がんばれコンサルタント！ 第565話：コンサルタントとして知っておくべき、ビジネスに向く人、向かない人の違い

「ゴトウさん、私の場合、コンサルタントとしてやっていけそうでしょうか？」── 当社のセミナーを受講いただいた方でその後の、スポット相談の際にいただいたご質問の言葉です。

先週は不思議に重なって…といいますか、同様のご相談を数件お受けしていたのですが、お一人お一人、これまでのご経験はもちろん、持ち味も特徴も、まるで違う方々なのですが、共通していたのは独特のキラリと光るものをお持ちだったこと。これはあるようでなかなかないことです。

誰でもそうですが、自分がいざ一歩を踏みだそうというとき、ものすごい不安に駆られるものです。むしろ、「全然そういうのはなかった」という人がいるとしたら、それは逆にいえば問題とも言えるほどです。

単純な話、「リスクを取るような勝負をしていないから」の可能性が極めて高いからです。これが何を意味するか…ということが重要なのです。

他の仕事であれば別にこのようなことを言う必要はないでしょう。しかしコンサルタントという仕事は、手前に導くか背中を押すか、表現の差はあれど「大きな挑戦を促す」ことも大きな仕事の一つと言えます。

「投資を伴わない挑戦など無い」…と言ってもいいのがこの世界です。ビジネスの世界でリターンだけがあることなどあり得ない訳で、「現状を維持したまま、得られるものだけ増やしたい」というのは、気持ちとしては分からなくもないですが、結局は「虫のいい夢物語」という話です。

要は、自分はまともな勝負も何もしていないのに、コンサルティングの仕事の面において勝負を促すことなどできるのか…ということです。

この状態でやれることと言えば、言葉は悪いですが、「薄っぺらい言葉だけの背中押しか、そもそも勝負でもなんでもない単なるアドバイス」程度しかできないということです。

重要なことは、コンサルタントとしてやっていくのに、必要な資格やライセンスなどはありませんが、自らのビジネスをつくるという挑戦の一歩を踏み出しているかどうか…は、極めて重要です。

誰かがつくった枠組みのなかで「センセイ」という仕事を割り振ってもらっている話とはまるで違い、自分がつくったビジネスを展開できていなければ、どうやって経営の第一線で戦っている経営者の方々に、意見一つでも言えるのか…ということです。

そういう意味では、例え小さな一歩でも自らの商売をつくるために踏み出すことは、本当に重要と言えます。そして実際に、経営者はここを必ずと言っていいほど見ています。自分でやっている人かどうか…。

大きな組織に属して雇われてやっている人と、小さな会社だが自分でつくってやっている人、自分が経営者であればどちらの意見や判断を選ぶのか厳かに考えてみるといいでしょう。その答えどおりに自らが判断すれば自分に嘘がなく、間違いない訳です。

もし、ここで自らの判断とやっていることが違う場合、そこに嘘があることになります。その嘘は、いずれ自分を苦しめることになるでしょう。間違いなくジレンマになっていくからです。

コンサルタントに向くか、向かないかはまさにここに現れてくると言っても過言ではありません。自らの信条、考え…と行動が一致するのかどうか。一歩を踏み出しているのかどうか…。

あなたは、小さな一歩を踏み出していっていますか？ そしてさらなる一歩、もう一歩を踏み出していっていますか？

ビジネスほど素敵で面白く、興奮する世界は無いと思っているのが経営者の方々です。コンサルタント業でその仲間に入っていきませんか？ 次は、あなたが活躍する番です！