がんばれコンサルタント! 第500号:「これからの日本」に必要とされるコンサルタントとは

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お陰様で当コラム「がんばれコンサルタント!」は、今回で500号を刻むことになりました。1000号のちょうど折り返しという一つの節目に際して、これから先の10年、20年、30年…、日本にとって必要とされるコンサルタントについて記しておきたいと思います。

当社の創業は2012年になりますが、このコラムも創業とほぼ同時期にスタートしており、ちょうど10周年を迎えることになります。発刊以来、コンサルタントビジネスの支援を通じて、中小企業の成長発展を実現していくことを念頭に発信を続けてきました。そして様々な活動に尽力してきました。

何を恰好つけて…と言われるかもしれませんが、他のコンサルタント指導を謳っているところとの違いをあえて申し上げるなら、コンサルタント商売を技法的な「部分」で教えることなく、思想や考え方も含めて「体系的」なご指導、支援にこだわってきたことがあります。

コンサルタントとして本当にご活躍いただくためには、コンサルティングの技術的なことももちろん大事ですが、10年、20年先を拓いていくビジネス的な考え方や骨太の思想、哲学…なども絶対に欠かせないと本当に思っているからです。

さらに、これらを実現していくための取り組みも行ってきました。いまから遡ること7年、2015年の春に、コンサルタントの方々が実際に活躍していくために必要な「コンサルティングが使われていく仕組み」「コンサルティング業界自体の成長のための仕組み」づくりです。

たいそうなことを掲げてスタートしましたが、正直なところ「なかなか伝わらない」ことが長く続きました。いや、今も続いていると言えるでしょう。本当にもがき苦しみながら、諦めずに皆の協力を仰いで、仲間と一緒に少しずつ育ててきました。諦めなかったのは、コンサルタントの方々の真の活躍のためには、絶対に絶対に必要な仕組みだからです。

それはこんな形になって育ってきています。日本コンサルティング推進機構という形です。

もちろん、まだまだ小さな仕組みです。目指している先を考えれば力及ばずのことが多々あります。しかし、その仕組みづくりに共鳴してくれる仲間のコンサルタントが一人、二人…と増えて、いまでは数十人規模になって確実に大きな力になってきました。これは本当に嬉しいことです。

仲間のコンサルタントの方々は、自らのビジネスを力強いものにされてきた一方で、後進のコンサルタントにも「あなたたちも力をつけて、世に一緒に活躍しよう!」と、この「自分の知識や経験を元にした独自性のコンサルティング」という業界の発展に力を貸してくれているのです。

このような仕組みが小さいながらも誕生し、回り始めるなどということは、正直10年前には夢にも考えられなかったことです。しかし、出口がないようなご指導というのは、いかにも納得がいかなかったのは事実です。

世の中、悲しいことに入口だけ喧伝して、出口がなかったり考えもしていないような先生業が溢れていたりします。後は知らないし知ったことではない…と言わんばかりのやり方というのは、これはあまりにも無責任と言わざるをえません。だからこそ、仲間と一緒に、必死に「出口となる仕組み」づくりに奔走したのです。

こだわってきたことはもう一つあります。「ビジネスにおいて新しいものを生み出すお手伝いをする」という点です。現状維持やちょっとした改善、分析やコスト削減…といったことは、確かに調子の悪い会社にとって悪い部分をなくすことで体調が戻る…という効果は期待できます。

しかし、大きな成長や新たな市場を生み出す強い事業に育っていくかと言えば、残念ながら「どれだけ決算書をにらんだところで、問題点はわかったとしても、新しいビジネスは生まれない」と言わざるを得ません。言ってしまえば、「智恵や発想」というものと「計算や分析」というものは、考え方も視点も、そして使う目的もまるで違うのです。

これを同じ器に入れて、同じものとして扱ってきたことこそ、大いなる問題だったのですが、世の中に無いものならこれはもう「つくる」しかありません。それが先に申し上げた「コンサルティングを使ってもらう仕組み」「コンサルタントと経営者をつないでいく仕組み」づくりなのです。

実は「世の中にないものはつくればいい」とは、当社のコンサルティング中に申し上げてきているフレーズの一つです。なぜよく申し上げているかと言えば、これは「世に新しいものを生み出す経営者の応援をする」ことにつながっていくことだからです。

もし身の回りのことで10年経っても20年経っても、何も新しいお店もできず、新しい商品もサービスも登場してこなかったらどうなのか?ということです。

進歩もなく何も変わらない世界…は、ある意味恐ろしいことです。日本を出た世界は、驚くほど毎日進化しているからです。恐ろしいほど置いていかれているのに気づいていないだけなのです。

高齢化が進んだ日本には年を取った人がたくさんいて、その比率は年々高まっていっています。働く人の割合が減って2人で1人を支える時代になる…と言われて久しいですが、本当の問題はそんなことではありません。

本当に恐ろしいのは、年老いて無気力になっていくことに加え「新しいことは嫌」「この先そんなに長くないのだからこのままでいい」といった「何も変えてほしくない」風潮が増していくことです。

マンションの建て替えなどでは、高齢者からすれば「住み慣れた今のままが一番いいので建て替えなんてしてほしくない」と反対しますし、再開発しようとしても「新しいものなんていらないのでそっとしておいて…」と反対したりします。

会社でも同じで、年老いた経営者は相対的に新事業意欲が弱くなりますし、社員ならなおさらで、定年が見えればますますこれまでやってきたことに固執しようとします。

変化を嫌い、現状のままを好み、何もしないことを良しとする…。確実に社会の活力をむしばんでいくのですが、これこそが究極の老害と言えるでしょう。この老害が進んでしまうと、本当にお先は真っ暗になってしまいます。

ではどうすればいいのか…。ここに「これからの日本に必要とされるコンサルタント」の役割があります。変化を作り出していける人です。今まで大きな力、人数、お金がなければ変えていくことができなかった世の中でしたが、時代は大きく変わってきました。

知恵や工夫で大きな仕組みを作り出すことができるコンサルタント、新しいものを世に誕生させるコンサルタントは、まさにこれからの日本に必要とされる存在になります。

会社にとっても、小さな会社が大きなパワーを発揮することができる世の中に変わってきています。わずか数年で時代の寵児になれる時代がやってきました。このチャンスを活かすために、コンサルタントにも大きな役割が回ってきているのです。

世の中が老害によって速度を落としていっているだけに、必要性とチャンスが同時にやってきているのです。

この度、10年の節目を迎えるにあたって、これから10年、20年、30年先を見据えることを意識して、このことを「コラム500号特別講演」としてお話したいと思います。コンサルティングに携わる多くの方々、ビジネスに携わる多くの方々のお役に立てれば幸いです。

著:五藤万晶

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