がんばれコンサルタント！ 第76話：本当に怖い、コンサルと似て非なる職業のマネ

第76話：本当に怖い、コンサルと似て非なる職業のマネ

 

 

　先般、ご相談にこられた方が、「ここ一年、色々なところに行って勉強したんですけれど、どうも自分がやろうとするコンサルタントの方向性と何かが違うんですよね…」と、ぼそっと話されました。

　もしかして…？ と思って、「勉強に行かれたのは、どんなところですか？」と質問してみると、やはり…のお答えが。

　何かと言いますと、「コンサルタントとは違う職業の方が、たくさん混在する場所」…ということ。

　本来、普通に考えれば、「コンサルタントを目指すなら、コンサルタントとして成功するための勉強」をすればいいのですが、これがなぜか？ まったく違うことを勉強してしまうために、ずいぶんと遠回りしてしまう人が後を絶たないのです。

　ご相談に来られた方も、約1年半、変だな～と思いながらもさまよってしまったというのです。では、こういう人は珍しいのかと言えば、これが全然珍しくないだけに、問題が根深いと言わざるを得ません。

　なぜ、本来目指すべき道から逸れて、全然違う勉強を始めてしまうのか…。これは、拙著「コンサルタントのための、キラーコンテンツで稼ぐ法」でも指摘していますが、コンサルタントと、その他の似て非なる職業との違いを理解していないから…というのが最大の理由です。

　書籍でもセミナーでも、暇さえあれば？何度でも申し上げていますが、コンサルタントとビジネスタレントとはまったく違いますし、講演講師や士業の方々とも全然違います。むしろ、本質的にはまったく逆だということを、本当に理解していないと、いつまでたっても芽すら出ない…ということになってしまいます。

　問題は、ご本人のみならず、多くの場合、教えている側すらまともに理解していないということです。そして、さらにタチが悪いのは、一緒に来ているお仲間にどんどん引きずり込まれていく…ということです。

　なぜタチが悪いのか…と言えば、基本的に彼らに「悪気がない」からです。良かれと思って悪いアドバイス、まったく逆のアドバイス…を、どんどん与えているから本当にタチが悪いのです。

　根本的なことを理解していれば、こうした問題に引きずり込まれることはないのですが、極端な話、「人前でセミナーのようなことをする人」は、全部一緒くたにされてしまうために、問題が根深いのです。

　自分が進むべき道を正しく判断するのは、自分しかありません。そのためには、本質的な違いに早く気づくことです。

　中には、悪質な起業支援サービスもあります。身振り手振りといった形を教えることに終始したり、他の人と協業すればさも上手くいく的なことを教えたり…。自分のパーソナル性こそが売りモノと教え込んだり、ひどいものになれば「この教材を買えば…」と、コンサルティングに関する権利があるかのように法外な料金を請求するところもあります。

　ご相談に来られた方には、しっかりとお伝えしていますが、コンサルティングに地域独占的な発想など、どこにもありませんし、まったく意味がありません。

　そもそも、独自のコンサルティングを展開している優れしコンサルタントの活躍の場所はまさにワールドワイドであって、国内にとどまることさえ不思議なことと言えます。

　ノウハウこそが売りモノのコンサルタントにとって、やたらに着飾って自分をへんにアピールする理由はどこにもありません。むしろ、売れない二流臭さがプンプンしてきて、本物のお客さんは静かに立ち去っていきます。

　話し方と派手パフォーマンスでクライアント企業がついたり、着飾っただけで顧問先ができたり、はたまたギブアンドテイクをしていれば仕事が回ってくる…といった話は、とても耳に心地いいですが、現実はそんなに甘くはありません。

　納得のいく、合点のいく話には必ず落ち着きどころがありますし、本当にいい話には腑に落ちるオチがあるものです。一方で、都合のいい話や甘い話には、必ず落とし穴がある…ということを忘れないでください。