がんばれコンサルタント! 第94話:コンサルタントに必須の適正とは…

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第94話:コンサルタントに必須の適正とは…

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 「五藤さん、私はコンサルタントに向いていますか? 大丈夫でしょうか…?」── 先日、これから本格的にコンサルタント業を始めようと考えている方が、ご相談にお越しになられた際の言葉です。

 よくご質問いただくものに、「コンサルタントに向いていないタイプはありますか?」というのもあります。こうした質問の場合、大きくは2つに分けて考える必要があります。表面的な問題と本質的な問題です。

 冒頭の質問の場合、基本的に「自分はコンサルタントとしてやっていけるかどうか…」という不安から発せられるものが大半です。

 簡単な話、クライアント先をいくつも抱えて、売れているコンサルタントになれば、「自分はコンサルタントに向いているかどうか?」といった質問は、まず出てきません。売上が順調にあがっていれば、そもそも適正について悩む人はほとんどいないからです。

 ですから、こうしたご質問の場合、そんなつまらないことを考えているよりも、受注獲得のための具体的な方策を一緒に練ったり、アドバイスをして、実際に活動していってもらうようにしています。それこそが悩み解決?の具体実務だからです。

 ビジネスにおける悩みの90%は、売上が解決します。世の中キレイごとをどれだけ並べるより、そして変に悩むよりは売上をつくることです。

 では、受注を獲得できていればそれですべてオッケーかと言えば、世の中それほど単純ではないところに悩ましさがあります。一時的には上手くいっていても、「本質的にコンサルタント業に向いていない人」というのも現実にいるからです。

 これはコンサルティング業に限らず、他のビジネスでも言えることですが、本質的にそのビジネスが必要とする要素、能力といったものを持ち合わせていなければ、長きにわたって活躍、成長させていくことは極めて困難になります。

 では、コンサルタント業における、「絶対に欠かすことができない要素」とは何かといえば、ズバリ、「人間を見ることができる」という能力です。

 どこかのテレビや雑誌の影響か、はたまた横文字マーケティングにどっぷり浸かってしまったせいかは知りませんが、「コンサルタント=数字が読めなければダメ」と、勝手に思い込んでいる人が少なからずいます。

 数字の代名詞といえば決算書ですが、もちろん、決算書が読めること自体はプラスに働くことですから、このこと自体は問題ありません。問題となるのは、「決算書が読めればコンサルタントになれる」とか、「決算書を読めるから俺はエライ…」さらには、「コンサルタントは数字がすべて」とばかりに、決算資料や数値データなどの書類を見て、「ココが問題ですね…」と得意気にアドバイスしようとすることです。

 セミナー会場などで、「私は、人と接するのが苦手なので、コンサルタントになりたいと思っています」という、正気とは思えないような言葉を聞くことがあります。

 数字的な資料を見るだけで、会社の状況を判断して対処できると思っている人たちですが、間違いなく言えることは、「会社」というものが無機質に勝手に存在していたり、「決算書」というものが、機械的に発行されたりすることは、絶対に無いということです。

 瀕死の会社であっても、社長が諦めていないうちは挽回の可能性は大いにありますし、一方で、どんなに優良企業でも、やる気のまったくないボンクラが後継者になれば、あっという間に傾いていってしまいます。

 最高品質のモノづくりの工場であっても、働く従業員の士気が下がれば急に不良品が大量生産されたりします。売上不振にあえいでいた会社が、たった一つの受注をきっかけに、営業のムードが一転して受注が大きく拡大することもあります。

 いかなる企業も、そこには生身の人間が日々お客様に対して商品やサービスを提供し、さまざまな活動をしています。そうした活動の一端を、特に売上や経費に関することを重点的に数値化したものが決算書であっても、すべての活動を捉えられると思ったり、そこの数値を見て本質的な企業成長への打ち手が見いだせると思うことなど、甚だ稚拙といわざるを得ません。

 冷静に考えればすぐわかることですが、決算書には「過去のこと」しか載っていません。未来のことは一切載っていないのです。

 数値しか見ない人、読めない人は、未来に対する投資金額が妥当かどうかを判断する尺度を持ち合わせていません。対処療法はできても、無から有を生むコンサルティングができないのです。

 このことは極めて重要なことです。新しいビジネスを作っていく時や、新事業を興していくとき、大胆な成長策をとろうとするとき、前のめりになって大きな先行投資が必要となるからです。

 この前のめりの状態は当然ですがバランスを欠く状態です。特に創業当時は、顧客開拓をしなければ事業は成り立ちませんが、そのためには圧倒的な先行投資が必要となります。このことは、バランスシートを見れば「著しく良くない状態」になって数字に現われてきます。

 ゼロから始めて、何の保障もない投資をしていくのが起業ですが、もし、創業当時のバランスシートを良くするなら、広告費カット、役員報酬カット、仕入カット…と、要は事業を停止させなさい…という判断しかなくなってしまいます。

 実際、創業当時の決算書を、経験の少ない税理士の先生に見せたとき、「広告費が多いですね~」といった答えしか返ってこなかったという話は、本当に多く耳にします。

 ハッキリ言えることは、事業をつくるのも、事業を伸ばすのも、そして新しいことをするのも、すべて人間だということです。人間の活動のごくごく一部を数値で置き換えて判断しているにすぎないという、この事実をしっかり理解していないと、コンサルティング業は本当に危うい仕事になりかねないのです。

 何の根拠もない未来に対して、「いけるかどうかの判断」をするとき、人間を見る以外に方法はありません。コンサルタントが見るべきは人間なのです。

そして、多くの人と関わりあいながら、企業の現場で多くの経験やノウハウを積んでこられた実務あがりの人には、コンサルタントとして活躍できる下地がしっかりと備わっている…ということなのです。

 

著:五藤万晶

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