がんばれコンサルタント! 第546話:コンサルタントが必ず押さえておくべき、友人知人へ相談するリスク

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「ゴトウさん、私にもコンサルタントはできるんでしょうか?」── 先般、オンデマンドセミナーをご利用いただいた方で、その後のオンライン相談でいただいたご質問の言葉です。

なんでも、長年企業にお勤めされてきたけれど、いろいろ思うところがあってやっぱり自分で何かやりたい…と。そんな想いがくすぶり続けており、これまでの知識や経験を活かしたコンサルタントをやってみたい…という話です。

お話をしばらく伺っていたのですが、気になったのは「まわりの人に聞いてみたけれど、みながムリだと言う」というくだり。いわく「あなたなんかにコンサルティングを頼むはずがない」と言われ、ご本人的には納得がいかず、どうなんでしょうかね? というご相談です。

もちろん当社は「コンサルタント業専門のアドバイザリー機関」ですから、当社に聞いたら「大丈夫」と返答すると誰もが思うに違いありません。実際には、ムリ筋のときにはムリとハッキリ申し上げているのですが、商売的に考えればその関係の人に聞けば、良い答えを言うのが当たり前と考えて不思議ではありません。

この辺りのことは、ややこしくなるので一旦横に置きますが、問題は、「周囲の人がムリと言っているから、やっぱりムリなのかな?」ということが、本当に正しいのかどうか…という点です。

もっと具体的にいえば、「自分のことをよく知っている友人や知人、先輩たち…なのだから、自分のことを考えてくれた上で言ってくれているに違いない…」と。これが正しいのかどうか…という話です。

重要なことは、そのアドバイスをくれた人たちは、実施しようとしている未来のことに対して詳しいのか? ということです。

勉強や学校のような、多くの人が経験していることであれば、アドバイスも外れることは少ないでしょう。商売でも同業系のものや、商売イメージがしっかりとつかめるものであれば、やはりアドバイスは外れにくいに違いありません。

問題は、「ほとんど、その商売のやり方や繁盛のためのイメージが分かっていない」という場合です。アドバイスをしている人たちは、単に相手に対する印象や感覚だけで言っている可能性が高く、語弊を恐れずに言えば、その答えは小学生に「どうかな?」と聞いているレベルとほとんど一緒というのが現実なのです。

なぜそうなるのか、理由は単純です。「人は出会い方によって相手への認識が決定する」からです。簡単に言えば、先生として出会えば先生として、雇ったアルバイトとして出会えば、その後も「あの時のアルバイト」と思うという話です。

数年後、アルバイトをやっていた人が「わたしはあなたの先生だ」と言って目の前に現れても、「何を言っているの? 」となってしまうのが現実であり、地元の友人知人からすれば、冒頭の方は「自分たちの知っている、あのおっちょこちょいの〇〇君」だったりするのです。

実際、縁あってある年の新年会にお招きいただいたことがあるのですが、親しい凄腕のコンサルタントの大先生が地元の学生時代の仲間と集まった会において、「お前、コンサルタントまだやってるの? いや~、絶対に信じられないよ!笑」なんて言われながら、ほとんどからかわれているような姿を目にしたことがあります。

あの偉大な先生が…と、当時少なからずショックを受けたのですが、偉大な経営者や政治家の先生方も、そうなってから出会えば「凄い人」に違いありませんが、小さなころを知っている地元などでは、「〇〇くん」や「●●ちゃん」だったりします。時には、「アイツ」とか「あだ名」で呼ばれ、そのイメージが抜けていないことも珍しくないのです。

東京に出てくる…という言葉には、大きな成功を目指してチャンスの多いところに勝負を打って出る…というビジネス上の意味も当然ありますが、地元のそうしたしがらみを断ち切りたいから…という想いも、少なからずあるでしょう。

横に置いておいたものも含めて話を戻しますが、「人に相談することの意味」は、一体何なのか?ということです。もちろん、人によってこの答えは千差万別かもしれません。

しかし、極めて重要なポイントとして、「判断や選択、決定、決断など、どうするかを決めるのは本人でなければならない」ということだけは絶対に外してはならないのです。判断を他人に委ねてしまえば、他人の人生を歩かされてしまうからです。

このことを腹の底で分かっていれば、自分の人生を自らの判断、決断で「やってみたいことをやる」という想いに対して、その可能性を引き上げるものは、本人の意思にこそ、最も力が宿ることが分かるはずです。

実際、「周囲の大半が失敗する…と言って大反対」だったのをひっくり返して…といった商売成功の話やサクセスストーリー的なことは、よく耳にすると思います。「なにくそ!」という火がついたとき、そのやる気や意思の力は、想定外とも言えるような途方もないパワーを生み出すのです。

この想定外とか、本人の意思の力…というものなどを考慮するとき、冒頭の相談のようなものへの答えはどうなるか? 凄腕コンサルタントの方々、お仲間たちは、総じて「貴社ならできると思いますよ」と返答する率が高いのは、単なる偶然でもなければ、単なるおべんちゃらでもないのです。

重要なことは、「他人から無理と言われたからムリ」で、自分自身が納得できるのか、後悔しないのか…?ということです。このことをコンサルタント自身も理解していなければ、本当の意味でのコンサルティングはできなくなるでしょう。

不可能そうだから不可能と言うのは、単なる分析やその瞬間における判断にすぎません。大切なことは、どうすればその可能性をひっくり返せるか? どうすれば成功に導けるか…。そのクライアントの可能性を思いっきり引き出して、夢をかなえるお手伝いをするのがコンサルタント業の本質と言えるでしょう。

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著:五藤万晶

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