がんばれコンサルタント! 第638号:コンサルタントが押さえておくべき、チャンスを逃さないための重要ポイント

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「ゴトウさん、クライアント先でやってもらっていた施策が本当にギリギリで危なかったでしたよ…」── 先日、かれこれ5年以上前からお越しになられている親しいコンサルタント仲間と、ある企画の件で打ち合わせしながら一杯やっていた時にでてきたお言葉です

なんでも、クライアント先で実施展開してもらう予定で半年以上進めてきていたことが、あやうくタイミングを逸してとん挫するかも…という危ない状況になっていたというのです。

詳細を聞いてみると、とん挫の危機を招いた最大の原因は、「社長の決断が遅い」というものだったのですが、これについては、そのコンサルタント自身も反省しきり…とのこと。

というのも、何かに挑戦するとき、多くの人が陥りがちな罠があります。それは、チャンスをつかめるか掴めないかは、「選択すること」だと勘違いしている人が多いということです。

しかし、実際には、選択すること以前に、もっと重要なことがあることに気づいていなければなりません。それは、「判断までが遅くないか?」という点です。端的に言えば「判断までの時間」です。これがそもそも遅すぎるケースが非常に多いのです。

ただし、よく耳にする「判断が遅い」という言葉も誤解されがちです。これには大きく二つのパターンがあります。一つは、実際に判断を下す「処理速度が遅い」ケース。

いわゆる逡巡して、「ああでもない、こーでもない」「う~ん、どうしよう…」など、煮え切らない、踏ん切りがつかない、決心がつかない…といった、決断できず一歩が踏み出せないというパターンです。そう、よくあるパターンかもしれません。

そしてもう一つは、「期日設定そのものが遅い」ケースです。この場合、いくら頭の回転が速くても、判断する時点ですでに遅れているため、チャンスを逃してしまうリスクは飛躍的に高まります。そう、このパターンは気づきにくいのが最大の問題なのです。

ビジネスの世界では、当然ながら何かを始めたからといって、すぐに結果が出るわけではありません。儲かってビルが建つにも、商品やサービスが全国に広まるにも、相応の時間が必要です。

この当たり前の事実を踏まえれば、少しの成功に対しても、実際に要する時間すなわち「判断して実行するために残されている時間」は、私たちが想像しているよりも「ほぼ間違いなく短い」というのが現実なのです。

特に、初めての挑戦や、先行きが見えないプロジェクトにおいては、この「時間の短さ」を強く意識する必要があります。語弊を恐れずに申し上げれば、やったことがない未知の領域であれば、イメージしている2倍3倍の前倒しで進めるくらいで丁度…とさえ言えるでしょう。

だからこそ、冒頭のコンサルタントの方は、社長に対してもっと早めの判断ポイントを設定しておくべき…と自己反省されていた訳ですが、これは我々コンサルタント自身についても同じことが言えます。

報われるビジネス、報われる人生の展開を実現したいなら、期日は必ず前倒しにしなければ、そもそも判断の時期が遅い可能性が高いのです。来年やろうと思っていることの大半は、「年内着手」を意識して丁度かもしれませんし、そもそも前倒しして得することはあれど、損することはまずありません。

怖いのは、判断ポイントが遅い場合、状況の変化も重なってさらに遅れることが多くなり、1年はおろか3年、5年と、あっという間に時間は過ぎていってしまう点です。

充分時間をかけて考えて、スパッと決断できた~と思ったとしても、それが何かをやるにはもう遅いという年齢になっていたとしたらどうなるか…。

やろうと思っていた…が、いつのまにか3年、5年経っていたりするのは、まさに自分の判断期日の設定が甘く、遅いのが原因だったりします。そしてそのことで、状況は取り返しのつかない方向に進んでいっているということです。

本年も残り2カ月を切りましたが、ギリギリでも前倒しで進められることが少なくないと思います。それとも、やはり来年に先延ばしにしようと考えますか?

あなたの判断スピードの速さを活かそうにも、そもそもの判断期日が遅れてしまえば、せっかくのチャンスも遠のいてしまいます。あなたは、判断期日を前倒しにしようとしていますか?

著:五藤万晶

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