がんばれコンサルタント！ 第497話：コンサルタントにとって、知識や頭の良さより大切にすべきこと

「ゴトウさん、もう一軒いきませんか、近くにいい店があるので…」── 古くからの親しいコンサルタント仲間と、年末最後の楽しい会食をひとしきり終えたときの言葉です。

よく知っている場所で食事をしていた後だったのですが、時計をみればまだ確かにかなり早い時間。どこかちょっと寄って…と思っていたのですが、近くに何かあったかな？ などと思っていた矢先にいただいたのが「近くにいい店」の言葉です。

はて？ そんなお店あったかな？ と思いながらも言われるがままに一緒に歩いていくと、そこはよく近くを通っている見慣れたビルの２階。こんなところにバーなんてあったかな？と思いつつ階段を上がって店内に。

お店で互いに久しぶりのウイスキーを片手に、二軒目の乾杯をして話していると、店員さんから「ここ、どうやって見つけてくれたんですか？」との話に。知人がニッコリと、「グーグルで検索して出てきたんですよ。高評価だったのでいいかなと思って♪」とニッコリ。

なーるほどと合点したのはさておき、なんでも数年前にできたお店とのことでしたが、よく考えてみればこの２年間は二軒目のバー的なお店などには行くことができないような状況だっただけに、よくとおる場所でも存在にすら気づかなかったのかもしれません。

お店がまともに開けられないときは、色々な支援金的なもので凌いでいたそうですが、そんな話を伺いつつ不思議と居心地がいいので店内を見回していると、所々に工夫というか、変わっている…というか、ユニークな違和感がいくつもあるのです。

都心の狭いバーの店内だけに、空間は貴重な資源に違いないのですが、上部の方に本がいい感じで飾ってあったり。バーで本を読むというか、飾っているのは珍しいとの話に、「あ、あれはお客様の忘れ物なんですよ。縁があって来られた方々の本だから飾っています」との返答が。

えっ？そうなの？ ちょっと想定外の答えに思わずな〜るほどなんて思っていると、知人の、「ボクの本もわざと忘れていこうかな？」との言葉に、「はい、一番目立つところに飾っておきますよ」と笑い話に。

さらに店内を見回していると、タグがたくさんかかったボトルが置いてある棚も。あれ？もしかしてボトルキープ？ 数年前の開店時から通ってくれているお客さんが結構いるそうで、ボトルがずらり。でもバーとしては珍しい光景です。

他にもちょいちょい、不思議なものがいくつもあって、そのたびに面白い答えが返ってくるのです。聞けば、お客さんがいろいろ教えてくれたり考えて工夫したりしていてこうなって…とのこと。まあそうでしょう、きっと（笑）

当たり前のことですが、商売で大事なことは、縁もチャンスも勢いも、日ごろの口グセや行動、心がけ…から明日がつくられていくということです。

日頃から他人に悪態つかないまでも、愚痴や文句が口をついてでてきているような人や、他人を足をひっぱるようなことをしている人に、商売の神様が微笑むことなどありえません。理由は単純です。商売の神様は周囲の人やお客様が呼んできてくれるからです。

どれだけ優れた才能があっても、お客様がいなければ絶対に商売は成立しないことなど、小学生でもわかる話です。しかし、頭がよくて記憶力にも長けて資格などもあって…という人が、「商売とはお客様をつくっていくこと」という、根本を忘れがちだったりします。商売とは頭脳だと思っていたりするからです。

頭脳はもちろん大事です。しかし、商売にはもっと大事なことがあります。ご縁を広げていくことですが、学校では習わなかったりします。でも、創業社長ならほぼ間違いなく全員が知っていることです。

我々コンサルタントは、この部分を強みとするのか、弱点になってしまうのかで、大いなる違いがでることは言うまでもないでしょう。

小さなお店で、ひとしきり関心して楽しんで…の後、これはお店の評価ちゃんと書いておかないとね…と。きっと知人が探したときに、「高評価」となっていたのは、こうして関心したり楽しんだ人たちが書き込んでくれていたのでしょう。飲食店の評価サイトはいくつかありますが、お金で評価が買えないサイトで知人は見て、決めて、入ってきたのですから…。

こうした縁は、商売人としては繋げていきたいものです。自分にも回ってきてほしいと誰もが願うことだと思いますし、もしそう願うならば、自分も縁を繋いだり、言葉にしたり、行動したり…をしっかりやっていくべきでしょう。

そう、年が明けたお正月、朗らかな気持ちの今だからこそ、今年は大いに積極的に、そして良いことを口にして行動して…をやっていきたいものです。あなたの人生、商売に縁がどんどん回ってくるように…。

今年も、がんばれコンサルタント！ を、どうぞよろしくお願いします。