がんばれコンサルタント! 第578話:コンサルタントに向いている人、やめておいたほうがいい人

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「ゴトウさん、自分がコンサルタントに向いているのかどうか、自分では良く分からないのですが、ゴトウさんからみてどうでしょうか?」── これからコンサルタントをやってみたい…と先日ご相談にお越しになられた方のお言葉です。

当社は、コンサルタント商売専門のアドバイザリー機関ですので、当然ながら様々な方がお越しになられます。

さらに言えば、「自分のやってきたことを活かしてコンサルタントとして活躍したい」という方々ですので、輪をかけて…というと何ですが、とても個性的で面白い方が多いと思っています。

そうした方々にあって、「コンサルタントに向いている、向いていない」というのはあるのか…ということですが、これについては「明確に、向き不向きはある」とお答しています。

ちなみに、いくつかの「向いている条件」というのがありますが、それらは基本的に「ビジネスに向いているかどうか」というのと共通する点が多くあります。

コンサルタントといっても、数多くある商売の内の一つです。ここは、当社では口すっぱく申し上げていることでもありますが、とかく「センセイ」と呼ばれる仕事の場合、なぜか「自分がやっていることは商売ではない」と思いたがる人が本当に多いのです。

センセイと言う言葉に、神聖なるものをかぶせて、商売のような下世話なモノとは違う…とでもいいたげに大上段に構える人がいます。

まあ、朝から晩までどこに行っても「センセイ」などと呼ばれていると、だんだん頭がそれに慣れてくると言いますか、言葉は悪いですが麻痺して普通の感覚がなくなってくる…人が少なくないのです。

自分はどうなの? と声が聞こえてきそうですし、実際その通りだと思います。自分でも自覚症状ありますし、自覚すらできていないことも多いと思います。センセイなどと毎日呼ばれていると頭がおかしくなっても不思議ではないのです。

しかし、一方で先生と呼ばれる以上にビジネスである、商売である、という自覚は強烈に持っています。関わる方々にも、それは強くお伝えしています。商売をやっているんですよ…と。

これが如実に表れるのが、自社(自分)でクライアント開拓を行っているのかどうか…という点です。これを、独立しているかどうか…と、当社では言っています。

どこかから振られる仕事や、どこかの団体に属していてそこから仕事をもらっているとしたら、語弊を恐れずに申し上げれば、それは勤め人や下請けと一緒だからです。同じ呼称のコンサルタントと言っても、サラリーマンと経営者くらいに違う話なのです。

あなたはどちらがいいですか? 何のために挑戦しようとしていますか? 独立したはずが勤め人と同じではあまりにももったいないのです。こんなハズではなかった…と。

商売、商売…と、うるさいように聞こえるかもしれませんが、商売をやっているということを自覚していないと、そもそも「お客さま」という概念がどこかに行ってしまったり、すべてが教えるという作業になったりします。

センセイなどと呼ばれ続けてお客様という概念も希薄になればどうなるか…。指導してやるとか、おしえてあげる…といった、意味不明な感覚でやっているようにしか見えない人が世の中には本当にいます。

我々は商売としてコンサルタント業をやっています。ですから、やっていることは単純で、お客様の商売にプラス効果をもたらすお手伝いをして、その対価としてコンサルティングフィーをいただくのです。実にシンプルです。

そう、ですからこの基本的な認識となる、「商売をする」という感覚が理解できる人、そのことを楽しめる人、共に発展することに努力できる人…というのが、この商売に向いている人の条件ということです。

重要なことは、知識や経験、ノウハウ…というものは、この大前提があってこそ活きてくるということです。どれだけ凄いノウハウを持っていても、相手の商売のことなど興味がなく、単に「凄いノウハウを教えてやる!」と息巻いたところで、誰も寄ってきてくれないという現実が起きます。

このあたり、逆に考えてセンセイになろうとする人が、世に中では少なくありません。資格やライセンスがあれば…とか、〇〇について勉強すれば…といった考え方ですが、そうした人は、大きな団体や組織に入って「教える」という仕事をしたほうが、一番嫌な「販売」や「営業」ということをせずに済みます。これも賢い選択の一つです。

独立コンサルタントの商売には、この「営業」や「販売」は必ずついて回ってくるものです。理由は単純ですね、「商売をする」からです。営業や販売の無い商売というものは無いのです。

ですから、営業や販売がイヤという人は、商売は無理なのですから、独立コンサルタントはやめておいたほうがいいでしょう。どこかに勤めている状態のほうが、よほどご本人的にはいいと言えます。

一方で、「自分や積み重ねてきたことを、高く評価して買ってくれる」としたら、これほど嬉しく楽しい商売はない…という話があります。もちろん報われる報酬も手にします。これがコンサルタント商売の醍醐味と言えます。ただし営業や販売が付きまといます。

あなたはどちらを選びますか? 一番避けるべきは、中途半端の状態です。独立しているふう…で、やっていることも本気ではなく、お客様にもそのことが伝わって…となれば、上手くいくものも上手くいかなくなるからです。

逆から見て、腰掛でやっているような人に本気で依頼しますか? という話です。そう、「本気」になれる人が最終的に重要な「向いている人」です。あなたは本気ですか? 本気で自分の人生を拓こうとしていますか?

著:五藤万晶

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