がんばれコンサルタント! 第606号:コンサルタントが押さえるべき、目標設定時の重要ポイント
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「ゴトウさん、以前言われていたことですが、やっぱり金額を目標にしていたときとは色々変わってきますね…」── 先日、親しいコンサルタント仲間と一杯やっていたときに出てきたお言葉です。
何の金額かと言えば、コンサルタント商売としての売上金額のことで、いわゆる目標5千万円とか1億円やりたい…といった目標数字的なことですが、これに対して考え方が変わってきた…という話です。
ご相談にお越しになられる方、中でも意欲的な方にお話を伺っていると、「これまでで一番売上が大きい人はいくらくらいですか?」とか、「最速で何年で到達しましたか?」、「自分は絶対に1億円以上いくので、2億目指していいですか?」といった質問というよりは、ご自分を鼓舞するような内容になることがあります。
もちろん、せっかく独立してビジネスを始めるのですから、高き目標を設定してそれに向かって進んでいくことは非常に大切なことです。実際、多くの起業家たちは、高い目標を掲げることで自らのエネルギーを漲らせ、その実現に向かって突き進んでいっています。
ですから、コンサルタント商売においても、自分なりの高い売上目標を掲げることは、ある意味当然のことですし、当社でも、「3千万円は入口ですよ」と創業以来お伝えしてきています。
一方で、ビジネスにおいては中身や充実度…といったものも非常に重要です。どれだけ売上が上がったとしても、「やっている自分自身がちっとも幸せを感じない」としたら、それは、わざわざ独立して商売をやっている意味がない…と言わざるを得なくなってしまいます。
当然の話でしょう、勤め人状態なら「やりたくない仕事だけど、生活のために我慢して…」といった悲哀は分かりますが、独立していて好きに商売を選べる状態であり、しかも「自分がこれまでに培ってきた知識や経験を活かすことができるコンサルタント商売なら、充実や満足を得られないほうがおかしい…くらいの話です。
なぜこういったことが起きるのか…と言えば、自分が自分に課す目標設定が「自己都合の数字」だったりするからです。
歯に衣着せず言えば、単なる数字合わせ的なゲームをやっている可能性が高く、「自分は誰にも負けたくないから一番の数字をあげたい」とか、「年収1億円という凄いステータスを得たい」、「どうだこの数字、すごいだろう!」…などと考えてやしませんか、ということです。
そんな訳ないでしょう、失礼な!といった声が聞こえてきそうなので、もし気分を害されたとしたら陳謝いたしますが、一つだけ質問はしておこうと思います。
「では、その目標数字を達成したとき、お客様、クライアントをどう喜ばして、関係性はどんな状態になっていますか?」
この手の質問をすると、「そりゃ~お客様は凄く喜んでいて…」とほとんどの人が取って付けたように答えるのですが、不思議なくらいに問われるのが嫌そうに答えたりします。
さらに突っ込んで訊いてみたりすると、数字的な根拠も希薄でビジネスの中身についても曖昧だったりします。
断っておきますが、「目標数字は不要」などと申し上げるつもりはまったくありません。むしろ人助けだとか言って綺麗ごとでビジネスをやっていけるほどこの世は甘くありませんし、学生のノリでやっていても、周囲に迷惑をかけるだけなので、そういう人にはやめておいたほうがいいですよ、と申し上げています。
必死の想いでビジネスをスタートさせ、なんとか軌道に乗せるということがどれだけ大変かは、起業した人であれば強烈に実感されているに違いありません。だからこそ、目標数字を掲げること、そこに近づくために必死に努力することはとても重要と言えます。
ただし、ガムシャラにやってなんとか軌道に乗せる…というところをクリアしたのなら、そこから先は「何をやるのか」「どう良くしていくのか」「どうお客様と関係していくのか」…といった内容面や充実度…といったことを考えていかなければ、ビジネスが本当の意味で良くなっていくことはありませんよ、ということです。
言葉は悪いですが、ただ単に数字だけを掲げて「売上必達!」と叫び「どこに買ってくれる客はいるか?」を毎月血眼になって歩き回っているセールスのようなことをやっていて、それで自分もお客様も豊かに充実して満足していくような「ビジネス」になるんですか? という話です。
早い話、ビジネスの成長に応じて目標の掲げ方も変えていかなければ、ビジネスも人生も、骨太で豊かな成長、そして報われる展開…は望めなくなる…ということです。
重要なことは、コンサルタント商売でお客様にご指導するとき、「コンサルタント自身の考え方も必ず伝播しますよ」という点です。コンサルタント自身が、人を人とも思わないような数字至上主義の考えであれば、必ずクライアントもそうなっていきます。
実際、世間を騒がせた企業が、なぜか共通したコンサルタント会社が指導していた…というのは、単なる偶然にしては恐るべき確率と言わざるを得ません。
翻って、「経営者が、本当にビジネスをやっていて良かった、楽しい、報われた」といった想いを実感してもらおうと思えば、関わるコンサルタント自身も「コンサルタント商売をやっていて良かった、楽しい、報われた」と思えるビジネス展開を考えていくのが、これまた本来自然のことと言えます。
もしここで、「数字」しか基本的に頭に無いコンサルタントが、上辺だけ「社長の想いを…」などと心にもないことを指導したとしても、必ずメッキがはがれていくことになる…のは言うまでもないことでしょう。
ちなみに、関わったコンサルタント仲間で、1億円をゆうに越えていった方は何人もいますが、共通しているのは、「お客様との関係性」、「ビジネスの中身」というものを良くしていく中で、いつしか1億円を越えていた…という点です。
大切なことは、目の前のお金に意識が行っていないか、単なるお題目の数字目標を唱えていないか、そこにお客様はいますか?…と。
ビジネスの核を定め、動じないビジネス展開していくことこそ、本物の成長への近道となります。あなたは自分のビジネスの中身を強くしていっていますか?
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