がんばれコンサルタント! 第579話:コンサルタントとして注目すべき、商売がおかしくなっていくポイント

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「ゴトウさん、連日報道されていますが、アレどう思いますか?」── 先日、親しいコンサルタント仲間の方が、書籍のことでご相談にお越しになられた際、ついで話的にでてきた話題の一つです。

アレ…とは、中古車販売会社のことで、まさに連日のようにアレやコレや…の問題が出てきて、社長交代で謝罪会見をしましたが、騒ぎは収まるどころかまだまだ大きくなりそうな気配のアレです。

それもそのはずで、この会社、4兆円近くもある業界のシェア15%を占めるトップ企業です。店舗数も社員数も、関係する会社も非常に多く、不正問題は誰が考えても相当根深いはずで、省庁や自治体トップまで出てきて調査指示がなされるなど、むしろこれから様々なものが飛び出してくるでしょう。

それにしても、不正や不祥事、事故、問題事案…などを起こす企業をみてみると、そこに同じような共通点があることが分かります。

最も分かりやすいのは、「経営トップに逆らえない風土」というものでしょう。どれだけおかしいことがされていても、「上に意見したらクビや左遷」となれば、従業員にも生活や家族があるだけに、大抵のことには口をつぐんでしまうのも致し方がないかもしれません。

しかし、このことが恒常的に続くとき、だんだんと「麻痺していく…」という恐ろしさがあります。実はこのことが怖いのです。

小さいことに目をつむったり盲従する姿勢…が、だんだんと慣れてしまったり「そもそも疑問も持たずにに言われたとおりに動く」ということが起きはじめるとき、普通では考えられないことでも平気で従うようになっていってしまうからです。

誰に聞いても、不正や公共物の棄損を「正しい行動」と思ってやっていた人はいないはずで、後ろめたさがあったに違いありません。それが証拠に行った行為をユーザーや申請には隠していたり、薬剤を女子更衣室に隠していたり…。

それでも「隠していた訳ではないし、店舗前は環境整備で掃除をしていただけだ…」と反論がありそうですが、そもそも論として、もし「立派な掃除」をしていると思っているなら、行っていた行為をSNSなどでアップしてアピールできますよね? という話です。

そう、やっていることが良いことかどうかなど、いちいち理由や理屈など聞かなくても一瞬で分かることです。「それ、SNSでアップしてアピールする?」と聞けばそれで済みます。誰でも正邪の判断くらいできるのです。

自分のやっていること、ビジネスでやっていることについては、アピールしたい内容かどうか…で一瞬で判断できます。しかもその内容に虚偽はないか? 胸に手を当てれば誰でもわかる話です。

経営において重要なことは、こうした本来だれでも持っている判断能力や「良くして喜ばれたい、報われたい」という人としてのまっとうな想いを、封殺するようになっていないかどうか…という点です。

今回の不正問題でも、あるコンサルタント会社が関与していた可能性が高いと言われていますが、ご存じのとおり、この会社は北海道の遊覧船で事故を起こして多数の死者を出した会社の指導も行っていたところです。

たまたまでしょうか? そう、たまたまかもしれません。たくさんの会社を指導していればそういうことも起きる…という人もいるでしょう。しかし、そのコンサルタント会社自体も、経営トップに反論を許さない体質であり、社員を道具のように扱うことで昔から疑問が呈されることが絶えない会社であることも事実です。

経営者が正しき思想と理念で立つとき、社長が全責任を負って従業員を率いるからこそ素晴らしい経営が実現していきますが、その起点となる正しき思想と理念にズレが生じればどうなるか…。まして、社長が全責任を負って…を「盲従させる」とスリ替えればどうなるか…。

社長や経営陣がおかしくなっていく時にも多くの共通点があります。「直接のお客様とは別のところからのお金が入ってくる…」というのは、その代表例の一つです。本来の、「お客様への商品やサービスのご提供」という思想や理念に、ズレが生じてくるからです。

修理でも、もし保険が無くユーザーが払う分そのままだけ…だったとすれば、余計な傷や凹みの修理代を請求すれば間違いなく、「なんだこれ!!」とスグ発覚しますし、大クレームになって二度と依頼されなくなるでしょう。

しかし、「保険で修理…」の場合、ユーザー側の痛みは大幅に少ないため、あまり意識されることがなく、「なあなあになってしまう」という大きな問題あります。「お客さんも周囲も綺麗になって喜んでる」などと、善悪の判断がおかしくなっていくのです。

似たような可能性を抱えている商売は、世の中たくさんあります。ユーザーの支払いだけで売上になっていないところですが、その多くは税金や団体などからのお金が入って経営が成立しているところです。

もちろん、すべてが悪いなどと申し上げるつもりなど毛頭ありませんが、「違うところからお金がはいってくる」というビジネス構造の場合、商売繁盛や事業成長を考えるときに、本来の「お客様視点」がゆらぎ、「違う理由」を持ち出すことが容易という点については、大きな注意を払う必要があるでしょう。

語弊を恐れずに申し上げれば、「クスリを多めにだしておきますね」と言われて、喜んでいる人も多いのですが、全額自己負担になったとして果たして喜んでいられるかどうか…。経営でも、補助金ゼロになっても次の打ち手の指導をクライアントは喜んでやるかどうか…。

ビジネスにおいて売上は極めて重要ですが、それをどうやってあげるのかと言えば、お客様への商品やサービスを通じてしか手に入らず、他所からのお金を当てにしていると経営判断を曇らせていく危険性があるということは肝に銘じておかなければならないことです。

そして、そのことに言い訳や理屈を言い始める何かが起き始めたとき、厳かに「それ皆にアピールできる?」と自分自身も問うてみればいいのです。

そのとき、自分が何を思うのか…。良心の呵責が起きるようなら、できるだけ早くそこを離れるようにする。想いと行動が一致していないと人はいずれ病んでしまうからです。

あなたは、自分の想いと行動に納得していますか? アピールし、報われる場所にしていっていますか?

著:五藤万晶

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