がんばれコンサルタント! 第639号:コンサルタントのための、年齢を重ねていく時に考えておくべきこと

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「ゴトウさん、先日友人たちと久しぶりに逢って話をしていたんですけれど、本当に考え方って変わるもんなんですね…」── 3年ほど前に、コンサルタント起業を目指して当社のセミナーにお越しになられた後、グループコンサルティングで独自のコンサルティングをつくりあげて起業された方の一言です。

なんでも、サラリーマン時代の友人と6、7年ぶりに集まって飲もうということになったそうで、懐かしさもあって楽しく話していたというのですが…。

ところが、ある話題がでてきたあたりから、どうも話が噛み合わなくなってきたというのです。その話題とはズバリ「定年」。

ご本人は独立して商売を始めたばかり…なので定年を考えるどころか、「いま」を考えるのに結構必死というのが本当のところだったそうですが、 そもそも「定年で上がり」といった感覚に対しては、大きな違和感を覚えた…というのです。

なるほど…、この辺りはよくコンサルタント仲間でも話に出てくることなのですが、「現役で働けるうちは、できる限り働き続けたい…」という考えもあるかもしれませんが、そもそも論として、「楽しいことをやっているのに、なぜ辞めさせられなければならない?」というのが本当のところしょう。

 これは独立した…という人でも、どこかに属していたり、仕事を振ってもらっている経営状態の場合、似たようなことが起きかねません。

本来、会社を辞めて独立しているのであれば、自分の商売をいつまでやるか…は、自分が思ったとおりにすればいい…だけの話です。もし、これが意のままにならないとしたら、自分が行っているビジネスにおいて、何か重大な問題を抱えていると考えるべきです。

関わる方々に口酸っぱく申し上げている、「自分のビジネスの生殺与奪権(せいさつよだつけん)を自分が握っているか?」という話です。他人に預けていれば、自分の思い通りにならないのは当たり前の話ですし、そうなっているなら「自分が問題の根源をつくっている、または放置している」ということです。実にシンプルな話です。

 冒頭のコンサルタントの方いわく、「言葉は悪いですが、まるで飼いならされたペット」のようだと。 言われたことを言われた通りにこなし、その見返りに…と。 話ていて、そんな感覚が見えてきた…というのです。

重要なことは、「独立」…というのは、形式に過ぎず、生殺与奪権を自分が握っているかどうか…は、「自分のビジネス、自分の商売を行えているかどうか?」ということに直結します。誰かに依存しなければ成立しないとしたら、首根っこを押さえられている「鵜飼いの鵜」と変わらなかったりするからです。

魚を自分で獲ってきているつもりでも、鵜匠頼みの状態なら生殺与奪権は誰が持っているのか…。弱ってきたり、もっと魚をとってくる鵜が現れれば、残酷ですが年老いた鵜は用済みになります。ただし、それは最初から分かっていることであり、見ようとしなかっただけの話だったりします。

当たり前ですが…歳を取るにつれ人間も弱ってきます。思考も「誰かに助けてもらおう」と変わりはじめたりもします。 「サラリーマンが定年を考えて、もう働かなくていい。年金で暮らせる」と考えたりするのは、その典型例でしょう。これまた当然なのです。

ややこしいのは、どこかの傘下や仕事を振ってもらっている状態が続いていると、自己認識ととのズレに気づくのが遅くなる…という点です。気付かなければ、あるとき「もう辞めてください」と同じように、仕事が振られなくなります。独立していたはずなのに、事実上の定年がやってきたりします。

強制的に仕事が止められて定年にさせられる。 問題は、これを素直に受け入れられるかどうか…という話です。

当社にお越しになられた方々は、「それは嫌。絶対に嫌」という方々ばかりです。 なぜなら、好きなことを自分の思い通りにやりたいからです。だからこそ、自分だけのビジネスを持ちたい。 これまで培ってきたことを最大限に活かして、自分だけのビジネスを展開して、報われる報酬を手にしたい。そう考えるからです。

言葉は大変悪いですが、「いい歳して、誰かに面倒みてもらいたい」なんて少しでも考えている人が、クライアント先に対して「ああでもない、こおでもない」なんて、どの口で言うのか…という話でしょう。

あなたは、自分のビジネスを、自分の思ったとおりに、好きなだけやろうとしていますか?
 その理想の状態に近づけていこうとしていますか?

著:五藤万晶

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