がんばれコンサルタント！ 第507話：コンサルタントとして押さえておくべき、激動の世の中を生きていくために必要なこと

「いやぁ～、まさかまたオンラインになるとは思ってませんでしたよね～」── この「がんばれコンサルタント！」のコラム５００号記念講演をご案内した際、親しいコンサルタント仲間と話していたときの言葉です。

１００号ごとにちょっとお祭り的に、その都度違った企画内容で記念講演的なことを行ってきたのですが、２年ほど前に行った４００号記念の時には、コロナで大騒ぎになり始めていたころでした。

都内で広めの講演会場を予約して準備をしていたのですが、当時初耳だった「緊急事態宣言」の第一発目が出されて、世の中一斉にシャッターが下りることに…。

記憶にも新しいと思いますが、飲食店はもちろんですが、百貨店や映画館、動物園に美術館、さらにはゴルフ場に海にいたるまで…、もう本当にあらゆる施設が軒並み休業を余儀なくされ、当然のごとく？ セミナー会場なども貸し出し中止に…。

これがまた酷いことに講演会開催のわずか３日前の通達という、訳のわからなくなるようなタイミング。いやいやちょっと待ってよ…と言いたいところでしたが、そんな時間もなく、「やる」のか「やらない」のかをすぐに決定するしかありませんでした。

もちろん中止や延期も選択肢の一つだったのですが、まあ性格的なこともあって？ 「やる」の判断を即決したのですが、ご参加予定だった方々へのご案内や、オンライン講演会を開催するための機材準備や設定やらで３日間ほとんど寝ずに当日を迎えた…という、およそひと様には言えないような舞台裏だったのをよく覚えています。いまでは笑い話ですが…

今回、５００号記念講演に際して、まさかまだコロナ禍が続いて…とは、正直想像もしていなかったのですが、何度目かもう忘れるような「まん延防止法」なるものが全国各地で出されていますし、街を歩けばマスク姿ばかり…というのが現実です。

まあ嘆いても仕方がありませんし、世の空気的なものもありますので、色々考えて、会場＋オンライン併用スタイルでの開催をご用意した訳です。せっかく来ていただける方とはフルコースのお食事を、そして遠くの方にも便利で臨場感のあるオンラインで…と。

これは２年前に必死にやっていて本当に良かったと思っていますし、さらに発展的な状態で開催できたことを嬉しく思っています。

ちなみに、今回の講演内容は、これまでのコンサルティング中心の話と少し毛色が違うものを意識しました。どちらかと言えば、自分がビジネス上でも趣味的によくいじっているＩＴがらみのことですが、それは世の中が猛烈に変わっていっている…と皮膚感覚で感じるからです。

知っている講演講師や士業、コンサルタント…の人たちでも、事実上廃業になってしまった人もいます。先生業に係わらず、ご商売で大変なことになった人も数多く知っています。この２年間のうねりに飲み込まれてしまった人たちです。

「正しい判断」はとても重要です。間違うと酷い目に逢ったり悪くなっていくので当然のことでしょう。しかし、間違った判断よりも悪いことがあります。特に人生を主体的に生きようとする人やビジネスの主体者の方にとっては致命的になることです。

それは、グズグズと判断を遅らせたり、自分で判断せずに他人の意見や判断に実質的に委ねてしまうことです。要は自分の頭で決断や行動ができないタイプです。

これらのタイプが致命的なのは、そもそも自分の頭で考えて行動する…という主体性を持っていないことが第一ですが、間違ったときにも間違いになかなか気づけない上に、その修正すら自分で判断・行動できない点にあります。事実上、指示されて動く人だからです。

指示されて動く人の思考は、そこに安住すればするほど、ますます受動的になります。自分から積極的に考えていく思考とはどんどん真逆になっていきます。

平穏な時代ならこれでも問題ない…と言えるかもしれませんが、世界的な疫病や戦争が勃発するような、世の中が猛烈に変わっていく時代には、極めて危険と言わざるを得ません。ビジネスの基盤そのものさえ変わりかねないからです。

主体的な思考をどう持つか…、これらは自分の意思でつくることができることです。環境を変えることや、決断を伴うことを繰り返すことで思考は変化していきます。

誰でも良き未来をつくりたいと願っているに違いありません。このことを真剣に考えるとき、当たり前ですが未来が突然やってくることはないだけに、手前からつくっていくしかありません。

つまり今日の選択と行動以外に未来をつくっていくことはできませんし、その自己判断したことを認識している主体的に生きている人は、未来が現実の日になってくるときに「満足しているかどうかどうかは分からないが、少なくとも何もしなかった後悔はない」という独特の「納得の世界」に生きていくことができます。

今回、５００号記念講演の開催にあたり、決して満足はしていませんが、「しっかり納得のいく開催」につながったことは、この２年間の選択と行動があったこと、そして何よりも欠かせないことは、多くのコンサルタント仲間の方々からの応援がありましたこと、これに尽きると思っています。

この場を借りまして、このコラムをお読みいただいているすべての方々へ、がんばれコンサルタント！の５００号記念講演の御礼を申し上げます。これからもがんばります、どうか応援いただけるよう、お願い申し上げます！