませんでした。

大半の人にとっては、突然のようにコロナがやってきて、渦中に巻き込まれた…といった感覚に違いありません。気づいたらとんでもない状況…という。

コロナ騒動に際して、大きな影響を受けたところ、それほどでもなかったところ、むしろ追い風になったところ…と分かれています。何の商売をしていたかや、地域などによっても影響度合いはまるで違っています。

追い風になったところはラッキーですが、大きな被害を受けて、商売を畳まざるを得なくなったところも多く、本当に気の毒としか言いようがありません。しかも、年が明けたら急に前の状態に戻る…ということは考え難いだけに、ビジネスへの影響は相当続くことが考えられます。

一方で、同じ渦中の業界にあっても、必死にもがいて、どうにかこうにかマイナス幅を最小限に抑えて切り抜けてきた…というところもあります。

他所よりも一歩も二歩も早く対策を打ち出したり、わずかなチャンスにタイミングよく仕掛けたり…。思わず「お見事！」…という言葉が出そうなところです。実に素晴らしい努力と言えるでしょう。

こうしたところは、一体何をやっていたのか…ということですが、基本的に「次々起きることへの必死の対応」か、または「準備していたことの前倒し」のどちらか…ということです。

通常の災害的なことと根本的に違うのは、準備や訓練というものの範疇を超えていて、仮の想定でさえ、「世界中の飛行機が飛ばなくなって、外出が規制される…」などということは、「ありえなさすぎる…」と否定されたに違いない、ということです。少なくとも去年までは…。

誰も想定できなかったことが起きる…。だからこそ「事前の準備」には限界があり、アンラッキーに巻き込まれてしまうかもしれません。ただし、もし自分がアンラッキーに巻き込まれても、「しょうがない」と諦めるのか？…という話です。

次々に手を繰り出し、もがき、生き残りをはかったところは、恐ろしいまでも対応を俊敏にする一方、用意していた手を「前倒し」で打ち出した…ということです。その用意していたものは、決して災害対策的な準備ではなく、「次のビジネスのために準備していたもの」です。

チャンスの神様は、時に非情であり、時に慈悲深かかったりします。しかし、それはチャンスをつかもうとする側の努力次第でいかようにも変わる…ということを本当に知っていない限り、いつまでたっても微笑んでくれることはないでしょう。

準備が整ってから、「さあチャンスを与えてくれ…」と、自分都合の要求をしても、そっぽを向かれるだけですし、「まだもうちょっと待って…」と言ったところで、一切そんなことは考慮してくれません。

重要なことは、業界的にラッキーだったところとは大きく違い、渦中にありながらも切り抜けてきたところは、実に大きな力、底力をつけたことだけは間違いありません。今後本当に強くなり、成長していくに違いないということです。

来たる２０２１年を考えるとき、景気がどうのこうの、タイミングがどうのこうの…という話をする人もいるでしょうが、最も大事なことは、「あなたの都合やあなたのタイミングは考慮されない。前倒しでしかチャンスはつかめない…」ということを腹の底で分かっているかどうか…ということです。

あなたの夢や希望を叶える一年にするために、これから何を前倒しでやっていきますか？ 想定外が起きた時、前倒しできるために…。